のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

少女には向かない職業/桜庭一樹

2008年10月05日 22時52分24秒 | 読書歴
80.少女には向かない職業/桜庭一樹
■ストーリ
 あたし、大西葵13歳は、中学一年の夏に人をふたり殺した。
 あたしはもうだめ。ぜんぜんだめ。少女の魂は殺人に向かない。
 誰か最初にそう教えてくれたらよかったのに。だけどあの夏は
 たまたま、あたしの近くにいたのは、あいつだけだったから。
 これは、ふたりの少女の凄絶な《闘い》の記録。

■感想 ☆☆☆☆*
 わずか270Pの薄い文庫本だ。読みやすい文章というのもあって
 あっという間に読み終えることができる。しかし、薄い小説なのに
 大きな大きな奥行きがある。夢中になって読み進め、読み終わった後
 自分の身の回りに広がった小説世界の大きさに圧倒された。
 物語の世界からまったく抜け出せなかった。
 小説を読むとき、たいてい主人公に感情移入して読んでしまう。
 しかし、今回はいつも以上に物語にどっぷりと浸りきってしまった。
 それぐらい迫力のある世界だった。

 どうしようもない展開で道を一歩踏み外してしまう主人公の
 恐れ、おののき。自分にはどうしようもできない「負」の境遇で
 辛い気持ちを一生懸命、抱えている主人公。しかし、誰にもSOSを
 発信できない主人公。彼女は自分の辛さを誰にも打ち明けない。押し隠す。
 しかし、取り繕っていた「日常」はあっけなく破綻する。
 破綻した後でさえ、誰にも気付かれないように、必死に
 「普通の世界」に戻ってこようとする主人公のあがき。そういった
 ヒリヒリした感情を、まるで自分が体験しているかのように、
 身近に感じることができた。迫ってくるような感覚だった。

 そして、主人公に対して、必死に「普通ではないオンナノコ」を
 演じてみせるもうひとりのヒロイン。「普通ではない」ところを
 見せて主人公の気を惹き、自分の状況に気付いてもらおうとする。
 そんなまどろっこしい方法でしかSOSを発信できない
 もうひとりのヒロイン。
 この小説はまさに彼女たちふたりの「壮絶」な闘いの記録。

 小説の奥行きと迫力にページ数は関係ない、と思い知った。

孫のおねだり

2008年10月05日 22時20分42秒 | 日常生活
久しぶりに祖父宅へ向かい、団欒のひとときを持ちました。
無口な祖父なので、
一緒におやつを食べたりドリフを見たり
ただ一緒にいるだけのひとときでしたが
心ほっこり楽しい日曜日でした。

あまりにワタクシと祖父が「一緒にいるだけ」だったので
「おじいちゃんの耳かきでもしてあげたら?」
と提案する母上。

そうなのです。
ワタクシ、他人様の耳かきをするのが大好きなのです。
ひとりぐらしをしていた頃から
帰省するたびに父上、母上、妹の耳かきをして喜んでいました。
今も妹がひとりでゆっくり帰省しているときには、大喜びで
「耳かきさせて!!」
とおねだりします。

というわけで、祖父に「耳かきさせて!」
とおねだりする孫。(ワタクシ)
「物好きやねぇ。」と呆れる伯母。
「でも、おもしろいもんね。」と理解を示す母上。
この親にしてこの子あり、です。
なにせ、耳かきの面白さをワタクシに植えつけたのは母上ですから。

膝枕をして祖父の耳を覗き込むワタクシ。
ここ1ヶ月で一番の喜びの瞬間を味わいました。

「すんごい!!すんごいよ!!母上!!!
 もんのすごいたまってる!!たくさんある!!
 うっわー。すんごいわ。
 宝探し気分、味わえるよー。UFOキャッチャー気分?
 きゃー!!楽しいっ!!」

あまりのはしゃぎっぷりに母上も大急ぎで寄ってきて
ワタクシを押しのけます。
「見せて、見せて!うわー!!すごいっ!!
 これはすごいわっ。楽しそうーーーーーーー!!」
親子二人で大騒ぎです。

取れた獲物のあまりの大量ぶりと
一粒一粒のあまりの大物ぶりにほくそえみながら
「かおちゃん(妹)にも見せてあげたかったねー。
 写真、とっとく?メールで送る?」
と相談しあう親子ふたり。
伯母上があきれながら、きっぱりと言いました。

「あんたたち、変。」

・・・今、思い返すと
やはりあのときのワタクシのテンションは変でした。
ちょっぴり酔っ払いモードでした。熱中しすぎてました。

でもね。
基本構造はゲーム攻略に熱中する人たちと同じだと思うのよね。

母上のおねだり

2008年10月05日 22時03分10秒 | 日常生活
今朝、母上が父上におねだりをしていました。
「ねえねえ、お父さん。お願いがあるんやけど。」

新聞を持ち出す母上。

「このクロスワードパズル解いて!
 もう答えがわからんで、くやしいんよ。お願い!」

・・・安上がりな、というより
ほのぼのとしたおねだりぶりに思わず吹き出すと

「だって、気になるやん!答えが載ってないんよ。
 来週には載るみたいなんやけど
 今、知りたいやん。気になるやん!」

と口を尖らせる母上。
なにせ、我が家の女性陣で一番のオトメですから。

いつもどおり、特に何の反応も返さない父上。
しかし、10分後に新聞を広げると
クロスワードパズルはすべて埋まっていました。
大喜びの母上。

日曜日、朝一番の夫婦の対話です。
交わす言葉は少ないものの、夫婦仲良しみたいで何よりです。