のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

勤続10年で得たもの

2010年08月09日 23時28分51秒 | 日常生活
ひっさびさに同期ジョシ会を開催しました。
今回はまだ会社に残っているジョシのみでのこじんまりとした開催。
「よくよく考えたら、出会ってからもう9年経つんよねー。」
「新しい知り合いのような気がしとうけど、
 実は中高時代の友人より付き合いが長いんよね。」
としみじみする同期ジョシ2名。

・・・あのね?
ワタクシたち、勤続10年目よ?
出会ってもう10年なのよ?

というワタクシの言葉に心底驚いたふたりの姿が
非常に印象的でした。

「え?!もう、うちら働き出して10年?!」
「うそやん。まだ9年やないと?ホントに10年??」

・・・いやいや、こんなところで嘘はつきません。
勤続10年目。出会って10年目。
来年はリフレッシュ休暇がもらえますよー!

「そっか。来年、リフレッシュ休暇か。
 新人の頃は、まさか自分がリフレッシュ休暇もらえるまで
 会社におるとか思いも寄らんかったよね。」
「うん。10年後の自分が会社におるとか、思ってなかった。」
しみじみと語り合う二人。

うん。私もまさか32歳の自分がこんなオトナだとは
思ってもいませんでした。
思い描いていた32歳とあまりに違いすぎる。
32歳って、もっとこう落ち着きがあって、迷いなんてない
もっと芯のあるお年頃だとばかり。
ていうか、もっとオトナだと思ってましたよ。
思わずワタクシもしんみり。

「でもね。」とおもむろに座りなおす同期。
「うちら、10年も同じところで働き続けられたわけよ?
 たぶんね。結婚したら離婚せんと思うよ。
 ちょっとぐらい結婚失敗しても「うわー。なんでこの人と。」
 と思っても、結婚生活継続できると思うよ。
 『継続力』が身についたんやない?」

なるほどー。思わず納得。
確かに、「勤続10年」も「結婚生活10年」も、
どちらも維持するためのエネルギー量は同じっぽい。






思わず、納得しかけましたが。
でも、やっぱり違う気がする。
ていうか、違うと思いたい。
そんな忍耐力とは無縁の結婚生活を送りたい。
結婚生活にはまだまだ夢とか希望とか持ちたいです。
持たせてください。

それにしても。
久々に再会した友人たち(同じ会社なのに。)はとても元気でした。
色々と大変そうなのに、バイタリティあふれていました。
相変わらず面白い人たちでした。
こじゃれた店内の雰囲気をものともせずに爆笑し続けた4時間半。
久々に笑いすぎて涙が出ました。笑いすぎてほっぺが痛くなりました。
笑って笑って笑って、爽快な気持ちになりました。
うん。私も元気。元気をたくさんもらいました。ありがとう。

7月の読書

2010年08月09日 00時57分08秒 | 読書歴
ふと気が付くと、なんだかハイペースで本を読み進めていました。
あれ?最近は通勤時間の音楽タイムが増えていて、本に集中できて
いないはずなのに。(音楽の歌詞に耳を取られてしまうらしく
本を読みながら音楽が聞けません。)

というよりも、どうやら「読みやすい本」「軽い本」を集中して
読んでしまっているような。下半期は少し重厚な作品にも手を伸ばします。

86.スロウハイツの神様(上)(下)/辻村深月
■ストーリ
 ある快晴の日、人気作家チヨダ・コーキの小説のせいで、人が死んだ。
 猟奇的なファンによる小説を模倣した大量殺人。この事件を境に筆を折った
 チヨダ・コーキだったが、ある新聞記事をきっかけに見事復活を遂げる。
 闇の底にいた彼を救ったもの、それは『コーキの天使』と名付けられた
 少女からの128通にも及ぶ手紙だった。
 事件から十年、売れっ子脚本家・赤羽環と、その友人たちとの幸せな
 共同生活をスタートさせたコーキ。しかしその共同生活は、思わぬ方向へ
 ゆっくりと変化し始める。

■感想 ☆☆☆☆☆
 久々に読書がしたい!と訴える母上に、読みやすくて面白い作品を
 次々と渡しています。これもその中の一冊。渡しておきながら、
 自分もまたもや読み返してしまいました。とにかく大好きです。
 この2年で5~6回は読み返しました。読み返すたびに幸せな気持ちに
 なります。私の中でチヨダ・コーキは、クドカンさんと重なります。

88.真夏の夜の夢/ウィリアム・シェークスピア
■ストーリ
 結婚に関して問題を抱えている2組の貴族の男女。そんな人間たちの恋に
 なぜか妖精の王と女王の喧嘩が影響し、引き起こされるどたばた騒動。
 そんな一夜のどたばたがやんちゃな妖精、パックの活躍によって円満を迎える。

■感想 ☆☆☆☆
 シェークスピアといえば四大悲劇ですが、私は断然、喜劇派です。
 じゃじゃ馬ならしも捨て難いけれど、どれかひとつと言われたら
 やっぱりこの作品。妖精パックがとにかく愛らしい。シェークスピアなんて
 難しそう・・・と思う方には、ぜひぜひ「ガラスの仮面」をお勧めしたい。
 この作品の魅力をあますところなく伝えてくれます。あぁ、「ガラスの仮面」
 バージョンも読み返したくなりました。あれって何巻だったっけ。

89.マダム小林の優雅な生活/小林聡美
90.マダムだもの/小林聡美
■内容
 「かもめ食堂」で一躍有名になった女優の日常エッセイ。

■感想 ☆☆☆
 だんな様とのやりとりがとても面白く、幸せに落ち着いた日々を送って
 いるんだろうなぁ、としみじみ思いました。小林さんから見ただんな様
 (脚本家、三谷幸喜さん)が私の思い描いていた三谷さんそのままで
 やっぱりそういう人でしたかー、と嬉しくなりました。
 
91.むかつく二人/清水ミチコ・三谷幸喜
92.いらつく二人/清水ミチコ・三谷幸喜
■内容
 清水さんと三谷さんでお送りしているラジオ番組から抜粋された
 会話の数々。

■感想 ☆☆☆☆
 「本」となっていますが、読んでいるだけでふたりの声やテンションが
 伝わってきます。お互いに毒舌をつきあっているし、自慢しあっているし
 負けず嫌いを発揮しあっていますが、結局のところ、仲がよいのねぇ
 と思える親密さが心地よい作品。和田誠さんの表紙がぴったり。

93.三谷幸喜のありふれた生活7
94.三谷幸喜のありふれた生活8
■内容
 朝日新聞連載の大人気エッセイ、第7弾と第8弾。

■感想 ☆☆☆☆☆
 時折、小説から遠ざかりたくなるときが訪れます。そんなときの力強い
 味方。なんやかんやと色々、エッセイを読んでいますが、今のところ
 一番好きなのは、三谷さん。・・・か、阿川さんです。そういえば文章
 や取り上げる題材が似ているかも。

95.レインツリーの国/有川浩
■ストーリ
 きっかけは「忘れられない本」。ネット上で共通点を見つけたふたり。
 そこから始まったメールの交換。しかし、かたくなに会うのを拒む彼女には、
 会えない理由があった。

■感想 ☆☆☆☆
 ベタな恋愛小説です。「ロマコメ大好き!」と言い放つ作者だからこそ
 築き上げる甘い甘い世界です。けれど、甘いだけではない。
 健聴者と難聴者。「違うこと」が多いふたりの「違い」や「ズレ」を
 丁寧に説明してくれます。「違う」からといって「面倒」で終わらせず
 「面倒なほうが好きや。面倒な君が好きなんや。」と言って、彼女との
 「違い」に丁寧に向き合ってくれる主人公がとにかく素敵です。

96.漢方小説/中島たい子
■ストーリ
 薬も、癒しも効かないあなたに贈る処方箋。
 みのり31歳、独身。元カレが結婚すると知ったその日から、原因不明の
 体調不良になった。行き着いた先は漢方診療所。悪戦苦闘する女性を
 そこはかとないユーモアで描く。

■感想 ☆☆*
 なんとなく共感を覚えてしまいました。年齢や状況が少し似ている部分が
 あるからなのか、そこで弱ってしまう主人公にも、安易な解決(身近な
 恋愛)にぐらりと来てしまう主人公にも、あぁ、あるかもなぁ。と素直に
 思えました。そこで身近な人に甘えられるというのも幸せなんだろうな。

97.乱暴と待機/本谷有希子
■ストーリ
 復讐相手として憎まれている限り、お兄ちゃんが私から離れていくことはない。
 四年近くもの間、二段ベッドが置かれた六畳間ひとつの古く陰気な借家で
 同居している三十歳間近の「兄」こと英則と、「妹」奈々瀬。
 奈々瀬は上下灰色のスェットにだて眼鏡姿で家に籠もり「あの日」から
 笑顔を見せなくなった英則のために日々「笑い」のネタを考えている。
 保健所で犬の殺処分の仕事をしている英則は一年前、天井板の一角に
 隙間を発見したのをきっかけに、帰宅後、屋根裏に潜り込んでは妹を覗いていた。

■感想 ☆☆☆☆
 登場人物全員が面倒で、できればお近づきになりたくない人種。
 彼らが取る行動や思考回路にはあまり共感できない。しかし、あまり共感
 できないにも関わらず、怒涛の展開の後半、彼らが紡ぐ濃厚な愛の世界に
 泣きそうになった。彼ら自身が十分に面倒な人たちだけれど、そもそも
 「愛」そのものが面倒なのだ、と思ってしまう。共感はできないけれど
 力づくで納得させられてしまった。本谷さんならではの世界観。
 今年10月に映画化される模様。キャスティングを見る限り、主要人物
 4名は見事にはまり役で心躍りました。

98.夜は短し歩けよ乙女/森見登美彦
■ストーリ
 私はなるべく彼女の目にとまるよう心がけてきた。吉田神社で、出町柳駅で、
 百万遍交差点で、銀閣寺で、哲学の道で、「偶然の」出逢いは頻発した。
 我ながらあからさまに怪しいのである。そんなにあらゆる街角に、俺が
 立っているはずがない。それでも彼女は天真爛漫に「奇遇ですねえ!」
 と微笑む。「黒髪の乙女」に片想いしてしまった「先輩」。
 二人を待ち受けるのは、奇々怪々なる面々が起こす珍事件の数々。

■感想 ☆☆☆☆☆
 リズミカルな文章で畳み掛けるように繰り広げられる森見ワールドが
 懐かしくなって再読しました。何度読み返しても好きです。この文章や
 この文体は癖があるけれど、ハマると中毒になります。
 ご都合主義どんとこい!読んでて楽しければいいんだよ!と思える
 本好きな人にお勧め。
 妄想を友達に片思いを成就しようと、外堀を埋め続けるセンパイの姿が
 とにかくほほえましく、恋っていいなぁと思いました。
 
99.強運の持ち主/瀬尾まいこ
■ストーリ
 元OLの売れっ子占い師、ルイーズ吉田は大忙し。 ある日、物事の
 終末が見えるという大学生の武田君が現れ、ルイーズにもおわりの兆候が
 見えると言い出した。連作短編集。

■感想 ☆☆☆
 平易で読みやすい文章や表紙のかわいらしいイラストがほのぼのとした
 印象を与えます。しかし、意外とシニカルな展開で、そのシニカルな
 視点がいかにも女性らしいな、と思いました。女性は占い大好きだけれど
 どこかで占いのうさん臭さをきちんと分かっているんだろうな、
 そのうさんくささもまるごと受け入れた上で、自分への応援アイテムとして
 うまく活用しているんだろうな、と思いました。結局のところ、女性は
 たくましい。その一言に尽きる作品のような気がします。

100.ラブコメ今昔/有川浩
■ストーリ
 乙女だっておっさんだってオタクだって人妻だって、恋がなければ生きて
 いけない。自衛隊を舞台に繰り広げられる恋愛模様を描いたベタ甘ラブに
 耐性のない方お断りの短編集。

■感想 ☆☆☆☆
 「空の中」「海の中」のサイドストーリ、「くじらの彼氏」の続編です。
 「自衛隊」という特殊な世界の中で、特殊な環境だからこその悩み事に
 振り回されつつもまっすぐ懸命に恋をする登場人物たちがとにかく
 かわいらしい。「ラブコメ」という言葉がちょっぴり照れ臭いけれど
 でも、きっと折に触れ読み返したくなるだろうな、と思える作品集。

101.サワコの和/阿川佐和子
■内容
 まったく日本には腹が立つ。なのに歳を重ねるにつれて、じわじわ好きに
 なる。日本の行事やアメリカ滞在を通じて感じた祖国への微妙な「愛」を
 綴るエッセイ。

102.空耳アワワ/阿川佐和子
■内容
 オンナの現実胸に秘め、懲りないアガワが今日も行く。合言葉は
 「ごめんあそばせ」。そんなことだってあんなことだって包み隠さず
 書かれた痛快エッセイ。

■感想 ☆☆☆☆
 定期的に手を伸ばしてしまう阿川さんのエッセイ。読むとくすりと笑えて
 元気が出ます。女性として共感するところもしばしば。嫌味なく
 品よく、さらりと怒ってみせるその姿はぜひ真似したい。彼女の文章に
 触れるたび、こんなふうに年を重ねたいな、と思います。

103.空の中/有川浩
■ストーリ
 200X年、謎の航空機事故が相次ぎ、メーカーの担当者と生き残った
 パイロットは調査のため高空へ飛ぶ。そこで彼らが出逢ったのは・・・。
 一方、遠く離れた四国で「秘密」を拾ってしまった子供たちは・・・。

■感想 ☆☆☆☆*
 「クジラの彼氏」の最後の作品で出会ったヒロインとようやく再会
 できました。なるほど。こういう出会いをして、あの作品に続くのね!
 と心底、嬉しくなった作品。勿論、この作品単体で十分に楽しめます。
 読みやすい文章と荒唐無稽な世界観、けれどそれらを土台で支える
 緻密な設定がこの作品に「リアルさ」を付加しています。
 だからこそ、荒唐無稽ではあるけれど、嘘くさくない。
 なぞの生命体に出会ってしまった人々の葛藤と、行動にちゃんと
 説得力ある意味が書かれていて、それぞれの「これから」を祈るような
 気持ちで読み進めました。とにかく爽快な作品。「海の中」も
 早く読みたい!