のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

マルモのおきて

2011年07月27日 22時14分18秒 | テレビ鑑賞
■マルモのおきて
■のりぞう的2011年度春クール1位
■日曜21時 フジテレビ放送
■出演
 阿部サダヲ、芦田愛菜、鈴木福、比嘉愛未、世良公則
 伊武雅刀、滝沢沙織、小柳友、葛山信吾、鶴田真由

■感想 ☆☆☆☆☆
大好きな阿部サダヲさん主演!ということでテンションがぐぐっと上がりましたが
次々に出る新番組の情報によると
もうブームといっても過言ではない芦田愛菜ちゃんとのW主演だったり
犬まで出してきていたり、その犬がしゃべっちゃったり・・・と
いちいちミーハーでちょっぴりテンションが下がっていたこのドラマ。
第1回を見たのも、第3回放映時ぐらいだったような。
そして初回鑑賞後も、しばらくは「JIN」優先で鑑賞していました。

でも、回を重ねるごとに、どんどんマルモと双子ちゃん、ムックが織りなす
疑似家族が愛しくてたまらなくない存在に!
3人と1匹の距離感がほどよく近くて、微笑ましいのに
どこかに「家族じゃない」という遠慮もあって少し切ないすれ違いもあった序盤。
一緒に暮らすうちに、お互いに我儘を言えるようになり
遠慮がなくなってきた分、衝突も増えて
衝突と同じくらい、お互いに対する愛情も増えて来て・・・という
些細な感情のやりとりがかわいらしく、
私までもがこの家族の一員になったような気持ちにさせてもらえました。
寄せ集めの家族だったはずの3人と1匹がしっかり「家族」になり
お互いを思い合うようになったからこそ、訪れる終盤の別れの予感も
そのやりとりがまったくあざとくなく、押しつけがましくなく
「どうなるんだろう」とはらはらさせられました。

子どもと動物という「泣ける」要素をしっかり押さえているけれど
「泣ける」番組作りに注力していなくて、あくまでも軽く明るくかわいらしく。
その雰囲気はやはり主役が阿部さんだからこそ、なんだろうなぁ、と思いました。
とても個性的で、その場の雰囲気を阿部サダヲ色に染めてしまうのに
「俺が!俺が!」じゃなくて、その場の雰囲気を調和してくれる阿部さん。
彼の持つ軽やかで、「大人」や「子供」という垣根を感じさせない雰囲気が
このドラマの世界観に大きく影響していた気がします。

それにしても思うのは、「子育て」や「家族」には
社会とのかかわりは必要不可欠だということ。

独身男性のマルモがいきなり双子ちゃんをひきとって家族になれたのは
彼ら疑似家族を優しく暖かく、節度ある距離感で彼らを見守ってくれた
1階の大家さん親子や、会社の上司や同僚の存在があってこそ。
こんなに親切な大家さんや、こんなに物分かりのいい上司や同僚には
なかなか出会えないし、ドラマならではの理想社会だよね、とも思いましたが
ドラマだからこそ描けるあったかい社会、理想社会、かくあるべき姿って
あるんじゃないかな、あってほしいな、とも思いました。

「お隣さん」「お向いさん」が当たり前のようにあった20年前、30年前の日本。
その当たり前にあったものをなくしてしまった過程には
お隣さんやお向いさんがいるからこそ、発生するいざこざや面倒が
たくさんあって、だから私たちは、「お隣さん」や「お向いさん」との関わりを
絶つという選択をしてきたんだろうけれど。
それでも、やっぱり「子育て」はひとりやひとつの家庭だけで
するものじゃないんじゃないかな、と思いました。
いろんな人に支えられて暮らしている
マルモや双子ちゃんたち、ムックの姿がとても羨ましく見えました。

だからなのか、育児ノイローゼで双子を育てられなくなった
双子ちゃんのお母さんに対しても「敵役」ではない存在として迎えられました。
マルモとムックと双子ちゃんで築き上げている「家族」は暖かくて
居心地がとても良さそうで、ずっとずっとこの4人でいてほしいと思うけれど
でも、お母さんがひとりで後悔を抱えて暮らし続けるのもかわいそう。
それはきっと、そのままマルモの「思い」「悩み」でもあって。
ひとりで楽しく楽チンに独身生活を過ごしていたはずのマルモが
いつのまにか気楽なひとりぐらしを「寂しい」と気付いてしまった様子にも
だからこそ、双子ちゃんと離れたくないという気持ちと
だからこそやっぱり、双子ちゃんを返してあげなければ、と思う気持ちのはざまで
葛藤し続ける姿にも共感して見ることができました。

またね。ムックがね。
しゃべる犬という設定なのに、無闇にしゃべりすぎず
ここぞ!という時にのみ短いアドバイスをくれるだけっていうのが素敵でした。
ムックがしゃべるという設定に頼りすぎて
変に反則技のスペシャルな解決方法を使わず
あくまでも、地道にお互いに話し合い、誤解をときあって分かり合っていく。
その姿が清清しく、笑顔と涙を誘われるドラマでした。
芸達者な芦田さんも芸達者すぎずかわいらしく
私がちょっぴり抱いていた苦手意識を払拭してくれました。
鈴木福くんのかざりけのない子どもらしさもかわいくて大好きだったなー。

このふたりが「SMAP×SMAP」に出て
はしゃいでいた姿を見て、さらに大好きに加速がつきました。
この回の「SMAP×SMAP」は未だに消すことができていません。
本当にあいらしかったなー。