のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

お江戸吉原事件帖

2007年12月23日 20時07分29秒 | テレビ鑑賞
■お江戸吉原事件帖
■のりぞう的2007年秋クール3位
■金曜夜20時放送
■出演:東ちづる、萬田久子、横山めぐみ、小林恵美、
    渡辺裕之、海東健、神山繁、高松あい
■ストーリ
 天下御免の遊郭、色里・吉原。徳川幕府公認の遊び処。
 そこにひしめく遊女なんと三千人。また、そこで商いをしている
 人たちも含めると、人口一万人を越える一つの町であった。
 周囲を塀で囲まれたこの町で精一杯生きようとする遊女たち。
 彼女たちを悲しませる傲慢な男たちに対し、鉄槌を食らわせて
 懲らしめる女たちがいた。
 「芸は売っても色は売らない女」芸者・おれん、元花魁で現在は
 番頭新造・ひばり、花魁たちの恋文配達人・あけみ、吉原きっての
 事情通、おこう。彼女達四人の思いはひとつ。
 「吉原(なか)の女を泣かす奴は絶対に許さない!」

■感想
 時代劇大好きです。
 なんせ、小さい頃はドラマといえば、時代劇という家庭で育ったもので。
 水戸黄門や暴れん坊将軍のテーマソングで軽くテンションが上がります。
 とはいえ、ここ数年、現代ドラマのほうに比重が傾いており
 時代劇からは少しずつ足が遠のいています。小さい頃から見ていた
 シリーズ物は流し見することがあっても、新たに始まった時代劇には
 手を伸ばしていませんでした。
 が、今回はたまたま第1回放送時に家にいたこともあって、鑑賞。
 キャストの豪華さと「吉原」という大好きな場面設定にすっかり
 魅せられてしまいました。

 万田さんは色っぽく、東さんはかっこよく、横山さんは艶やかに
 そして小林さんは凛々しく、男性を懲らしめていました。
 こういう女性が活躍する時代劇、大好きです。
 女性の哀しみに焦点を合わせたお話も大好き。
 そして、女性の哀しみといえば、「吉原」だと思うのです。
 が、この作品では吉原の女たちを「悲しみを背負った女性」として
 だけでなく「誇りを持って花魁として生きている女性」として
 描いていて、そこも素敵でした。続編希望。

 女性たちがかっこよかったため、男性陣の影は薄かったのですが
 海東さん演じる左平次が最終回で大活躍。
 「吉原では、裏切り者には死が待ってるんだよ」とニヒルに
 つぶやく科白と表情がツボでした。

 音楽のすばらしさも印象に残りました。
 オープニングだけでなく、エンディングもストーリ中のBGMも
 どの曲も実に耳に残りやすく聴き易い曲ばかりでした。
 特にエンディングの曲は「江戸」の雰囲気にぴったりの
 ちょっぴり哀切漂うメロディで、サントラがほしいなぁと思ってます。
 それにしても、このドラマの出演者で「豪華!」と興奮している
 あたり、テレビ好きにも程があるだろう!という気がしないでも
 ありません。

モップガール

2007年12月23日 19時30分34秒 | テレビ鑑賞
■モップガール
■のりぞう的2007年秋クール1位
■木曜深夜放送
■出演:北川景子、谷原章介、池津祥子、佐藤二朗、高岡蒼甫
■ストーリ
 葬儀屋「リトル・エンジェルズ」の特殊清掃課に異動した桃子は
 遺品に触れると過去に遡る能力“タイムリープ”を身につけてから、
 その能力に戸惑いながらも死ぬ運命にある人を助けるために奔走する。

■感想
 大好きな北川さんの初主演作品、しかも大好きな金曜ナイトドラマ枠
 ということもあって、楽しみに見ていました。
 期待通りの面白さ。でも、ナイトドラマ枠にしては、やや毒も笑いも
 少なく、そこがちょっと残念。

 北川さんが今まで演じたことないようなドジでノロマで天然さんの
 キャラを実にかわいらしく魅力的に演じてました。いつもは天然さん
 だけに、人の死に直面したときのシリアスな演技にはひきこまれました。
 彼女の演技は沢尻さんと同じくらい好きです。特に、役に入り込んだ
 ときの「泣き」の演技はとってもカッコイイのです。堪能しました。

 そして、突っ込み役の谷原さん。
 生き生きと桃子をどついたり、楽しそうに外人女性を口説いたり、
 「もしかして、素で楽しんでいるのでは?」と思えるような
 吹っ切れた演技っぷりで、見ているこちらまで楽しくなりました。
 同様に「過去に何かあったらしい」経理の未樹さんを
 池津さんも楽しそうに生き生きと演じていて、本筋には
 全く関係ないにも関わらず、存在感をかもし出しまくり。
 そのインパクト大の演技で金曜ナイトドラマの雰囲気を
 作り上げていました。この時間帯のドラマの魅力はこういう弾けた
 キャラと脱力しつつも実は毒のあるストーリ展開なのです。
 これでこそ、ナイトドラマ!

 そういう意味では、第四話「メイド桃子、秋葉原で愛を叫ぶ」は
 最後の最後まで毒があって、悲しくて、切なくて、人間の闇を
 描いていて、最も心に残ったストーリでした。ナイトドラマでは
 こういうふうに見終わった後にまで棘が残るようなお話希望。

働きマン

2007年12月23日 18時56分43秒 | テレビ鑑賞
■働きマン
■のりぞう的2007年秋クール2位
■水曜夜22時放送
■出演:菅野美穂、速見もこみち、平山あや、佐田真由美、荒川良々
    吉瀬美智子、吉沢悠、津田寛治、伊武雅刀、沢村一樹
■ストーリ
 松方弘子は29歳独身。週刊「JIDAI」編集部の女性編集者だ。
 編集長や上司や同僚たちと一緒に右往左往しながらも良い雑誌を
 作る為に日夜奮闘している。寝食を忘れ、恋人との逢瀬もままならず
 ジレンマに悩み、誰かとぶつかり・・・。それでもいい仕事をする為に
 弘子は職場で、取材で、「働きマン」になる。
 一所懸命に働く人に、男も女も関係ない。弘子や彼女に関わる人々を
 通して「仕事とは」「働くとは」をテーマに描いた大人気漫画をドラマ化。

■感想
 大人気漫画ですが、原作は少々苦手。4巻まで持っているのに。
 でも苦手。自分の人生をすべて仕事に費やしている弘子が痛々しくて
 見ていられないのと、「仕事している」と堂々と言えない自分の
 現状を突きつけられ、コンプレックスを刺激されるのとで
 見るたびに、ひりひりと痛い気持ちにさせられる漫画です。

 その漫画の雰囲気を見事に再現した実に痛いドラマでした。
 菅野さんが突っ走って仕事をしている弘子を熱演。
 女優さんという仕事自体、「働きマン」ではないと勤まらない
 職業だと思うので、重なる部分が多々あったのではないかな、と
 勝手に邪推しながら見ておりました。

 オープニングで必ず出演者がカメラに向かって、
 科白ではなく本音を語りかけるシーンは、原作の雰囲気が見事に
 伝わってくる場面で、大好きでした。この場面からだけでも
 原作の雰囲気を損なわないようにしているスタッフの想いが
 伝わってきます。

 どの登場人物も見事に原作のキャラクターと合っていて、
 納得できる人ばかりだったし。沢村さんもとても「セクスぃー部長」
 と同一人物とは思えない好青年ぶりで、俳優ってすごい仕事だと
 しみじみと感嘆しながら見て折りました。
 原作を読んでいても納得できるキャスト陣に、久々の大満足です。
 特にもこみちさんの田中は見事でした。
 今まで、もこみちくんが「かっこいい」と言われているのを見るたびに
 「そうなの~?確かにスタイルはいいけどさ~?」と
 大変失礼なことを考えていたのですが、今回の田中役はもこみちさんに
 とってもとってもとっても似合っていて、実に素敵でした。
 嫌なやつ役が似合うって俳優として素敵なことだと思うのです。
 少なくとも、のりぞうは「東京タワー」の好青年役のもこみちさんより
 今回の役のもこみちさんのほうが数倍魅力的に見えました。
 (「東京タワー」は見てないけどね。)

 最近のドラマの原作ブームにうんざり、なおかつ原作がいいものほど
 びっくりするような作品が出来ることもあって、なおさらうんざり
 することが多かったのですが、この作品は楽しく見ることができました。
 火曜日の「有閑倶楽部」がひどかっただけに、救われた気分。

ガリレオ

2007年12月23日 18時23分16秒 | テレビ鑑賞
■ガリレオ
■のりぞう的2007年秋クール3位
■月曜夜21時放送
■出演:福山雅治、柴崎コウ、渡辺いっけい、真矢みき
■ストーリ
 突然、燃え上がった若者の頭、池に浮んだデスマスク、
 幽体離脱した少年。警視庁捜査一課の内海薫は説明のつかない
 難事件にぶつかると、帝都大学理工学部物理学科助教授・湯川学を
 訪れ、助けを求める。常識を超えた謎に天才科学者が科学の力で挑む。
 東野圭吾原作の連作ミステリーをドラマ化。

■感想
 ごくごく普通に面白かったです。
 面白かった、のかな?
 面白かった、というよりはかっこよかったです。福山さんが。
 それはもう!壮絶にかっこよかったです!
 すごいなー。30代後半でこのかっこよさ・・・・と
 惚れ惚れと見とれながら、毎回、見ておりました。

 でも、ドラマとしては今ひとつ。
 特に最終回はクライマックスのセットがとっても安っぽくて残念。
 そもそも「東京の半分が壊滅する爆弾を研究室に設置されて、
 湯川先生が大ピンチに陥る」という設定が今までの展開から
 全くピンチに見えなかったし。
 「湯川先生だもん、解決するに決まってるよ。東京半分?
 なくなるわけないじゃん。」という気持ちで、本来ならば
 クライマックスに味わうはずの「ドキドキ」がまったくなかったのは
 やはり残念としか言いようがないのです。

 でも、湯川先生と薫のふたりの関係は好きでした。
 原作を映像化するときに、テレビ局の都合で原作にはいない人物を
 増やすと、とっても残念な結果になることのほうが多いのですが
 今回の作品では、科学の世界に突っ走りがちな湯川先生に
 視聴者目線でつっこみを入れてくれる薫に共感できることが多く
 必要な人物だったんだな、と思えました。

 それにしても福山さんは本当にかっこよかったなー。
 メガネ姿がまた素敵で素敵で。

そういう季節です

2007年12月23日 18時00分27秒 | 日常生活
一週間ほど、ブログを更新していなかったところ
友人から「元気?」というメールをいただきました。

元気です!

ここ一週間ほど、忘年会に出席したり
飲んだくれたり、二日酔いで頭痛が抜けなかったり
年賀状を書いたり、年賀状を書いているうちに眠たくなって寝てしまったり
と大忙しの日々を送っておりました。

というか、年賀状作成が全く終わっておらず
精神的にちょっぴり「あわわ・・・」となっております。
とりあえず、確実に3日に会うことになる
会社の先輩方への年賀状だけでも作成し終えなければ!

いつもは年賀状作成に余裕を持って取り掛かっているのに
温暖化のせいで「年の瀬」という感覚が今ひとつ薄く
のたりのたりと過ごしているうちに、こんなことに・・・。
と、自分のナマケモノ振りを地球規模の理由に棚上げしつつ
年賀状作成に鋭意、取り組んでおります。

年賀状作成自体は大好きですしね。
メールにその座を奪われ、廃れつつあるようですが
一年に一度、その人に思いを馳せながら季節の挨拶をしたためる年賀状は
面倒だと思う部分もあるけれど、季節を大切にする日本人の
感性が見事に活かされた素敵な風習だと思うのです。
さあ、頑張るぞ。

メリークリスマスイブイブ☆

2007年12月23日 17時45分10秒 | 日常生活
本日の教会は、クリスマス礼拝でした。
正直、ここ数ヶ月の私は教会に行ってはいるものの
そして、教会での生活を楽しんではいるものの
神様ときちんと向き合っているとはとても言えない日々を過ごしていました。

祈りもおざなり。
説教も若干、上の空。
こんなんで、本当にクリスチャンと言えるのかな
神様信じてるのに、なんで神様と向き合えないのかな
やっぱり中途半端なのかな。と迷い続けた数ヶ月。

けれど、本日のクリスマス礼拝で
「神はその独り子をたまわるほど、この世を愛された。」
という聖書の言葉と、
「神様が愛されたのは「この世」です。
 教会でもなく、教会に来ている人でもなく
 この世を愛されたのです。」
という牧師の言葉にほんの少しだけ、迷いがはれました。
胸が熱くなりました。
まだまだ自分の信仰にまったく自信がもてないでいるけれど
そして、なかなか思い描くクリスチャン生活を送れないままでいるけれど
神様も聖書の言葉も信じられる。信じていると確信できる。
そう心から思えた喜びいっぱいのクリスマスでした。

さあ、明日はイブ礼拝。
今から楽しみです。

父、大いに語る。

2007年12月18日 22時21分50秒 | 日常生活
本日、早朝に東京へ出発するために、我が家に泊まりに来た父と
久々に食事をし、ゆっくりと語り合えた。
普段は寡黙な父親が酒の力もあって、大いに語った。
この一年の環境の変化で父親は少し変わったような気がする。
色々と思うところも多いのだと思う。

父親の話に多くの刺激を受けることができたし、
色々と考えさせられた。

・「仕事に飽きる」のは当たり前。自分が好きでやっている趣味だって
 長続きしないものがある。30年、40年と同じ趣味をずっと
 持ち続けている人は、実はそんなに多くない。
・どの業種だろうと、どの職種だろうと、結局のところ、仕事は
 「誰かの助けを借りて」するということにおいて、どれも同じ。
・自分が仕事をしているわけではない。
 自分の周囲の人にしていただいていることがほとんど。
・例えば、営業。
 営業の人は「売上を取ってきた」というけれど
 「営業が」売上を取ってきているわけではない。
 「お客様が」売上に貢献してくださっている。
 そして、そのために「営業事務の人が」色々と作業をしてくれている。
・事務や受付は「裏方」の仕事と思われがちだけれど
 誰にでもできる仕事ではない。誰にでもできる作業かもしれないけれど
 この作業を「仕事」に高めて、貫きとおせる人、やり続けられる人は
 ほんのわずか。
・事務や受付の仕事を「楽そうでいいね。」と言う人はその程度の人。
 あらゆる仕事の価値にきちんと気付ける人がホンモノ。
・実際、受付や電話応対係の人こそが会社のカオとなる。
 受付や電話応対によって、そして売り場の担当者の対応によって
 お客様は簡単に離れていく。クレームを入れてくれるお客様は
 「ありがたい」お客様。大抵のお客様は何も言わずに離れていく。
 だからこそ、経営者はその仕事に専念できるように、プロとして
 「受付」や「電話対応係」を企業に置く。
・受付のプロは少ないからこそ、三越の地下駐車場係の人や
 リッツ・カールトンホテルのドアボーイの人が有名になった。

・「宗教」や「カウンセラー」に頼れる人は、余裕がある人。
 本当に余裕がない人は、誰の声も聞こえない。
・人には「声」は届きにくい。「声」よりも「姿」のほうが効果的。
 人は「利害関係のない人の存在」に救われる。
・「利害関係のない」人と知り合うのは簡単。
 自分が相手に何も求めなければいい。
・無理に交流を広げよう、とか人脈を広げようとする必要もない。
 「仲良くなろう」とすることが、既に「相手に何かを求めている」
 状態になってしまう。
・自分にできることは、
 「誘いがあったときに、行ける状態であれば行く」
 「何かを頼まれたときに、できることであればする」
 それだけ。人間は欲深いので、自分が無理をすると、それだけで
 利害関係に発展してしまう。「あのとき、無理して頼まれごとを
 してやったのに。」と思ってしまう。
・「誰かの為に何かをしてやりたい」と思うのはいいが
 実際に何かを「する」必要はない。「してあげたい」という想いが
 あれば、自然とその想いが行動ににじみ出る。

特に最後の一行を心に刻みたいと思います。

ありふれた風景画/あさのあつこ

2007年12月18日 22時14分29秒 | 読書歴
■ありふれた風景画/あさのあつこ
■ストーリ
 十代って残酷な年代だ。出会いも別れも生々しく、儚い。
 ウリをやっていると噂される高校2年の琉璃は、美貌の持ち主で
 特異な能力をもつ上級生、綾目周子に惹かれていく。
 傷つき、もがきながら、生きる少女たちの一年間を描く
 みずみずしい青春小説。

■感想 ☆☆☆*
 同性に愛情を感じる感覚は、今ひとつ理解できないでいる。
 「人」を好きになるだけ、「男」も「女」もない。
 理屈では分かる。けれども、私の中には、偏見によって傷ついている人が
 いると分かっていながらも、偏見を捨てられない心が確かに存在している。

 けれど、この作品のふたりは自然に受け止められた。
 生々しい描写が全くなかったからかもしれない。
 「同性愛」を描こうとしている作品ではないからかもしれない。
 この作品は、恋愛小説ではない。あくまでも青春小説。
 焦点をあわせられているのは瑠璃と周子。
 けれど、私は瑠璃の姉、綺羅が心に抱えている孤独に強く惹かれた。
 抱えている孤独はヒロインふたりも同じだ。
 周囲の誰とも分かち合えない孤独。三人は孤独を抱えて、もがいている。
 そんな主要登場人物たちの心の動きが痛々しく、そして眩しい小説だった。

 綺羅の登場シーンは少ない。しかし、その強さと激しさが、
 私の心をひきつけ、鮮烈な印象を残した。
 過食症の母親からも、家庭を捨てた父親からも目をそらさず
 事態をきちんと見届ける意志の強さ。
 そして、そういった弱い両親を罵倒する激しい気性。
 それらがたまらなく魅力的だった。

 彼女は、別れを切り出せずに、ただ逃げているだけの父親のことも、
 「妻」の座にしがみつき、決定的な別れを言われることを恐れている
 母親のことも、そんな二人から目をそらし、「私は関係ない。」と
 見ないふり、聞かないふりをして、やり過ごそうとする妹のことも
 憎んでいる。家族の弱さを憎んでいる。
 家族でただ一人、事態を正面から見据え、にらみつけ、現実から
 逃げずに傷ついているからこその怒り。そんな彼女の
 涙をこらえた瞳やにらみつけるような視線が手に取るように見え、
 その姿に胸を掴まれた。

 女性は強い。妥協しない。たとえ孤独を分かち合える人が傍にいなくても
 自分の足で立って前に突き進んでいくパワーがある。傷ついて、もがいて
 でも前に進めるだけの野性的な強さを持っているんだと思う。
 だから綺羅も瑠璃も周子もひとりで懸命にもがいてきた。
 周囲に理解されようなんてせずに。
 この作品は、そういった強さで懸命にもがいて、踏ん張っていた少女が、
 ようやくほっとできる人、肩の力を抜けるような相手を見つける物語だ。
 女性は強い。けれど、誰かに心を許すことによって、更に強く、
 しなやかに生きることができるのだ。

 ラストシーン、瑠璃は自分の手の爪を光にかざして、力強く思う。
 「自分の爪がたまらなく愛しく、誇らしい。」
 この強さこそが女性なんだとしみじみと思った。
 三人の少女の未来は何一つ分からない。
 けれど、力強く、自分を肯定する瑠璃の姿に、爽快な気持ちで
 本を置くことができた。

クリスマス会に語ったこと

2007年12月16日 19時50分21秒 | 日常生活
土曜日は教会の青年会のクリスマス会でした。
青年会の人数は少ないため、中高科から3名、壮年科から1名、
ゲストを呼び、総勢8名でのクリスマス会です。

まずは青年のひとりに「青年とクリスマス」について語っていただきます。
はい。どーぞ!

「クリスマスは、青年たるもの、彼女と過ごすのが一番やと思う。」
「毎週、毎週、教会に来とるんやけん、クリスマスぐらい
 彼女と過ごしてもいいっちゃない?」
「それが正しいクリスマスの楽しみ方やと思うわ。」

ちょっと!!ちょっとちょっと!!
誰か!軌道修正をお願いします!!
のりぞうが軌道修正しようにも、この話の流れだと
「一緒に過ごす人がおらん人が教会に行けばいいやん。」
と言われること請け合いです。
この教会に通い始めて、既に2年。
なんとなく話の流れはつかめるようになりました。

というわけで、影のボスにきちんと話を戻してもらい
お祈りをして、さあ、クリスマス会開始!!

クリスマスおめでとーーーーーーーー!

本日のメニューはクリスマスらしく、キムチ鍋とちゃんこ鍋です。
鍋を囲みながらお話していると、心も体もほかほかしてきます。
たくさん食べて、たくさん笑って、たくさん叫んで
クリスマスを思う存分、楽しみ尽くしました。

プレゼント交換をするための25ゲームでは、
上がった人がプレゼントを選ぶのではなく
上がった順番に、並べられたプレゼントが支給される仕組みにしたため
自分がどのタイミングで「ビンゴ」と叫ぶべきなのかを
みんなが真剣に考え始め、思わぬところで知能戦が繰り広げられたり

そのプレゼント交換で、どう考えてもいたいけな高校生に
あげるべきものではないものが、見事、高校生に当たってしまったり

そこから派生して、男子高校生の実態について
妄想をふんだんに織り交ぜられた話で盛り上がって叫んでしまったり

ちょっぴり妄想力が旺盛なために、
ちょっとした単語の端々でリアルな想像をしては叫ぶのりぞうに
壮年科のゲストから「・・・のりぞうくんは、ちょっぴり腐り気味だね。」
と腐女子認定が出されそうになったり

クリスマスのすばらしさとクリスマスが与えてくれた幸福と
神の愛について深く考えさせられ、実に意義深く密度の濃い5時間でした。
うん。クリスマスって大好き。
この教会のメンバも大好き。

予定外と予想外と予想通りの週末

2007年12月14日 19時26分57秒 | 日常生活
金曜日、なんとも幸運なことに実家のすぐ近くにある企業へ
出張することになり、ついでに実家に戻ってきました。
母親は仕事場の忘年会だったため
父親と妹、そして妹の婚約者と共に鍋会。
人懐っこい婚約者君は、現在、のりぞう一家で唯一、寡黙な人柄を貫いている
父親と仲良くお話しようと、現在、果敢に挑戦中です。
家族のイベントにも積極的に、そしてナチュラルに参加します。
またそれがちっともイヤではないようです。
うん。いい義弟くんだ。

そんな義弟くんの奮闘もあって、
彼が参加するまでは「ここ」(食材を入れる場所の指示)とか
「まだ」(さかんに食べようとする娘二人を制する言葉)とか
「もういい」(食べてもいい、という許可)といった
鍋奉行的単語しか発していなかった父親から
「そこ食べなさい」とか「遠慮せんで食べり」とか
「まだ食べられるやろ?」というような文章をひきだすことに成功。
あたたかい鍋を囲んで、家族の交流が深まりました。

食後は、みんなでカラオケに行くことに。
母親がすぐに合流できるように、家のすぐ近くにあるスナックに入ります。


・・・・スナック?!
父!!それ以上飲んだら、母に怒られるよ?大丈夫?!

しかし、父上は既に気持ちが大きくなっているらしく
「まだ二杯しか飲んどらん。あと三杯しか飲まん。」と繰り返すばかり。
いや、確実に二杯以上飲んでるってば。
そして、確実に三杯じゃ終わんないってば・・・。

とは言え、飲んだほうが父の口はやや滑らかになるのです。
義弟君のためにも、もう少し飲ませたほうがいいかも。
妹も同じような考えに至ったらしく
「ねえ。師匠と師匠のジュニアも呼んでみたら?」
と父に提案しておりました。

師匠と師匠のジュニアとは、今年から新たな仕事に挑戦している父親が
いきなり「3ヶ月ほど修行をさせてください!」と飛び込んでいったお店の
社長と社長の息子で、文字通り父親の師匠的存在です。
3ヶ月の間に、意気投合したらしく、修行が終わった今も
父親の良き相談相手であり、飲み仲間として仲良くしているらしいのです。
いつも話には聞いてるけれど、会ったことはないのりぞう。
噂の二人に会えるのねー!!と義弟君そっちのけでわくわく。

合流したお二人と師匠の奥様は、お話に聞いていたよりも
数倍ダンディで人当たりがよく、そして愉快な方々でした。
家庭では見せない父親の普段の様子などを話しながら
当初の目的でもあったカラオケを楽しみながら、
本来の目的ではなかったはずのお酒も思う存分、楽しみました。
妹の思惑通り、父親の口も随分なめらかになってきました。
しかし、のりぞうの心配どおり、父親の酒量も大幅アップ。
かぱかぱとお酒を飲みながら、平気な顔で
「まだ二杯しか飲んでない。あと三杯。」と繰り返す父親。
・・・ダメだ。父親のスイッチが入ってしまった模様。
こうなったら、誰にも父のエンジンを止めることはできません。

後で母に叱られても知らないからね?と父親をほっぽり出して
師匠と師匠のジュニアとお話をしていると、
なんと師匠のジュニアとのりぞうは同い年で、
かつ同じ中学校になるはずだったというご縁が発覚!
のりぞうが小学校六年の二学期で福岡市に引っ越したため
同じ中学に進むことはありませんでしたが
試しに、小学校時代のクラスメイトの名前を数名挙げると
めでたく近況を聞くことができました!すごい!!
調子に乗って、更に名前を数名挙げていくと
ジュニアの元カノにヒットしました。
すごい!!やはり世間って狭い!!
と、大興奮の金曜日。

・・・まあね。地元で同じ年だったら、
共通の知人がいるのは当たり前なんだけどね。
でも、そんな人とのりぞうの父親が知り合ったことが
「ご縁」だと思うのです。

当初の予定以上に大人数が集まり、
当初の予定ほどは歌えず、
当初の予定以上に長い時間、義弟君を拘束してしまったものの
楽しく歌って笑って語り合った金曜日の夜でした。

もっとも当初の予定以上に飲んでしまった父親は、翌日の朝、
のりぞうと妹の予想通り、母親に飲みすぎを怒られ、
週末はお休みしているはずのウォーキングに出かけていきました。