太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

栗蒸し羊羹の神隠し

2014-11-27 07:20:27 | 食べ物とか
きっかけは蒸し羊羹が神隠しにあったことだ。

日本で、栗蒸し羊羹を2本買ってきた。

妹の嫁ぎ先が和菓子屋で、私は妹の旦那が作る和菓子が世界一だと思っている。

そこの栗蒸し羊羹だから、まるで宝石。

2本のうち1本を少しずつ切り分けながら食後の楽しみに食べた。

残り少なくなってくると淋しくなるが、まだあと1本あると思うと気が楽だ。

いよいよ最後の一切れとなり、明日は2本目に手をつけるかと冷蔵庫を探したが、どこにもない。

確かにあった。包装されたままの羊羹が、冷蔵庫内の引き出しにあったのだ。

冷蔵庫のものを全部出してみても、ない。

夫は進んで食べる程、羊羹は好きじゃないから彼ではない。

一応聞いてみたけれど、あるのは見て知っていたけど触ってないと言う。



まさかこんなことになるとは。


なくなるはずがないということよりも、何故だか知らないが

栗蒸し羊羹はもうないのだ、ということの方が重大である。

1本しかないとわかっていたら、心の準備をしていたのに、

まだあると高を括っていたから、これはショックだ。




ショックから立ち直れない私はどうしたか。

自分で作った。

日本人の同僚達のお土産に、小さめの栗蒸し羊羹を買って行ったら

みんなとても喜んでくれて、Mさんは、あまりに美味しかったから水羊羹を作ってみようと思うと言った。

さすが料理上手の発想は違う。

確か家庭科の実習で水羊羹を作ったことがあった。

寒天と、こしあんがあれば簡単にできるはず。


早速帰りに日本食スーパーに寄り、こしあんと寒天を買った。(こしあんは2ドル‼安い)

休日の今日、ネットから探したレシピを見ながら水羊羹作り。

こしあん400グラムに水400cc。

買ってきたこしあんは500グラムで、わが家には測りがないから

ここから400グラムを測り出すことはできない。

100グラムのこしあんに対して100ccの水ってことなら、

500グラムのこしあんに500ccの水でもいいんじゃないか。

100グラムのこしあんを残しても仕方ないし。


500グラムのこしあんを全部、寒天液に溶かした。

鍋の中で、見るからに美味しそうなお汁粉状のものができていくのを見ていたら

日本の100均で「白玉粉」を買ってきたのを思い出した。

アンコに白玉はベストマッチだろう。

今こそ白玉を作るべき。



今思えば、私はどうかしていた。

栗蒸し羊羹の神隠し事件で、あんこ飢餓状態にあったために、

ただでさえ怪しい私の思考は、さらにおかしくなっていた。


とにかく私は白玉を作った。

「アンコには白玉、アンコには白玉🎶」

モチモチの白玉ができて、氷水で冷やして、さあ食べようと思ってようやく気づいた。



あんこがない



そりゃそうだ、私は水羊羹を作っていたのだった。

なんでまた私は白玉なんか作ったんだ?貴重な白玉粉で…



水羊羹が食べごろに冷えるのを待って、

白玉と一緒に食べてみた。

合わない。まるきり合わない。ぜーんぜん合わない。

水羊羹は水っぽい味で、だから余計に合わない。

白玉は速やかにタッパに入れて冷凍した。



水っぽい水羊羹は、蕎麦ちょこにたっぷり7個できた。

レシピにあった 塩 を入れ忘れたのが原因か?

美味しい水羊羹は、あんこを水で薄くのばしたのを固めて食べている、

という味はしないんだがな。

こんなことなら、こしあんのままで白玉と一緒に食べた方がよかったんじゃ…

これをみんな私が食べるのかと思うと、胸に酸っぱいものが込み上げてきた。



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