太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

ハワイの雨と、父の虹

2020-01-10 08:18:04 | 不思議なはなし
ホリデーシーズン気分(日本だとお正月気分か)もすっかり抜けて
家や職場のクリスマスの飾りも片づけ、
ゆっくりと新しい年が滑り出し始めた。

クリスマスの大嵐のあと、天気はぐずぐずしている。
ぱーっと晴れて、ザーッと雨がきて、といういつもの雨期の天気に加えて
ここ数日は偏西風が半端ない。
たいした雨じゃなくても、風にあおられ真横に雨が降るので
朝のウォーキングもしばらく行っていない。
こんなハワイだからこそ、虹が毎日出る。
地元の街中で

左上は車のウィンドウの模様

ハワイに来た頃は、虹を見ると大きく感動したものだけど、
こう毎日虹を見ていると、普通の景色になってしまう。
私のように毎日、富士山を眺めて育ってきた子供は、
小学校の写生大会では誰も富士山を描こうとはしない。
日本を離れてみたら、富士山が特別だったことを思い知る。
日本に滞在している間、いつだって富士山がどこにあるか探し、
富士山が見えれば、飽きるほど写真を撮るのだ。

それでも、水平線から噴水のように空に向かって出る虹や
あまりに完璧な虹を見ると、新鮮な感動がある。



虹といえば、
正月2日の私の誕生日に、かつて同僚だった友人から誕生日のメッセージが届いた。
あわただしく帰国したのもあり、その友人には父のことを話す機会がなかったので
お礼のメッセージに父のことに触れたが、細かいことは言わなかった。
友人はとても驚き、1枚の写真を送ってくれた。



「12月15日に撮った虹だよ、お父さんからのエールかもしれないね」

12月15日は、父が逝った日だ。
友人には亡くなった日を伝えていなかったから知らないはず。
その日に亡くなったんだよ、と言うと、友人は絶句・・・・
「鳥肌たったー・・・」
「私も」

ほんとうに父のエールかもしれない。
胸騒ぎという形で私たちが間に合うように呼び寄せ、妹の試験が終わるまで待ち、
すべてをすごいタイミングでこなした父だから
虹ぐらい呼べたのかもしれない。
あれから、まだひと月もたっていない。








TOMMY EMANUEL

2020-01-10 07:35:27 | 日記
1月3日。
ハワイシアターでトミー・エマニュエルのコンサートに行った。
ハワイシアターはダウンタウンにある歴史あるシアターで、
何度かコンサートに来ている。
一時は取り壊しの危機にあったのが、たくさんの企業の援助があって復活。
ステージ上のモザイク

2階席もある

曲線を使った造りが優雅で、クラシック。
音響もすこぶる良し。

さて、トミー・エマニュエル。
夫の叔父叔母がクリスマスのプレゼントにチケットをくれたのだけれど
名前を聞くのも初めてだ。
オーストラリアから来たギタリストで、とにかく一緒に行こう、
というので叔父叔母、義両親ともに出かけたのだった。

TOMMY

開いた口がふさがらない。
良い意味で。
音楽が好きで好きで、ギターが好きで好きで、というエネルギーが
わんわんと会場全体に響きまくってくる。
誰にも師事したことがない、ただ自分で弾いてきた、というので驚く。
1本のギターなのに、3本分ぐらいの音が重なっている。
前から6列目という良い席で、トミーの指の爪まで見える。
8時から始まったコンサートが終わったのは11時。
NYから呼んだ若手のギタリストとの共演があったにしても
すごいバイタリティ。

インターミッションのときに、CDを買おうとして、やめた。
生の、この良さはCDには収まらない。
建物の空気を震わせるような感動は、生だからこそのもの。
かつて、何度もコンサートでCDを買ったけれど、
家に帰って聞いてみても、同じ感動は得られない。
アーティストが地元の若者だったりすると、援助する意味でCDを買うのだけど
結局、それを聞くことはあまりない。

高揚したまま家に帰ると、すでに12時近かった。
腹立たしいことに、翌日仕事なのは私だけ。
翌日は眠かったけれど、縁起のいい感動をわけてもらったようで気分がいい。
トミーさん、70代だろうか。
また彼がハワイに来たら、必ず足を運びたい。