「ペコロスの母に会いに行く」、「ペコロスの母の玉手箱」、ともに、長崎在住の岡野雄一さんのエッセー漫画です。
始めは自費制作だったものが、単行本化されました。
2013年に映画化され、私は昨年観ました。本を読んだのはそのあとです。
認知症の母を在宅で介護する日々、症状が進行してグループホームに入所、会いに行く日々のエピソードが4コマ漫画で表現されています。
ペコロスは小タマネギのこと。岡野さんのハゲた頭からの連想です。その頭を見て、さわって、母は息子を認識するのです。
漫画のタッチがかわいくて、実際はストレスいっぱいの介護の日々だったと思うのですが、ほんわかとした温かささえ感じて救われます。
「ペコロスの母に会いに行く」の続編にあたる、「ペコロスの母の玉手箱」の制作途中、2014年8月、91歳で岡野さんの母みつえさんは亡くなり、追悼の意味合いも込められた本になりました。
こうやって本になり、映画になり、お2人は一般的ではない認知症の当事者かもしれませんが、読む者に認知症の人とのかかわり方のヒントを与えてくれます。