Viedel/KukiHairDesign/ヴィーデル/クキヘアデザイン 四条烏丸 美容室

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男には男の、女には女の事情

2020-02-13 13:07:28 | 映画
離婚調停の捜査員の目の前で思わぬ怪我をする。
原因は些細な注意不足だったのに、その傷は深い。
それは今回の主題である別れに似ている。
気がつかないうちに相手を傷つけ、自らも傷を負う二人の男女の物語。
最初は弁護士抜きで進むはずだった離婚は泥沼にはまっていく。
二人でチャイルド・シートを取り付ける、酒に酔ってよろめいたのを受け止める...離れていく二人がお互いに見せた思いやりのはずだったことが、離婚調停の場では、それぞれの弁護士の手に渡ると命取りの刃となる。
行き違い、誤解、遠慮、我がまま。
結婚の土台を少しずつ崩していった小さな傷が次々と明らかになっていく。
しかしその中にも最初の離婚調停員が提案した「相手の良いところ」をお互いが読み上げる...と言うシーンが離婚がお互いの本心なのかどうかも疑う。
両親の離婚に対する少年の想いを“大人は分かってくれない”という。
別れていく父母の事情と想いを知り得ない少年を主人公夫婦の間に置いて、“子供は分かってくれない”という。
お互いが感情の赴くままに、自分を主張し過ぎて、その自分自身に、そしてこの離婚に至った過程に、言葉では憎しみあっていようが本心はお互いにあるということに気付いたのか、お互いが最後は涙する。
主人公夫婦が最後に見せる優しさ。
それは偶然にも、演じるスカーレット・ヨハンソンが「ジョジョ・ラビット」でも見せたジェスチャーと重なる。
一つの身振りが一人の女優によって二つの映画で繰り返されることで、見る側にとってそれは愛の行為として記憶される。
そして気がつく。
これは離婚ではなく「結びの儀式」結婚の物語だったのではないかと。

子供の妄想

2020-02-12 12:59:43 | 映画
ナチスドイツ時代の戦争映画にしては、幕開けはカラフルでコミカル。
躍動するようにビートルズの「抱きしめたい」ドイツ語バージョンが流れる。
この冒険作は少年の誇大すぎる妄想をもとに展開される。
そしてその妄想を後押しするのが、妄想で出演するアドルフ・ヒトラー。
ただ誠実に描くのは、10歳男児の目を通して見た“戦争”という世界であり、戦時下に置かれた男児の“心”。
10歳くらいの男の子というのはたいてい女の子より未熟であり、無知で愚かで純粋で無垢。
経験の足りなさゆえ、妄想と思い込みの中に棲息するマジメな生き物。
ユーモアはほとんどが、そういう愛すべき男児のアホさ、けなげさ、滑稽さ、かわいさから来ている。
脳内アドルフがどこか間抜けなのも、少年の分身だから。
少年の描写は当然、戦争の非道さを浮かび上がらせる。
容赦ない現実の厳しさ、醜さに直面するが、それをもこの映画はコミカルに表現する。
影響を受けやすく、間違いやすく、それでも正しさを追い求めようとする人間の思い。
そして少年は気づき、成長し、失い、そして愛を知る。
彼を取り巻く大人たちの描き方も、胸を打つのと、何より10歳児のリアルを本能的に表現しきった演技が素晴らしい。
猫の目のように変わる小さな名優の表情1つ1つが、心を鷲掴みにする。
エンディングのデヴィッド・ボウイ「ヒーロー」のドイツ語バージョンも、母の遺志を受け継いだ、これからの少年の未来をも予感しているようだ。

騙し合い

2020-02-11 12:54:57 | 映画
アカデミー主演女優賞を受賞したヘレン・ミレンと、2度のオスカーノミネートを誇るイアン・マッケラン。
ともにイギリスを代表する2人の名優が共演したクライムミステリー。
ニコラス・サールの「老いたる詐欺師」を原作に、夫を亡くした資産家と冷酷な詐欺師が繰り広げるだまし合いを、「美女と野獣」「ドリームガールズ」のビル・コンドン監督のメガホンで描く。
インターネットの出会い系サイトを通じて知り合った老紳士のロイと未亡人のベティ。
実はベテラン詐欺師のロイは、夫を亡くしてまもない資産家ベティから全財産をだまし取ろうと策略をめぐらせていた。
世間知らずのベティは徐々にロイのことを信頼するようになる。
だが単純な詐欺のはずだった計画は徐々に思いがけない方向へと進んで。

騙し合い

2020-02-11 12:54:57 | 映画
アカデミー主演女優賞を受賞したヘレン・ミレンと、2度のオスカーノミネートを誇るイアン・マッケラン。
ともにイギリスを代表する2人の名優が共演したクライムミステリー。
ニコラス・サールの「老いたる詐欺師」を原作に、夫を亡くした資産家と冷酷な詐欺師が繰り広げるだまし合いを、「美女と野獣」「ドリームガールズ」のビル・コンドン監督のメガホンで描く。
インターネットの出会い系サイトを通じて知り合った老紳士のロイと未亡人のベティ。
実はベテラン詐欺師のロイは、夫を亡くしてまもない資産家ベティから全財産をだまし取ろうと策略をめぐらせていた。
世間知らずのベティは徐々にロイのことを信頼するようになる。
だが単純な詐欺のはずだった計画は徐々に思いがけない方向へと進んで。

女の友情

2020-02-10 12:45:50 | 映画
大枠でこの映画の予告編で内容を知るのと、全編中身を見てからの印象は変わると思う。
かくも女性の絆は、これほどまでにも深くなるのかと。
映画の中で見る限りでは、近いものに戦争映画で自軍の兵隊が死体になっているのにも拘らず、身の危険を顧みず、死体を引き上げに戦火の中へ敢えて飛び込む。
それ程までに戦友として共に戦った仲間を大事にする。
それに近いものを感じた。
ただ戦争映画とは真逆に、こちらでは男性は愚かな存在として取り上げられる。
それが雑誌に載った実録記事をもとに描かれているとなると、よりリアリティーを感じる。
リアルで、えげつなくて、人間臭く、しかもパワフルかつ、エモーショナルで面白い。
幕開けは、いろいろな意味で象徴的。
仕事上の後輩を妹のようにかわいがり、面倒を見る姉御、これがJ.Lo(ジェニファー・ロペス)なんだから。
女たちを取り巻く世界のシビアさをこれでもかと描き、彼女たちを簡単にはジャッジさせない。
#MeToo運動後の世界に共感と同情を呼びまくる。しかし女性たちを正義ともさせない。
ここにあるのは女(しかも有色人種)であるがゆえの楽しさ、哀しみ、悔しさ、強さ、生きづらさ。
女の友情映画としての素晴らしさは、特筆に値する。
女の友情というのは男の友情ほど単純に「女が女に惚れた」だけでは終わらず、嫉妬や憎しみで濁りがち。
とくに映画では。
しかしこの作品はめずらしく、びっくりするほど純粋なラブストーリーになっている。
回想の中でキラキラと輝く幸せな記憶は「男の友情」映画のように直球で刺さるし、ラストのJ.Loはきっと甘やかな痛みと懐かしさを誘う。