原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

ソウル旅行記 -ASIA TOP GALLERY編-

2010年09月02日 | 旅行・グルメ
 (写真は、ソウルの北村韓屋村を観光中に発見した「ASIA TOP GALLERY」の宣伝幕。 参考のため、 北村韓屋村 とはソウルの伝統家屋が立ち並ぶ隠れた観光スポットなのだが、その伝統家屋を利用したお洒落で小粋な個人経営の美術館や博物館、骨董品店等が軒を連ねている韓国風情漂う“芸術の街”である。)


 今回のソウル旅行の最大目的である新羅ホテルに於いて開催された「ASIA TOP GALLERY HOTEL ART FAIR SEOUL」に、予定通り娘と共に足を運んだ。

 ソウルの新羅ホテルと言えば観光通の方はおそらくご存知の通り、各国の国賓も訪れる世界のVIP御用達の超名門ホテルである。
 新羅ホテル敷地内に「迎賓館」があるが、これは元々本当に韓国の迎賓館だった建物だそうで、現在は様々なイベントや有名人たちの結婚式が行われたりする宴会場として使われているようだ。 今月の5月には人気俳優チャン・ドンゴン氏の結婚式も挙行されたとのことである。 (私にとってはさほど興味がない話題なのだが…)


 この新羅ホテルへ我々親子はソウルの地下鉄を利用して向かった。
 地下鉄3号線「東大入口」駅を降り立ち、5番出口より地上に出ると「迎賓館」の立派な門が見える。 これをくぐって新羅ホテル構内に入るのだが、この道路には歩道がなくしかも道の両側にびっしりと違法駐車の車が列をなしている。 その隙間を車が高スピードで引っ切りなしに通過するため、歩行者がここを通行するのは命がけの状態である。 超名門ホテルたるものが、構内にこのような無法地帯を放置しているとはどうしたことか? それとも、そもそも新羅ホテルへ地下鉄を利用して訪れるのは我々のみか?と気付いてみると、構内を歩いているのは我々を含めた日本人観光客のみのようである。 このホテルは元々人が歩いて訪れる事を一切想定していないということなのか??
 
 何とか無事にホテルのロビーに辿り着いたところ、天井から吊るされたシャンデリアだけは豪華であるものの、世界に名立たる超名門ホテルにしては何とも狭いロビー内に宿泊客がごった返している。 とりあえずトイレを探したのだがロビーフロアのどこにも見当たらない。 化粧直しもかなわず(使い勝手の悪いホテルだなあ)との悪印象と共に、アートフェア開催フロアへエレベーターで直行することになる。

 さてアートフェアの会場フロアーに到着して気持ちを入れ直し、真っ先に招待状を頂いた 長はるこ先生 が出展する「B-gallery」の部屋へと向かう。


 ここで今回の新羅ホテルでのアートフェアの概要を説明すると、その会場はユニークにも一般客室なのだ! ホテルの3フロアーの客室を利用し、各国から参加した個々のギャラリーが一室ずつを利用し作品を展示しているのである。

 今回、アジア各国から参加しているギャラリーは総数で69。 参加国を紹介すると、まず開催国韓国が最多の42ギャラリー。 日本からは長はるこ氏のB-galleryを含めて11。 中国からの参加も多く、台湾、シンガポール、インド、インドネシア等、経済が急激に発展を遂げている国々からの参加が目立った。 そして、米国ニューヨークからの参加もあった。
 それぞれのギャラリーがホテルの客室を巧みに利用し、ベッドルームのみならず、玄関、洗面所、収納スペースも展示室に変貌させ独自のギャラリーの世界を演出している。
 今回のアートフェアは現代アートの展示であることが特徴なのだが、まさに今をときめくアジアの新鋭若手の芸術家による作品が各室ギャラリーに数多く展示されていた。 
 さすがにアジアトップレベルのアートフェアとあって、客室も通路もエレベーターホールも観客でごった返しているのだが、総じて若い世代の観客が多いのは、やはり展示されている作品の斬新さに比例しているのであろう。


 このアートフェアを観賞するに先立ち、我々親子はソウル二村(イチョン)にある韓国国立博物館を訪れた。
 この国立博物館のコレクションが膨大な数であり、常設展だけでもじっくり観て回ると丸一日を費やしそうだが、我々は時間の都合により駆け足での半日観賞だった。 (韓国もちょうど夏休み中のようで、子ども連れの家族や子ども達の団体に多く出くわした。) 
 
 国立博物館に於いては韓国の歴史を中心とした古代から近代までの所蔵品をはじめ、日本を含めたアジア諸国から収集したコレクションを観賞した。  一方、新羅ホテルでのアートフェアではまさに今を煌く現代アートに触れ、この日は芸術三昧の一日だった。


 連日の観光で疲れ気味の私は一足先にロビーに降りて休憩する事にしたのだが、その後芸術家志望の娘は客室ギャラリーの一部屋一部屋を丹念に観て回ったようだ。 ソウルの地でアジアのトップアートに触れた娘は、またひと回り成長してくれたに違いない。


  P.S.
 長はるこ先生、アートフェアへのVIP招待状を誠にありがとうございました。
 あの後VIPラウンジへ行ったのですが、混雑していて残念ながら無料飲料は飲み損ねましたが、「アートフェア要録」は頂いて帰りました。
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