昨日、私は5年に一度の運転免許証更新書き換え(現行運転免許制度下では、更新区分が「優良」の場合5年後の更新となるのだが、既に10年来ペーパードライバーの私の場合「優良」ドライバーの区分に位置付けられる)のため、某警察署併設の免許更新センターへ出かけた。
本日のエッセイは当初その更新内容について綴る予定でいた。
が、それよりも更新センターへの道中に一期一会にて出会った人達とのほんの一時の触れ合い等々の方がずっと印象深かったため、今回はそれをエッセイとしてまとめる方向に転換する。
まずは自宅から出る直前に、我が亭主に警察署までの道程を確認した。 と言うのも亭主も今年5月に免許証更新のために当署を訪れている故だ。 私も過去に2度訪れているのだが、降車駅から徒歩10分と遠いのに加えて、曲がり角が多く分かりにくい道程だからだ。
「駅を降りてどっちの改札口に降りるの?」 と問う私に、「南口だと思う。そこから商店街を通過して左に曲がれば主要街道に出る。云々…」 「まあいいや。駅についたら地図を確認する。」と言いながら、更新センターの最終受付時間が迫っているためそそくさと自宅を出た。
電車内で座っていると、携帯電話が鳴り亭主からCメールが届いた。 そのメールには目的警察署までの詳細の道案内文章が記されていた。 おそらく私が自宅を出発した後にパソコンネットにて地図を確認してくれ、急いでCメールを打ってくれたのだろう。
ここで補足説明をしておくが、我が夫婦は決して皆さんのお宅のような“親しい間柄”ではない。 お互いの自由を尊重し合っていると言えば聞こえはいいが、晩婚故か、双方がそれぞれに身勝手に生きている人間同士であると表現出来よう。 故に普段メールにて連絡を取り合う事など皆無と言ってよい程だ。
メール文化が未だ発展していない「電話」時代に遡っても、私が亭主の仕事中に勤務先に電話をかけたのは、インフルエンザで寝込んだ時のみだ。「熱が40度近く出て寝ているから今夜は夕飯が作れない。自分と娘が食べるものを何か買ってきて。」と電話で伝えると、さすがの亭主も結婚後最初で最後の私からの電話に「これは尋常な病状ではない」と察したそうだ。
そんな亭主からのCメールに「サンキュー!」と一言返信した後、私は警察署が位置する駅を降車して南口へ向かった。
この降車駅から警察署への道程が分かりにくい主たる要因として、駅を含めた近隣商業地帯一帯が大規模に生まれ変わるべく工事中であり、それに伴い周辺環境が大幅に進化(後退??)を遂げようとしている故だ。 (近年の東京都内はやたらこの手の工事が多発している。 アベノミクスの歪んだ経済政策による2020東京五輪開催までは、悲しいかな、東京都心では国家(都)財源無駄消費が続くのだろう…)
南口を出たものの、5年前の風景とは一変している。
どっちへ歩くべきかと困惑していた時に、とある女性(おそらく私と同年代だろうが申し訳ないが老けて見える女性)が手に何かのパンフレットを持ちつつ私に近づいて来て声をかける。 「よろしければ、これに来ていただけませんか?」
(どうせキャッチセールス、あるいは女性の年齢を考慮した場合新興宗教の誘いかもしれない)と警戒しつつ斜め目線でそのパンフレットを眺めながら、私はそのパンフレットに記載されている題目を一瞬にして判断した。 ああ、地元の小団体が何らかがコンサートを行うんだなあ、と。 それでも、私はたまたま5年に一度免許更新のためにこの地を訪れただけの話でその地元の人間ではないし、とにかくお断りしよう、と考えた。
その間、5秒程だっただろうか。 「申し訳ありませんが、お断りします。」と答え目的地に向かって歩き始めた私に対し、当該同年代と思しき女性が私に語りかけてくれた言葉が表題の通りだ。
「素敵な方ですね。 ワンピースとアクセサリーのコーディネイトも素晴らしくとても素敵です。」
褒めてもらえば、当然ながらこちらも御礼を言うのが礼儀だ。 「ありがとうございます。」と頭を下げつつ、私はその女性を尻目に急ぎ足で警察署へ向かった。
私見だが、この女性は本気で私に小団体が開催するコンサートを訪れて欲しかったものと推察する。 と言うのも、宗教団体やキャッチセールス等の街頭勧誘の場合、勧誘する“前時点で”「素敵ですね!」の決めゼリフを吐くものだ。
もっと説明を加えるならば、私は昨日運転免許証の「写真撮影」に備えて、お洒落をして出かけたのだ。
私の場合ペーパードライバーであるが故に、運転免許証の使用価値とは単に「自己証明書類」に他ならない。 これを後5年利用せねばならない立場としては、せめて写真だけでも“美しく”写してもらわねば後5年間の免許証の利用価値がないとの事態だ。
故に、まるでパーティにでも出かけるがごとく派手なワンピースを着用して出かけたことは認めよう。
その後、案の定私は警察署への道を迷う。
その時、ちょうど交差点にて警察官が交通整理をしている現場に出会った。
後で警察署免許更新センターにての「講習」にて聞いた内容だが、ちょうどこの地域では「交通安全月間キャンペーン」を警察署が繰り広げている時期だったらしい。
道に迷えば、お巡りさんに道を聞くべきと考え、その交差点にいた巡査氏に警察署までの道を尋ねようとした。 ところが、その巡査氏は既に自分の役割を終えた様子で、そそくさとどこかへ消え去った。
その時その交差点の私の真横で信号待ちをしていたのが、おそらく30代後半位と思しき毅然としたイケメン男性だ。 この人に警察署への道程を尋ねよう!と志し、私はそれを勇気を持って実行した。
少しびっくりした様子だったが、そのイケメン男性は信号待ちをしている時間内(おそらく20秒程度)の短時間内で私の訴えである「某警察署」への道程を端的に正確に語ってくれた。 この早業も素晴らしく、よほど出来てるイケメンだったと、(単に道を尋ねたのみで取り逃がした事実に)後で思えば多少の未練も募るのだが…
それは冗談としても、東京大都市内でも“一期一会”の出会いがある事を実感出来た昨日だった。
たとえ東京都心とは言えども、自分が住む地域(路線)ではないほんの少し離れた地域へたまに出向けば、その地域特有の文化があり、少し違う出会いがあるのかもしれないと思えた、昨日の我が運転免許証更新手続き場所への“小旅行”だった。
本日のエッセイは当初その更新内容について綴る予定でいた。
が、それよりも更新センターへの道中に一期一会にて出会った人達とのほんの一時の触れ合い等々の方がずっと印象深かったため、今回はそれをエッセイとしてまとめる方向に転換する。
まずは自宅から出る直前に、我が亭主に警察署までの道程を確認した。 と言うのも亭主も今年5月に免許証更新のために当署を訪れている故だ。 私も過去に2度訪れているのだが、降車駅から徒歩10分と遠いのに加えて、曲がり角が多く分かりにくい道程だからだ。
「駅を降りてどっちの改札口に降りるの?」 と問う私に、「南口だと思う。そこから商店街を通過して左に曲がれば主要街道に出る。云々…」 「まあいいや。駅についたら地図を確認する。」と言いながら、更新センターの最終受付時間が迫っているためそそくさと自宅を出た。
電車内で座っていると、携帯電話が鳴り亭主からCメールが届いた。 そのメールには目的警察署までの詳細の道案内文章が記されていた。 おそらく私が自宅を出発した後にパソコンネットにて地図を確認してくれ、急いでCメールを打ってくれたのだろう。
ここで補足説明をしておくが、我が夫婦は決して皆さんのお宅のような“親しい間柄”ではない。 お互いの自由を尊重し合っていると言えば聞こえはいいが、晩婚故か、双方がそれぞれに身勝手に生きている人間同士であると表現出来よう。 故に普段メールにて連絡を取り合う事など皆無と言ってよい程だ。
メール文化が未だ発展していない「電話」時代に遡っても、私が亭主の仕事中に勤務先に電話をかけたのは、インフルエンザで寝込んだ時のみだ。「熱が40度近く出て寝ているから今夜は夕飯が作れない。自分と娘が食べるものを何か買ってきて。」と電話で伝えると、さすがの亭主も結婚後最初で最後の私からの電話に「これは尋常な病状ではない」と察したそうだ。
そんな亭主からのCメールに「サンキュー!」と一言返信した後、私は警察署が位置する駅を降車して南口へ向かった。
この降車駅から警察署への道程が分かりにくい主たる要因として、駅を含めた近隣商業地帯一帯が大規模に生まれ変わるべく工事中であり、それに伴い周辺環境が大幅に進化(後退??)を遂げようとしている故だ。 (近年の東京都内はやたらこの手の工事が多発している。 アベノミクスの歪んだ経済政策による2020東京五輪開催までは、悲しいかな、東京都心では国家(都)財源無駄消費が続くのだろう…)
南口を出たものの、5年前の風景とは一変している。
どっちへ歩くべきかと困惑していた時に、とある女性(おそらく私と同年代だろうが申し訳ないが老けて見える女性)が手に何かのパンフレットを持ちつつ私に近づいて来て声をかける。 「よろしければ、これに来ていただけませんか?」
(どうせキャッチセールス、あるいは女性の年齢を考慮した場合新興宗教の誘いかもしれない)と警戒しつつ斜め目線でそのパンフレットを眺めながら、私はそのパンフレットに記載されている題目を一瞬にして判断した。 ああ、地元の小団体が何らかがコンサートを行うんだなあ、と。 それでも、私はたまたま5年に一度免許更新のためにこの地を訪れただけの話でその地元の人間ではないし、とにかくお断りしよう、と考えた。
その間、5秒程だっただろうか。 「申し訳ありませんが、お断りします。」と答え目的地に向かって歩き始めた私に対し、当該同年代と思しき女性が私に語りかけてくれた言葉が表題の通りだ。
「素敵な方ですね。 ワンピースとアクセサリーのコーディネイトも素晴らしくとても素敵です。」
褒めてもらえば、当然ながらこちらも御礼を言うのが礼儀だ。 「ありがとうございます。」と頭を下げつつ、私はその女性を尻目に急ぎ足で警察署へ向かった。
私見だが、この女性は本気で私に小団体が開催するコンサートを訪れて欲しかったものと推察する。 と言うのも、宗教団体やキャッチセールス等の街頭勧誘の場合、勧誘する“前時点で”「素敵ですね!」の決めゼリフを吐くものだ。
もっと説明を加えるならば、私は昨日運転免許証の「写真撮影」に備えて、お洒落をして出かけたのだ。
私の場合ペーパードライバーであるが故に、運転免許証の使用価値とは単に「自己証明書類」に他ならない。 これを後5年利用せねばならない立場としては、せめて写真だけでも“美しく”写してもらわねば後5年間の免許証の利用価値がないとの事態だ。
故に、まるでパーティにでも出かけるがごとく派手なワンピースを着用して出かけたことは認めよう。
その後、案の定私は警察署への道を迷う。
その時、ちょうど交差点にて警察官が交通整理をしている現場に出会った。
後で警察署免許更新センターにての「講習」にて聞いた内容だが、ちょうどこの地域では「交通安全月間キャンペーン」を警察署が繰り広げている時期だったらしい。
道に迷えば、お巡りさんに道を聞くべきと考え、その交差点にいた巡査氏に警察署までの道を尋ねようとした。 ところが、その巡査氏は既に自分の役割を終えた様子で、そそくさとどこかへ消え去った。
その時その交差点の私の真横で信号待ちをしていたのが、おそらく30代後半位と思しき毅然としたイケメン男性だ。 この人に警察署への道程を尋ねよう!と志し、私はそれを勇気を持って実行した。
少しびっくりした様子だったが、そのイケメン男性は信号待ちをしている時間内(おそらく20秒程度)の短時間内で私の訴えである「某警察署」への道程を端的に正確に語ってくれた。 この早業も素晴らしく、よほど出来てるイケメンだったと、(単に道を尋ねたのみで取り逃がした事実に)後で思えば多少の未練も募るのだが…
それは冗談としても、東京大都市内でも“一期一会”の出会いがある事を実感出来た昨日だった。
たとえ東京都心とは言えども、自分が住む地域(路線)ではないほんの少し離れた地域へたまに出向けば、その地域特有の文化があり、少し違う出会いがあるのかもしれないと思えた、昨日の我が運転免許証更新手続き場所への“小旅行”だった。