(写真は、今回宿泊したホテル室内から撮影した我が郷里県庁所在地の街の風景。 後ろの山が眉山。 中程を流れているのが新町川。 川沿い手前が公園となっているが、ここで現在、夜間の時間帯のみ阿波踊り連有名各連が8月の阿波踊本番に向け練習をしている。)
私は郷里へ帰省した際には必ずホテルを予約し、決して母が一人暮らす実家には泊まらない事に決めている。
これには理由がある。
その一つは、ここ数年高齢域に達した母の我儘・愚痴言いたい放題が聞くに忍びない故である。
実の母娘と言えども礼儀はわきまえるべきにもかかわらず、それを既に実行不能となっている母の傍若無人ぶりに辟易とさせられるのだ。 それに耐えつつ実家で寝泊まりした時期もあったが、結局大喧嘩バトルとなり後々まで尾を引き両者の関係が悪化するのが常だ。 そこで私の判断で、たとえ実家に帰省しようが必ずやホテルを予約し、母との接触時間を短くするように配慮している。
この事情に気付かない母は、私の帰省時に必ず主要駅近くのホテルを予約してそこに戻る理由を、酒好きの私が“夜遊び”したい故と信じている事に、こちらとしては救われる。
これぞ二つ目の理由だが、確かに私は昔から“夜遊び”エンジョイ派だった。
遠き学生時代など、週末には当時県内きっての歓楽街だった秋田町界隈(今でも歓楽街なのだろうか?)で真夜中まで飲んだくれては、友人の部屋に転がり込んで朝帰りしたものだ。 その記憶が未だ母の脳裏にあるらしく、今現在も自分の娘を“飲兵衛遊び人”と認識しているようだ。
とは言えども、まさか今となってはたまに郷里に帰省した折に朝まで飲んだくれる事はない。 宿泊ホテル内あるいは近辺の食事処で(大方が22時頃までには閉店する)飲食を楽しむ程度だ。
さて今回の旅行一泊目にも、宿泊ホテルとは別ホテルの会席処(昨夏にも当エッセイ集にて紹介した地産地消の阿波会席料理を提供している飲食店)にて飲み食いした。
二度目に訪れた今年の印象としては、お酒が美味しくて飲兵衛の本領を発揮出来たと言える。
特に感銘深いのは、生ビールの後に注文した「芳水吟醸なまざけ」と銘打つ冷酒だ。 淡麗辛口が好みとの我が要望に応え、店が選んでくれたのがこの日本酒だった。
その後「すだち酎」を何杯かお替わりしたのだが、焼酎が違うのか?すだちが違うのか?、これが自宅で作るより断然美味しい! 同行した娘に「これアルコールが入っていないよね? 何杯でも飲めるねえ。」と言うと、「十分入ってるよ…」との呆れたご回答だ。
既に酔いが回っている事を自覚させられ、そろそろお開きと相成った。
宿泊ホテルへの帰り道、何処からか“よしこの”(阿波踊りのお囃子)のリズムが聞こえてくる。
ホテルのフロントにて「阿波踊りのお囃子が聞こえていますが、どこかで阿波踊りを踊っているのですか?」と尋ねると、「すぐ前の公園で阿波踊り連が練習中です。」との事だ。 「それは見学できますか?」との我が問いに対し「見学出来ると思いますので、行ってみて下さい。」
生来の音楽好き、ダンス好きな私が「阿波踊り」を好まない訳がない。
ここで少し注釈すると、郷里に暮らす皆が「阿波踊り」好きであらねばならないなどあり得ない。 たとえ郷里が誇る伝統芸能と言えども、そんなもの、興味がない人はとことん興味がない事は我が幼き頃より心得ている。
そんな中、私は物心ついた頃より「阿波踊り」大好き派である。 あの“よしこの”のリズムを耳にすると体が自然とスイングしたものだ。
時代が流れ、特に子供を産んだ頃よりこの「阿波踊り」好きが再燃したとも言える。 私のDNAを引き継いで音楽好きな娘に是非共「阿波踊り」を伝えたく思い、幾度も郷里を訪れては阿波踊りを見せて来た。
そして我々母娘は、ホテルすぐ前の新町川沿い公園へ出向いた。
暗くてよく見えないのだが、数連(阿波踊りの一グループを「連」と呼ぶ)の有名連らしき団体が熱心に練習に励んでいる。
最初は後方でそれを見学していたが、酒が入っている私が“よしこの”のリズムに合わせて踊り出すと、娘もそれに追随する。
少し時間が経過した頃だろうか。 二人の男性が我々に近づいて来て声を掛けて下さる。
「阿波踊りがお好きですか?」 私応えて「はい、大好きです! 向かいのホテルに宿泊中の東京から来た者ですが、私は元々郷里の出身です。 とにかく“よしこの”のリズムが流れているのを耳にして、いても立ってもいられず急いでこの公園に来ました!」
おそらく40代程と思しきイケメン男性応えて曰く、「我々は『殿様連』の者ですが、もしよろしければ一緒に練習しませんか?」
これぞ何とラッキーだ!
その後男性方のご指導に従い、ほんの少しばかり基本姿勢や足の動きの練習を後ろについてさせて頂いたのだが、これぞ究極に高度の技だ。
ここは練習時間中に我々に付き合い貴重な時間を裂いて頂くのはご迷惑と判断し、後ろに退き見学する判断を下した。
エッセイの最後になるが、あの時、新町川沿い公園にて我々に声をお掛け下さった阿波踊り有名連の一つ「殿様連」の男性の方々に、この場で今一度御礼を申し上げたい。
おそらく我々母娘は一生「阿波踊り」のファンであり続けることであろう。 今後もしも8月の阿波踊り本番を見る機会があれば、是非とも「殿様連」を応援申し上げたい意向だ。
「殿様連」の皆様、貴重な練習時間にお邪魔して誠に申し訳ございませんでした。
今後共「阿波踊り」発展のために精進されますように!
私は郷里へ帰省した際には必ずホテルを予約し、決して母が一人暮らす実家には泊まらない事に決めている。
これには理由がある。
その一つは、ここ数年高齢域に達した母の我儘・愚痴言いたい放題が聞くに忍びない故である。
実の母娘と言えども礼儀はわきまえるべきにもかかわらず、それを既に実行不能となっている母の傍若無人ぶりに辟易とさせられるのだ。 それに耐えつつ実家で寝泊まりした時期もあったが、結局大喧嘩バトルとなり後々まで尾を引き両者の関係が悪化するのが常だ。 そこで私の判断で、たとえ実家に帰省しようが必ずやホテルを予約し、母との接触時間を短くするように配慮している。
この事情に気付かない母は、私の帰省時に必ず主要駅近くのホテルを予約してそこに戻る理由を、酒好きの私が“夜遊び”したい故と信じている事に、こちらとしては救われる。
これぞ二つ目の理由だが、確かに私は昔から“夜遊び”エンジョイ派だった。
遠き学生時代など、週末には当時県内きっての歓楽街だった秋田町界隈(今でも歓楽街なのだろうか?)で真夜中まで飲んだくれては、友人の部屋に転がり込んで朝帰りしたものだ。 その記憶が未だ母の脳裏にあるらしく、今現在も自分の娘を“飲兵衛遊び人”と認識しているようだ。
とは言えども、まさか今となってはたまに郷里に帰省した折に朝まで飲んだくれる事はない。 宿泊ホテル内あるいは近辺の食事処で(大方が22時頃までには閉店する)飲食を楽しむ程度だ。
さて今回の旅行一泊目にも、宿泊ホテルとは別ホテルの会席処(昨夏にも当エッセイ集にて紹介した地産地消の阿波会席料理を提供している飲食店)にて飲み食いした。
二度目に訪れた今年の印象としては、お酒が美味しくて飲兵衛の本領を発揮出来たと言える。
特に感銘深いのは、生ビールの後に注文した「芳水吟醸なまざけ」と銘打つ冷酒だ。 淡麗辛口が好みとの我が要望に応え、店が選んでくれたのがこの日本酒だった。
その後「すだち酎」を何杯かお替わりしたのだが、焼酎が違うのか?すだちが違うのか?、これが自宅で作るより断然美味しい! 同行した娘に「これアルコールが入っていないよね? 何杯でも飲めるねえ。」と言うと、「十分入ってるよ…」との呆れたご回答だ。
既に酔いが回っている事を自覚させられ、そろそろお開きと相成った。
宿泊ホテルへの帰り道、何処からか“よしこの”(阿波踊りのお囃子)のリズムが聞こえてくる。
ホテルのフロントにて「阿波踊りのお囃子が聞こえていますが、どこかで阿波踊りを踊っているのですか?」と尋ねると、「すぐ前の公園で阿波踊り連が練習中です。」との事だ。 「それは見学できますか?」との我が問いに対し「見学出来ると思いますので、行ってみて下さい。」
生来の音楽好き、ダンス好きな私が「阿波踊り」を好まない訳がない。
ここで少し注釈すると、郷里に暮らす皆が「阿波踊り」好きであらねばならないなどあり得ない。 たとえ郷里が誇る伝統芸能と言えども、そんなもの、興味がない人はとことん興味がない事は我が幼き頃より心得ている。
そんな中、私は物心ついた頃より「阿波踊り」大好き派である。 あの“よしこの”のリズムを耳にすると体が自然とスイングしたものだ。
時代が流れ、特に子供を産んだ頃よりこの「阿波踊り」好きが再燃したとも言える。 私のDNAを引き継いで音楽好きな娘に是非共「阿波踊り」を伝えたく思い、幾度も郷里を訪れては阿波踊りを見せて来た。
そして我々母娘は、ホテルすぐ前の新町川沿い公園へ出向いた。
暗くてよく見えないのだが、数連(阿波踊りの一グループを「連」と呼ぶ)の有名連らしき団体が熱心に練習に励んでいる。
最初は後方でそれを見学していたが、酒が入っている私が“よしこの”のリズムに合わせて踊り出すと、娘もそれに追随する。
少し時間が経過した頃だろうか。 二人の男性が我々に近づいて来て声を掛けて下さる。
「阿波踊りがお好きですか?」 私応えて「はい、大好きです! 向かいのホテルに宿泊中の東京から来た者ですが、私は元々郷里の出身です。 とにかく“よしこの”のリズムが流れているのを耳にして、いても立ってもいられず急いでこの公園に来ました!」
おそらく40代程と思しきイケメン男性応えて曰く、「我々は『殿様連』の者ですが、もしよろしければ一緒に練習しませんか?」
これぞ何とラッキーだ!
その後男性方のご指導に従い、ほんの少しばかり基本姿勢や足の動きの練習を後ろについてさせて頂いたのだが、これぞ究極に高度の技だ。
ここは練習時間中に我々に付き合い貴重な時間を裂いて頂くのはご迷惑と判断し、後ろに退き見学する判断を下した。
エッセイの最後になるが、あの時、新町川沿い公園にて我々に声をお掛け下さった阿波踊り有名連の一つ「殿様連」の男性の方々に、この場で今一度御礼を申し上げたい。
おそらく我々母娘は一生「阿波踊り」のファンであり続けることであろう。 今後もしも8月の阿波踊り本番を見る機会があれば、是非とも「殿様連」を応援申し上げたい意向だ。
「殿様連」の皆様、貴重な練習時間にお邪魔して誠に申し訳ございませんでした。
今後共「阿波踊り」発展のために精進されますように!