私が住む集合住宅が現在大規模修繕工事中であることは、少し前のバックナンバーにて既述している。
そのため日々建物外壁沿いに建造された“足場”より、作業担当者が各階のベランダ、通路等々へやって来る。
他者の行動観察が得意かつ興味がある原左都子としては、暇さえあれば我が家にやって来る作業員の様子を室内より覗き見しては、「へえ、凄い事やってる!」「この人は私語が過ぎるぞ、慎むべきだ」等々無責任に評価を下しつつ、いつかは「原左都子エッセイ集」にてエッセイの題材にするぞ、と虎視眈々と狙ってきた。
本日午前中、我が家のバルコニーに一人でやって来た若手男性の作業ぶりには、その道の素人の立場として大いなる感銘を受けた。
バルコニー床面一面にシートを貼る作業だったのだが、我が家のバルコニーの場合、奥行2m幅7m程の大きさ、かつ元々個人的に敷いていたタイルをバルコニーに置いたまま、しかもエアコンの室外機もある。 更には、防災用の避難はしごも取り付けられている環境下で、単身にて如何なる作業を施すのか興味深々だった。
これが、想像を絶するほどに手際が良いのだ。
(作業工程の詳細の記述は省略するが)、作業員氏のあまりの手際の良さに感動した私は、バルコニーの窓を開けてご挨拶申し上げたくなった。(そんな住人は私だけだろうが…) それを実行したところ、作業員氏は一瞬かなり驚かれた様子だ。 それでも一旦作業の手を止めて低姿勢で私の挨拶の返答をして下さった事に、さらに感激させて頂けた。
作業員氏が当該作業を一人でやり遂げ去った後、私は就活内定を取っている娘相手に語った。
「先程バルコニーで作業して下さった方の技術力の程が素晴らしかった。 しかも人格的にも出来ている人だったが、あの方の報酬は如何程なのだろう。 社会一般的には、建設現場作業員の社会的地位の程が高くないと私は認識している。 それにしても、あれ程の技術力・体力勝負の仕事をつつがなく短時間でやり遂げる能力ある素晴らしい人材の報酬がもしも低いならば、私としては許し難い思いだ。 そうではなくて、建設現場作業員達にも実力に応じた技能検定試験等が存在し、その能力に応じた報酬制度が確立されている社会である事を望む。」
娘も私の意見に同意した模様だ。
大幅に話題を変えよう。
つい先だって私が還暦を迎えた事に関しては、バックナンバーにて披露している。
それに伴い、本年11月より「厚生年金」を受給出来る立場と相成っている。
その我が“微々たる”「厚生年金」を狙って、複数の近くの金融機関が「是非、我が金融機関口座にご入金を!」とやって来るではないか! その中で、最初に来た金融機関を私は年金受取機関として指定した。
そうしたところ、当該金融機関営業担当者氏が言うには「今後の年金受取に関して、社会保険労務士先生に詳細をご伝授してもらえる制度が我が社にはありますから、是非この機会にそれに参加して下さい!」
う~~~ん。 私の場合、大学院を修了して経営法学修士を取得しているし、高校教員として生徒相手に社会制度の授業もして来た身だし、更には税理士試験税法科目免除申請取得者でもある。 今更その話を伺いに電車に乗って行く価値があるのか否か大いに迷った。 そして私が営業担当者に伝えて曰く、「すみませんが、今回は遠慮します。」
それに対して営業マン氏曰く、「今後絶対役に立ちますから、どうかご参加下さい!」
半信半疑ながらもおそらく私がそれに参加する事により何らかの営業マンへのフィードバックがあると判断したのと、氏との今後の付き合いもあるし、仕方ない思いで電車に揺られて当該金融機関が指定する支店へ“社会保険労務士”先生とやらに会いに出かけた。
ここで、「社会保険労務士」に関する情報の一部をウィキペディアより紹介しておこう。
社会保険労務士(しゃかいほけんろうむし)とは、労働関連法令や社会保障法令に基づく書類等の作成代行等を行い、また企業を経営して行く上での労務管理や社会保険に関する相談・指導を行う事を職業とする為の資格、およびそれを職業とする者をいう。 例年、8月の第4日曜日に実施される。試験の管轄は、かつて国であったが、現在は厚生労働大臣の委託を受けて全国社会保険労務士会連合会(連合会)が管轄し、社会保険労務士試験センターが試験事務(合格の決定に関する事務を除く)を行っている。
受験資格(第8条)大学卒業者、又は大学において62単位以上を修得済みの者、短期大学、高等専門学校を卒業した者、修業年限が2年以上、かつ総授業時間数が1,700時間以上の専修学校の専門課程を修了した者、行政書士や司法書士などの定められた資格を有する者、労働社会保険諸法令の規定に基づいて設立された法人の常勤役員または従業者として同法令の実施事務に従事した期間が通算して3年以上になる者
試験方法完全マークシート方式。 午前:五肢択一方式。 合格基準点は40点台と低迷状態が続いている。
その状況を受け、2008年以降、検討が行われることとなった。必要に応じ試験問題や試験制度全体の改革を念頭に置きつつ、受験資格の見直しについて速やかに検討を行い、結論を出すこととなっている。主な検討内容として、試験科目に日本国憲法、民法、民事訴訟法の3法の追加,2000年より続いている選択式を廃止し、記述式の復活による合格者の精査を強化する方向性も模索されている。 2008年3月25日閣議決定の規制改革推進のための3ヶ年計画で、本試験の受験資格の見直し(2008年以降検討・結論)が行われることとなった。 主な検討内容として、試験科目に日本国憲法、民法、民事訴訟法の3法の追加,2000年より続いている選択式を廃止し、記述式の復活による合格者の精査を強化する方向性も模索されている。
(以上、ウィキペディア情報より文末では少し原左都子の私論も交えつつ紹介したもの。)
上記ウィキペディア情報を読んだ限りでの私の感想としては、「社会保険労務士」現行試験制度下では、マークシート方式や五肢択一方式等々の安易な試験方策が採用されているため、その気になれば合格し易い資格試験かと判断する。
さて先だって、実際私は当該“社会保険労務士”氏と面談する目的でわざわざ自分の貴重な時間を割いて電車に乗り、金融機関営業マン氏が指定した現場に出向いた。
なるほど、現場にいた“社会保険労務士”氏女性は、表向きは決して私に対して失礼な応対はしない。
ただ話題が専門分野に及ぶと、やはりご自身が顧客である私よりも専門に於いて「上位」に位置しているんだぞと言いたげな雰囲気の会話が展開する。
それでもそれを聞くのが私の本日の仕事、と理解していた私はその場を難なく乗り越えて帰宅の道中に就いた。
ただ、何だかうやむやとした思いが我が脳裏に過って、いい気がしないのだ。
最後に、原左都子の私論でまとめよう。
要するに、その感覚こそが表題に掲げた「職種による水面下での社会カースト形成の実態」であろう。
“社会保険労務士”資格を取得されている金融機関の女性担当者としては、その立場で(どこの馬の骨かも知らぬ)私に対応するのがその職責であろうことは理解可能だ。
ところが顧客との会話の途中で、(いくら今の時代は個人情報に触れてはならないと言えども)会話内容から顧客の人物像がある程度想像可能という場面もあるはずだ。
そうした場合に、専門職員の立場として如何なる対応を採ればよいのだろうか?
その職種に於いて資格を保持している自分が絶対的に優れているぞ!、との“ガチンコ勝負”のごとくの態度を顧客相手に披露するよりも、顧客に応じた冷静・沈着な対応を心掛ける力量を望みたいものだ。
いやいや実際問題、世の中とは莫大な業種に従事する人間がひしめき合っているからこそ成り立っていて、異分野の専門力の凄さに一旦触れたならば、自分の存在が無力に思えるものだよ。
そのため日々建物外壁沿いに建造された“足場”より、作業担当者が各階のベランダ、通路等々へやって来る。
他者の行動観察が得意かつ興味がある原左都子としては、暇さえあれば我が家にやって来る作業員の様子を室内より覗き見しては、「へえ、凄い事やってる!」「この人は私語が過ぎるぞ、慎むべきだ」等々無責任に評価を下しつつ、いつかは「原左都子エッセイ集」にてエッセイの題材にするぞ、と虎視眈々と狙ってきた。
本日午前中、我が家のバルコニーに一人でやって来た若手男性の作業ぶりには、その道の素人の立場として大いなる感銘を受けた。
バルコニー床面一面にシートを貼る作業だったのだが、我が家のバルコニーの場合、奥行2m幅7m程の大きさ、かつ元々個人的に敷いていたタイルをバルコニーに置いたまま、しかもエアコンの室外機もある。 更には、防災用の避難はしごも取り付けられている環境下で、単身にて如何なる作業を施すのか興味深々だった。
これが、想像を絶するほどに手際が良いのだ。
(作業工程の詳細の記述は省略するが)、作業員氏のあまりの手際の良さに感動した私は、バルコニーの窓を開けてご挨拶申し上げたくなった。(そんな住人は私だけだろうが…) それを実行したところ、作業員氏は一瞬かなり驚かれた様子だ。 それでも一旦作業の手を止めて低姿勢で私の挨拶の返答をして下さった事に、さらに感激させて頂けた。
作業員氏が当該作業を一人でやり遂げ去った後、私は就活内定を取っている娘相手に語った。
「先程バルコニーで作業して下さった方の技術力の程が素晴らしかった。 しかも人格的にも出来ている人だったが、あの方の報酬は如何程なのだろう。 社会一般的には、建設現場作業員の社会的地位の程が高くないと私は認識している。 それにしても、あれ程の技術力・体力勝負の仕事をつつがなく短時間でやり遂げる能力ある素晴らしい人材の報酬がもしも低いならば、私としては許し難い思いだ。 そうではなくて、建設現場作業員達にも実力に応じた技能検定試験等が存在し、その能力に応じた報酬制度が確立されている社会である事を望む。」
娘も私の意見に同意した模様だ。
大幅に話題を変えよう。
つい先だって私が還暦を迎えた事に関しては、バックナンバーにて披露している。
それに伴い、本年11月より「厚生年金」を受給出来る立場と相成っている。
その我が“微々たる”「厚生年金」を狙って、複数の近くの金融機関が「是非、我が金融機関口座にご入金を!」とやって来るではないか! その中で、最初に来た金融機関を私は年金受取機関として指定した。
そうしたところ、当該金融機関営業担当者氏が言うには「今後の年金受取に関して、社会保険労務士先生に詳細をご伝授してもらえる制度が我が社にはありますから、是非この機会にそれに参加して下さい!」
う~~~ん。 私の場合、大学院を修了して経営法学修士を取得しているし、高校教員として生徒相手に社会制度の授業もして来た身だし、更には税理士試験税法科目免除申請取得者でもある。 今更その話を伺いに電車に乗って行く価値があるのか否か大いに迷った。 そして私が営業担当者に伝えて曰く、「すみませんが、今回は遠慮します。」
それに対して営業マン氏曰く、「今後絶対役に立ちますから、どうかご参加下さい!」
半信半疑ながらもおそらく私がそれに参加する事により何らかの営業マンへのフィードバックがあると判断したのと、氏との今後の付き合いもあるし、仕方ない思いで電車に揺られて当該金融機関が指定する支店へ“社会保険労務士”先生とやらに会いに出かけた。
ここで、「社会保険労務士」に関する情報の一部をウィキペディアより紹介しておこう。
社会保険労務士(しゃかいほけんろうむし)とは、労働関連法令や社会保障法令に基づく書類等の作成代行等を行い、また企業を経営して行く上での労務管理や社会保険に関する相談・指導を行う事を職業とする為の資格、およびそれを職業とする者をいう。 例年、8月の第4日曜日に実施される。試験の管轄は、かつて国であったが、現在は厚生労働大臣の委託を受けて全国社会保険労務士会連合会(連合会)が管轄し、社会保険労務士試験センターが試験事務(合格の決定に関する事務を除く)を行っている。
受験資格(第8条)大学卒業者、又は大学において62単位以上を修得済みの者、短期大学、高等専門学校を卒業した者、修業年限が2年以上、かつ総授業時間数が1,700時間以上の専修学校の専門課程を修了した者、行政書士や司法書士などの定められた資格を有する者、労働社会保険諸法令の規定に基づいて設立された法人の常勤役員または従業者として同法令の実施事務に従事した期間が通算して3年以上になる者
試験方法完全マークシート方式。 午前:五肢択一方式。 合格基準点は40点台と低迷状態が続いている。
その状況を受け、2008年以降、検討が行われることとなった。必要に応じ試験問題や試験制度全体の改革を念頭に置きつつ、受験資格の見直しについて速やかに検討を行い、結論を出すこととなっている。主な検討内容として、試験科目に日本国憲法、民法、民事訴訟法の3法の追加,2000年より続いている選択式を廃止し、記述式の復活による合格者の精査を強化する方向性も模索されている。 2008年3月25日閣議決定の規制改革推進のための3ヶ年計画で、本試験の受験資格の見直し(2008年以降検討・結論)が行われることとなった。 主な検討内容として、試験科目に日本国憲法、民法、民事訴訟法の3法の追加,2000年より続いている選択式を廃止し、記述式の復活による合格者の精査を強化する方向性も模索されている。
(以上、ウィキペディア情報より文末では少し原左都子の私論も交えつつ紹介したもの。)
上記ウィキペディア情報を読んだ限りでの私の感想としては、「社会保険労務士」現行試験制度下では、マークシート方式や五肢択一方式等々の安易な試験方策が採用されているため、その気になれば合格し易い資格試験かと判断する。
さて先だって、実際私は当該“社会保険労務士”氏と面談する目的でわざわざ自分の貴重な時間を割いて電車に乗り、金融機関営業マン氏が指定した現場に出向いた。
なるほど、現場にいた“社会保険労務士”氏女性は、表向きは決して私に対して失礼な応対はしない。
ただ話題が専門分野に及ぶと、やはりご自身が顧客である私よりも専門に於いて「上位」に位置しているんだぞと言いたげな雰囲気の会話が展開する。
それでもそれを聞くのが私の本日の仕事、と理解していた私はその場を難なく乗り越えて帰宅の道中に就いた。
ただ、何だかうやむやとした思いが我が脳裏に過って、いい気がしないのだ。
最後に、原左都子の私論でまとめよう。
要するに、その感覚こそが表題に掲げた「職種による水面下での社会カースト形成の実態」であろう。
“社会保険労務士”資格を取得されている金融機関の女性担当者としては、その立場で(どこの馬の骨かも知らぬ)私に対応するのがその職責であろうことは理解可能だ。
ところが顧客との会話の途中で、(いくら今の時代は個人情報に触れてはならないと言えども)会話内容から顧客の人物像がある程度想像可能という場面もあるはずだ。
そうした場合に、専門職員の立場として如何なる対応を採ればよいのだろうか?
その職種に於いて資格を保持している自分が絶対的に優れているぞ!、との“ガチンコ勝負”のごとくの態度を顧客相手に披露するよりも、顧客に応じた冷静・沈着な対応を心掛ける力量を望みたいものだ。
いやいや実際問題、世の中とは莫大な業種に従事する人間がひしめき合っているからこそ成り立っていて、異分野の専門力の凄さに一旦触れたならば、自分の存在が無力に思えるものだよ。