表題の事件に関するネット情報を以下に引用しよう。
福岡県内の私立保育園の送迎バス内で29日、男児が倒れているのが見つかり、その後死亡が確認された事故で、園側がこの日、園児の出席確認をしていなかったことが捜査関係者への取材でわかった。 死因は脱水症状などによる熱中症だったことも判明。男児は施錠されたバス車内に約9時間にわたって放置された可能性があり、県警は園関係者から事情を聞いている。
県警によると、女性園長(40歳代)は29日朝、バスを運転して当該園児を含む園児7人を迎えに行き、園児はバスの後部側の座席に座った。園には午前8時半頃に到着し、園長はバスを施錠。 園長も、園児を誘導する職員も園児の降車確認はしなかったという。
同日夕頃、保育園からの帰りのバスに園児が乗っていないことに母親らが気づき、午後5時15分頃、同園駐車場に停車していた朝の迎えに使ったバスの前方の席で冬生ちゃんが発見された。 車内には登園時に持つバッグが残されていた。司法解剖の結果、死亡したのは午後1時頃と推定されるという。
園長は調べに対し、「園児たちを朝、降ろした際に鍵をかけた。(〇〇ちゃんがバスに)乗った認識はあった。その後、降りたものだと思っていたが、確認したわけではない」と説明しているという。
また、保育園の担任はこの日、〇〇ちゃんがいないことに気付いていたという。 欠席する際は、保護者からは園長に連絡することになっており、担任は園長に連絡があったと思い込み、確認はしなかったという。 園職員はこの日、園児の出席確認や点呼を行っておらず、県警は日常的に出欠確認をしていなかったとみて運営実態を調べている。
(以上、ネット情報より引用したもの。)
早速、私事に入るが。
我が家でも遠い過去に娘を幼稚園に通わせていた時期があるため、他人事でなく心が痛む事件だ。
我が家の娘は生まれ持って「発達障害」を抱えていたため、その教育指導に於いてはおそらく人よりも数段入念にケアを実行してきた。
幼稚園へ入園させることすらためらったものの、当時の地元児童相談所の指導者氏より、「むしろ、早めに幼稚園に入れた方が〇〇ちゃんの成長に繋がるかもしれない」云々の指導を受け。
元教育者でもある母親の私としては、決してそのご意見を鵜呑みにしたわけではないが。 どうも娘本人が入園を嫌がらなかったため、3歳時に3年保育で幼稚園へ入園させた。
ラッキーだったのは、当幼稚園が登下校時のバスの利用に関して保護者の自由選択制を採用していたことだった。
私は迷わず園バスは利用せず、保護者(私の事だが)が送り迎えをする方式を採用した。
娘の足で片道20分程の道程を、雨の日も風の日も猛暑の日も台風の日もひたすら手を繋いで幼稚園まで届け、そして迎えに行った。
その時の様子を、後日既に大きく成長した娘が母の私に語ってくれたことがある。
母(私)問うて、「あなたは幼稚園時代に、随分と真面目に毎日幼稚園へ通ってくれたのだけど、あの時どんな心境でそうしたの?」
娘応えて、「あの頃は、実際何の認識も無かった。 何で幼稚園へ行くのか、それに何の意味があるのか、等々、本当にまったく分からないままに。 とにかくお母さんが毎日手を繋いで幼稚園まで連れて行ってくれるし、迎えに来てくれるからそうした。」
という事は、我が家の娘の場合はもしもバス通園させたとて、それに素直に乗って幼稚園へ通ったのだろうが…??
ただ親の私の方は、日々幼稚園まで娘と手を繋いで連れて行き、連れて帰ることにより、園の入口で直接園職員に子供を引き渡すことができるし、日々職員と直接挨拶や少しの会話をすることが叶ったのは有意義だったと振り返る。
いやもちろんのこと、有職者等々保護者も多様だ。 そんな多様性に即して、通園を園バスに依存する選択肢も当然であろうことは重々把握できている。
さて今回の事件の場合は、保育園側の通園バス運行があまりにもずさんである日常との実態だったようだ。
バスの運転を担当していた園長が、園児降車後のバス内点検を怠っている事実、園児を誘導する職員も園児の降車確認をしていない事実。 そして、園児の出席確認や点呼を行っていない事実。
不運が重なり、当該男児はその日33°Cまで上昇したとの暑さの中バス内にひとり取り残され、司法解剖の結果、死亡したのは午後1時頃と推定されるとの最悪の事態に至ってしまった…
幼き園児のご冥福を祈るしか方策がとれない身で申し訳ない、としか言いようがない実に悲しい事件だ…