原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

どんでん返しの「幸せ」

2021年12月31日 | 自己実現
 大晦の日にふさわしい話題であるかどうかは、判断しかねるが。


 大晦日の本日朝、一昨日の朝日新聞を読んでいて、まさに最終場面が“どんでん返し”結末の、ある意味衝撃的な記事をみた。

 出だしは、まさに“幸せの安売りか?” と感じさせるダルさのある内容で、(もう読むのやめようか)、と思ったりもしたのだが…


 とにもかくにも、朝日新聞2021.12.29付 ひととき 23歳女性による「私の幸せ」と題する投稿を、以下に引用しよう。

 たぶんどちらかというと裕福で、愛のある家庭に育ったと思う。
 高校からは姉妹そろって私立高校へ。 吹奏楽にのめり込んだ私に、有名メーカーの楽器を買い与えてくれた。 音楽大学に進み、一人暮らしもさせてもらった。
 両親は遠くの演奏会にも足を運び、生の演奏を聴いてくれた。 その後体調を崩して大学は中退したものの、今はブライダルサロンでエステティシャンとして働く私を応援してくれている。
 自分の好きなことを追える生活ができ、それを理解してくれる家庭がいる。 この幸せは、きっと当り前じゃないと思う。
 父は私が小学生の頃から、“幸せ”について何度も教えてくれた。
 「今は勉強を頑張って、将来は良い学校に通って、良い男を捕まえて、家庭をもって。 それがお前の幸せなんだよ。」 これが父のお決まりのセリフだった。
 当たり前ではない幸せをもらっておきながら、父の言う、「幸せな嫁像」を実現できない。 親不孝と人は言うだろうか。
 ごめんね、パパ。 私、大切な女性がいます。

 (以上、朝日新聞への投稿文の全文を掲載したもの。)



 原左都子の私事、及び私見に入ろう。

 この投稿、最後の一文以外は、実際読んでいてダレまくった…😞 

 吹奏楽部に入った、などは我が過去とダブる部分もあるのだが。

 “自分は恵まれている”と若い時期から有頂天になってしまう“勘違い野郎”って、男女を問わず確かに我が周囲にも存在したものだ。

 私の場合は郷里の医学部卒業直後に、郷里を捨て親を捨て単身上京して、大都会東京にて親から完全に独立した生活をずっと送ってきている。
 そのため上京後は、この種の人種に出くわすことはほぼ無いのだが。

 この投稿女性の場合救われるのは、現在はエステティシャンとして働いているとの部分だ。

 それでも尚、父親から「幸せな嫁像」を強要されているとのこと。

 一体何が言いたい投稿なのと阿保らしくなっていたところ。😩 


 最後の決め手のミラクルパンチだ!!

 投稿女性には、実は「大切な女性がいる」とのこと。😱 


 原左都子にとっても、大晦日の今日の日に目を覚まさせてもらった思いだ。

 投稿者女性が言うところの自分なりの「幸せ」が、父親の身勝手な希望とは大幅に食い違っていたわけだが。

 投稿者女性はご自身が選択した仕事を成しつつ、しっかりと自身なりに歩んでいるとの事実に心より安堵できる気がする。

 投稿女性は既に23歳とのこと。 旧態依然とした思想のパパなど、もう放っておきましょうよ。
 今後は完全に親から独立して、ご自身なりの本当の意味での幸せを貫かれてはいかがでしょうか。
  

脳を遺伝子操作すると、老化した神経幹細胞が若返る!?

2021年12月30日 | 学問・研究
 (冒頭写真は、朝日新聞2021.12.16付記事「老化マウス  認知機能を改善」の挿絵を転載したもの。)


 早速、当該記事の本文を、以下に要約引用しよう。

 老化と共に衰える神経細胞の「元」を遺伝子操作で若返らせ、マウスの認知機能を改善することに京都大ウィルス・再生医科学研究所グループが成功した。
 この細胞は脳にある「神経幹細胞」。胎児の間は活発に増殖して神経細胞を増やすが、老化と共に増殖する力がなくなっていき、認知機能も衰える。
 グループは胎児マウスの脳と、老齢マウスの脳の神経細胞で働く遺伝子を比べた。 胎児でよく働いている遺伝子80種類のうち、神経幹細胞を活性化させる作用が強い遺伝子を突き止めた。 次に老齢マウスの神経幹細胞でよく働いている遺伝子を抑えると、神経幹細胞を活性化できることも判明した。
 その上で、胎児で見つけた遺伝子はたくさん働かせる一方で、老齢で見つけた遺伝子を抑えるとの両方の合わせ技で、神経幹細胞を最も活性化させる方法を開発。 「iPaD」と名付けたこの方法で、老齢マウスの脳を遺伝子操作した。
 すると、増殖機能をほぼ失っていた神経幹細胞は活性化し、3か月以上増え続けた。 老齢マウスは空間記憶や新しい置物の認識記憶が低下するが、遺伝子操作したマウスは、老齢でもこうした認知能力が改善することも確かめた。
 今後は霊長類でもこの方法の効果があるかどうか、マーモセットを使って確認していくという。

 (以下略すが、以上朝日新聞記事より一部を引用したもの。)



 原左都子の私事及び私見に入ろう。

 我が子が少し大きくなって手が離れかけた頃、私は国立研究開発法人 理化学研究所・脳科学研究センターに、脳科学研究の実験担当者として何年か勤務したのだが。

 ほぼ毎日、マウスの遺伝子をいじくりまわしていたものだ。
 実験仲間にマウスの尻尾の一部を切るエキスパートがいて、その担当者が切り取ってくれたマウスの尻尾からDNAを抽出しては、様々な実験を繰り返していた。
 (その頃の実験ノートを今尚何冊が書棚に保存してあるが。 あの小保方氏の実験ノートより数段中身が濃いですよ~~~~。)

 あの頃から既に10年以上の年月が流れているが、今現在あの実験をやれ!と言われても、絶対的無理感があるなあ。
 遺伝子実験は単位がμ(ミクロン)以下のため、手技が物凄く細かい!!のが特徴だ。  
 やはり“やめ時”に退職しておいて、正解だっただろう。


 認知症ねえ。
 現在身内の認知症者(義母及び実母)の後見人を担当しているが。
 義母の認知症の凄まじさには、ほとほと辟易とさせられ続けている。

 昨日も電話があって亭主が出たのだが。
 既に送って到着している商品が未だに届かない、と訴えてくる。
 どうせいつものごとく、自室の何処かへしまい込んでいるのを忘却しているのだろう。
 それでも、「どうしてもそれが必要!!」と訴えられたら、再度送付するしかない。
 こんなことの繰り返しの日々だ…😭 

 義母の場合は、増殖機能をほぼ失っている神経幹細胞が再び活性化するとは到底思えない実情だが…

 京都大ウィルス・再生医科学研究所グループがそれを霊長類にも拡大して研究・実験を重ねている事実に少しは期待しつつ。

 首を長~~~~くして、その研究業績の今後の更なる発展を待つこととするか?!?


年収は、何で決まるか?

2021年12月29日 | 仕事・就職
 昨日の我がエッセイ集にて、“医学部新卒者の9年間地域枠締め付け”問題を取り上げ、私論を述べた。


 本日のエッセイ内容も、 ビジネスマンの報酬を取り上げる内容だが。


 昨日取り上げた「医師」とは対照的に、それ程の高度専門力を身に付けていない“一般的サラリーマン”を対象とした話題となるであろうか。


 早速以下に、「年収は『スキルや努力よりも“今いる場所”で決まる』という残酷な現実 」2021/12/28  と題するネット情報の一部を、以下に要約引用しよう。

 「新卒入社した某転職エージェント事業部で働いていた頃、僕は様々な業界や企業の求人情報と、たくさんの履歴書や職務経歴書を見る機会に恵まれました。そこで、身も蓋もない現実に気づいたのです。それは、年収に与えるインパクトは、個人のスキルや実績という実力より、『業界や事業が成長しているか?』『収益性は高いか?』『会社が人件費についてどう考えているか?』といった外部要因のほうが影響が遥かに大きいということでした」

 そう話すのは、SNS上で転職やキャリアに関する考え方を発信する森山大朗氏だ。 28歳の頃は無職だったにも関わらず、これまで7回の転職を通じてグローバルなプロダクト開発のキャリアを積んできた。 年収を増やすだけでなく、転職マーケットで市場価値が高い領域へと自分をシフトさせてきたという。
 「リクルート在籍当時から僕は、『年収は何によって決まるのか?』と疑問を抱いていました。だから土日もオフィスに行って社内データベースを検索するのが日課だったのですが、ある日、大手電機メーカーで働く30代リーダークラスが年収600万円である一方、大手金融やマスコミの社員は入社数年でその年収を超えているのを見て、不思議でならなかったのです」

 自分なりに傾向を分析した結果、「そもそも個人の年収は、4つの要素のかけ算で決まる傾向が強い」という事実にたどり着いたそうだ。
 「僕は、個人の市場価値は①『業界の成長』②『事業の成長と収益性』③『会社の人件費に関する方針』④『個人の実績』という、 4つの要素のかけ算で決まると考えています。そして、最初のほうになればなるほど、その影響は大きくなります。だからこそ、急成長する企業やマーケットを見つけ、先回りしてポジションをとることが重要だと気づいたのです」

 森山氏はその“仮説”を自ら実践し、どんどん「個人の市場価値」を高めてきた。すなわち、テック領域という急成長マーケットにどんどん自分をシフトさせていったのだ。
 「テクノロジーの発展による社会の変化は誰の目にも明らか。ならばそれを活かして急成長する事業を展開する企業・業界に飛び込み、その成長に自分の成長を“かけ算”する発想をしたほうがいい。これは僕が人一倍、努力をしてきたからではありません。急成長企業に身を置いてきた結果であり、どちらかと言えば場所選びの問題です。事業が急成長する環境で必死に働いているうちに、普通の日系企業では味わえないような成長機会を与えられて、いつの間にか自分も成長できたという感覚です」

 そんな経験をしたからこそ、森山氏は「転職するなら急成長企業、一択だ」と続ける。
 「極論かもしれませんが、『事業は成長がすべて』です。なぜなら、事業は成長しなくても、人は年をとるからです。事業が成長しなければ、会社を支えながら歳を重ねた社員たちに、新たなチャレンジやワクワクするような成長機会を提供できなくなります。社内では限られたポジションのイス取りゲームが始まり、そんな組織に嫌気が指した優秀な人材から離れていきます。だからこそ若手も、経験を積んだベテランも、新たな領域で急成長が始まっていたり、大きく成長するポテンシャルと戦略がある会社を見つけたなら、なるべく早く飛び込んだほうがいいと、僕は思っています」
 
 (以下略すが、以上ネット情報より引用したもの。)



 原左都子の私事と私論に入ろう。

 「転職エージェント」ねえ。

 要するに、バリバリ理系の医学とは真逆の世界なのだろう。

 医学部生の場合、世間でも「偏差値の高い職業訓練校」と揶揄されているがごとく、まさに一歩その学部に入学したものならば、医学専門学問を徹底的に学ぶと同時に、実習また実習の厳しい日々だ。 
 そして就職する直前期に国家試験を受験するのだが、それに合格しないことには「医師」等の医学専門職名称を名乗れないし、まず就業が叶わない。
 それを叶えて就職した暁には、初日からその専門力が容赦なく求められる。

 医学専門職の年収は就職先の如何にかかわらず、ある程度一定であろう。
 故に、上記引用文中に記されているがごとく、「自分の年収は如何に決定するのか!??」と頭を悩ませることもなかったと言えようか。

 ただし原左都子の場合は民間企業へ就職したが故に、医学専門職員としては多少例外的であったかもしれない。
 民間企業故に業界内での「競争」が存在し、それに打ち勝つ努力を日々課せられたのは事実だ。
 私など若くして“係長”に任命された立場でもあり、その業界間競争はいつも視野にあった。
 専門職にして業務の生産性を高める方策を模索したり、また部下に対してその指導をしたりもした。
 (我が所属医学企業は、当時医学同業者の中でも群を抜いて優秀な企業として医療界に名を馳せていたこともあり、報酬は高く、年に9か月のボーナスを全社員に配れる基盤があったものだ。)😁 


 引用文記述者である森山氏が言われるところの。 
「転職するなら急成長企業、一択だ。 極論かもしれないが『事業は成長がすべて』」。 
 これに関しては、確かにその通りであろう。
 
 私が新卒で入社した民間医学企業も、当時未だ創立10周年程の新鋭企業だった。
 当初より「全員参加の経営」を掲げ、毎月「社内報」にて経営データを全社員に公開していた。(とは言えども、非公開の極秘データもおそらく存在したのであろうが。) これを毎月確認することを好んだ私は、それにより「経営学用語」に詳しくなったとの恩恵もある。)
 私が(2度目の大学受験を目指し)退社する頃に東証二部上場を果たし、その後一部上場も叶え、今となっては押しも押されぬバリバリ国内トップ医学企業に発展している。
 医学関係新卒者にとって、今となっては入社難関企業とも言われている。


 
 最後に表題の「年収は、何で決まるか?」に話題を移そう。

 もちろん、元々の職業・職種間での年収格差が存在するのは、社会構造上自明の理であろうが。

 確かに、新卒時点とは言えども、如何なる学部出身者であろうが。
 社会や業界構造にも興味を持って就職活動を成す姿勢が、自身の高年収ゲットに繋がるとのことではなかろうか?


医師の卒業後9年間地域枠締め付け、そもそも労働基準法違反じゃないの??

2021年12月28日 | 医学・医療・介護
 冒頭から、朝日新聞2021.12.27付記事「医学部の地域枠締め付け『厳しすぎる』」の一部を、以下に要約引用しよう。


 卒業後に一定期間(通常は9年)、特定の地域で働くことを前提にした医学部の入試枠。 入学しやすかったり、奨学金が支給されたりする。
 地方の医師不足を解消する狙いで、自治体と大学医学部が協力して設ける。文科省によると、昨年3月時点で、全国の80大学の医学部のうち70が設け、定員は総定員数の18%にあたる計1679人。

 この医学部の「地域枠制度」に関するアンケート結果によると、大学の説明が「十分あった」と回答する医学生は46%。
 一般枠学生のうち3割は地域枠を検討したことがあった。
 それら学生も含めて聞いたところ、自治体からの説明があったとする学生は34%しかなく、うち10%はあっても不十分だったと答えた。 大学からの説明が無かったとする答えは34%で、十分な説明があったのは、46%と半数未満だった。

 この制度には罰則があるらしい。
 山梨大学医学部の地域枠学生が、医師免許取得後に県内で9年間働くとの約束を守らない場合、その時期に応じて最大約842万円の違約金を求められる。
 地域枠の学生は月額13万円の奨学金を受け取ることも入学の条件だが、約束が守れないと年10%の利息をつけて返さねばならない。 これに違約金が加わると、最大2340万円を一括で払うことになるという。

 この制度を利用すると、入試では一般枠より優遇される。 
 にもかかわらず離脱者も出たため、それを防ぐために違約金を導入したと、県医務課は説明する。

 (以下略すが、以上、朝日新聞記事より一部を引用したもの。)



 原左都子の私事及び私論に入ろう。

 私も国立大学医学部出身者だが、私の場合は医師になるコースではなくパラメディカルコースだったため、特段のそのような例外措置は無かった。 (現に私は卒業後上京して、民間医学関係企業に入社している。)
 おそらく医師コースに於いても、当時(数十年前になるが)はそのような制度は無かったのではあるまいか?
 ただ、当時は(今もか?)特に過疎地の国立大学医学部出身者は、地元に残る人が圧倒的に多かったような記憶がある。 他県出身者も自身の出身県へ戻って、そこで病院勤務医師になったり開業医師になったりしていると理解している。

 上記引用文を読んで、私が首をかしげるのは。
 「地域枠」入学者は奨学金がもらえるのはともかく、“入学し易い”との表現がある点だ。
 何?? 入試の際に得点加算でもするのか???
 これ、直接人命を預かる職種である医師において、あり得ない話ではないのか!?! いやまあ、医師になる場合必ず国家試験に合格せねばならない故に、そこで整合性がとれるという判断か??

 それにしても、「地域枠」にて入学した学生が約束を守らなかった場合の「違約金」の高額な事実に驚かされる。😱 
 最大824万円の違約金。 それから、奨学金返金最大2340万円を一括にて返済。
 これ、職種が医師だからこそ成り立つ金額なのかもしれないが。
 約束を守らないと言ったところで、職場選択は本来自由意志であるべきなのに、医師を選択したがばかりに、大変な金銭負担を強いられるものと驚くばかりである。😫 

 加えて、それ程過酷な制度であるにもかかわらず、大学の説明が不十分だったと回答する学生が多い事実だ。
 せめてその制度を積極的に利用せんと志す医学生には、自治体も大学もその説明責任を入学前の時点でとことんきちんと果たすべきだ!


 医学経験がある身として、我が更なる経験を語ると。
 
 医学部医師進学過程(要するに「医師」になるべく学業や実習に励む過程)の学生の中には、「臨床医」ではなく、最初から「基礎研究医」を目指す学生も(特に近年に於いては)少なからず存在すると認識している。
 もしも入学当初は「臨床医」を目指していたとしても、途中から「基礎研究医」に鞍替えする人材は、今となっては少なくないのではなかろうか?
 (失礼ながら我が経験から物申すに)、「基礎研究医」の給料とは「臨床医」よりも格段に少ないと把握しているのだが…
 その種の人物に対しても、医学部「地域枠」制度は高額の「違約金」を要求するのであろうか?!?

 このように考察してくるとこの制度、何とも窮屈でしかなく、医学関係者である私としては「厳しすぎる」以外の何物でもないとの結論に達しそうだ。



 話題が変わるが。
 
 今季春夏時の菅政権下でのコロナワクチン失敗騒動の時に、ニュース報道等にて見聞したのだが。

 ワクチンを打てる人材を国が募集した事実をニュース報道で垣間見たところ。
 自由人の立場(要するに所属病院等が無く日雇い状態)で医師をやっている人物がこの世にはある程度存在して、その人物らが突発的にワクチンを打つ作業を受け持ったと記憶している。
 その日当が、10万円を超えていたはずだ。
 
 過疎地の医師不足対策に、そのような人材を何らかの形で有効活用してはどうか?
 と、原左都子など考えつくのだが。
 
 その方がよほど、医学部を卒業したばかりの新人医師を「地域枠」としていたぶるより、効果が高いように考察する。 


“アベノマスク”の大失策、自民党政権の一体誰が如何なる責任を取るつもりなのか!?!

2021年12月26日 | 時事論評
 冒頭から、朝日新聞2021.12.23付夕刊 “取材考記” 「『コロナの不安消す」はずが…  大量在庫を廃棄へ アベノマスク迷走  首相は検証を」を、以下に要約引用しよう。


 膨大な「税金の無駄」が段ボール箱に姿を変え、壁となって迫ってくるかのようだ。
 政府が約500億円をかけて配ろうとした布マスクのうち、3割近くの約8千万枚が眠る東京近郊の巨大倉庫。 管理する厚労省と交渉の末、今月1日に内部が公開された。 
 マスク1枚の単価は139円。 計約110億円分だ。 あまりの量、あまりの金額に理解が追い付かない。
 マスク品薄状態がとうに解消された後も、介護施設などへの一律配布を続けようとしたことが批判され、厚労省は昨年7月末、希望施設への配布に方針転換。 ところが、「小さい」「不織布より効果が低い」と不評で多くが不良在庫となった。
 多額の保管費がかかる在庫問題は今回の国会で野党の追及にさらされた。 岸田首相はあいまいな答弁でかわした末、閉会日の21日夜の記者会見で「有効活用を図った上で年度末をメドに廃棄するよう指示した」と明かした。
 在庫の適切な解消のみならず、政策の決定過程や軌道修正が遅れた原因の検証も大切ではないか。
 現政権の水際対策や10万円給付のみならず、過去の様々な迷走の原因を直視しなければ、司令塔に魂は入らない。 前任の首相たちへの忖度があるならば、パッと消して欲しい。

 (以上、朝日新聞 デジタル機動報道部 斉藤太郎氏による「取材考記」より一部を引用したもの。)



 私見に入ろう。

 この「アベノマスク問題」、一番腹立たしいのは立案・実行指令をした安倍氏が、配った切りその後“何もなかった”がごとく振舞っているその態度ではなかろうか?
 配った当初から「小さい」「何で布マスクなのか?」等々の国民からの不満が相次いだ。 
 にもかかわらず、製造・配布を一旦ストップするでもなく、どんどん作って配り続けた事実が許し難い。  マスクの致命的欠陥に気づいた時点で、すぐにそれを指令できたならば、これ程莫大な損失を計上せずに済んだはずだ。
 何故それが叶わなかったかというと、それは安倍氏と癒着のある業者にマスク製造を任せたからに他ならないのであろう。

 しかももっと腹立たしいのは上記引用文内に記されている通り、その頃既に国内市場にマスクは十分量供給され始めていた事実だ。 この私も、アベノマスクが到着する頃には、自らが選んで購入したもっと品質の良いマスクを十分量入手していた。 
 安倍政権と業者との癒着こそなければ、これ程の損失額を計上せずに済んだはずだ。

 更には、アベノマスクが使い物にならないと判明した時点で、とっとと廃棄処分を命令すればよかったものを。 何故、膨大な費用がかかる巨大倉庫にての長期管理、なる手段を選択したのか? しかも、その事実を今の今まで国民に隠ぺいしている始末…


 岸田首相が、安倍・菅系派閥下の人材であることは当初より重々承知しているが、岸田氏の国会答弁にも呆れ果てる。
 この方、前任の二者(安倍・菅)よりも人当たりや態度面ではずっと感じが良い点が売りであることは多少認めるが。
 結局両者が歩んだ歪んだ軌道を、言葉をごまかしながらそのまま繰り返しているだけではないか?!!

 とにかくアベノマスク問題に関しては。
 野党からの国会追及に従い、真摯な態度で問題の具体的検証を誠実に行い、国民が納得できる回答を早急に発表してもらいたい。