原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

日本学術会議問題、政府の政策決定は将来に禍根を残す

2022年12月27日 | 時事論評
 私め原左都子は、冒頭表題の「日本学術会議問題」に関して、2020秋から冬にかけて10本以上のエッセイを公開し私見を述べてきている。

 
 その中から、2020.10.27付「日本学術会議問題、梶田会長が“腰砕け”呼ばわりされた頃から私は疲れている」と題する記事の私見部分を以下に再掲載させていただこう。


 10月中旬頃に私は本「原左都子エッセイ集」に於いて、“日本学術会議”問題に関するエッセイを立て続けに5本程公開している。
 その頃に公開した我がエッセイ集内記述文章の一部を、以下に引用しよう。
 我が身勝手な思いかもしれないが。
 現会長のノーベル物理学賞受賞・梶田隆章氏にこの案件を全面的に背負って頂くのは、理系の「物理学者」であられるとの事由が大きく、ご自身の日々の研究活動に多大な支障を来すのではなかろうか? 
 と、同じく医学研究に励んだ経験のある身として大いに懸念し、とにかく気持ちが穏やかではない日々を送っている。
 今後物理学の更なる発展のためにも、未だ61歳の若さであられる梶田氏には引き続きご専門の研究に没頭し、氏に続く後進を育成して頂きたい思いだ。
 どうか山極前学術会議会長をはじめ、今まで日本学術会議にかかわられて来られた学者の皆様。
 今後共、菅首相はじめ菅政権がやらかした「学術会議6名任命拒否」なる歴史上例を見ない科学に対する冒涜、大失策を打破するべく、現梶田会長を力強く補佐し続けて頂きたい!

 (以上、本エッセイ集バックナンバーより、我が記述の一部を引用したもの。)

 その後梶田会長がメディアに登場して、菅首相と二度対面した。
 一度目はわずか15分程、二度目も長時間とは言えない会見だった。
 いずれの会見でも、梶田会長の態度が消極的過ぎるとの“バッシング世論”が巻き起こったものだ。
 確かにそれらの会見をニュース報道にて見聞した原左都子の感想も、結果としては同様だった。
 (せっかくの直接対面なのに、梶田会長はどうしてもっと菅義首相に積極的に突っ込めないのか!??  今は貴方にこそ、その権限が委譲されているのに…  梶田会長がここで国民皆の思いを菅首相にぶつけ議論せずして、誰がその役割を果たせるというのか!?!)多少イラつきつつのニュース見聞だった。
 そうしたところ、国民からの“梶田会長の態度が消極的過ぎる!とのバッシング”の数々だった…😵
 いやもちろん、あの時梶田会長が菅首相相手に強力に“6名任命拒否”問題を突っ込めたとしても、現状は何の変化も無かったであろう事は重々想像が付く。

 そうした場合。
 現日本学術会議会長に(こんな劣悪なタイミングで)任命されてしまった“ノーベル物理学賞受賞者”であられる梶田隆章氏を批判するのは的外れではなかろうか??
 会長が誰であれ、菅首相はこの件に関してとことん白(しら)を切り通すつもりであろう。😱
 そうなると冒頭ネットニュースのごとく、ここはやはり野党に頑張ってもらうしか方策が無いようにも思う。
 ネットニュースによれば、立憲民主党議員が菅首相の「違法性」を裏付ける新たな証拠を握っているとのことだ。
 どうか国会にて十分な論戦の上、菅首相の“説明拒否”を打倒してくれますように!

 (以上、本エッセイ集バックナンバーより一部を引用したもの。)



 さて、一昨日 2022.12.25付朝日新聞「社説」のひとつは、「学術会議改革 短兵急は根幹揺るがす」と題して未だ続く学術会議改革の問題を取り上げていた。
 以下にその一部を引用しよう。

 政府が示した日本学術会議の組織改革方針に対して、学術会議が「独立性を危うくしかねない」として、最高を求める声明を決議した。 独立性は国を代表する学術団体の存在意義の根幹だ。 政府は結論や起源ありきではなく、丁寧に議論すべきだ。
 政府は改革方針を夏に示すと表明していたが遅れ、今月6日に提示。 (中略)
 この改革方針には会員から異論が続出した。 第三者委員会の構成や関与内容など再三質問が出たが、内閣府の担当者は具体的には明示しなかった。 (中略)
 学術会議の声明は、法改正が必要な理由が示されていない。 第三者委員会は、自律的な会員への介入の恐れがある。 政府や行政の判断での組織編制の提案は独立性を侵害する。 政府との協力は重要だが「問題意識や時間軸等を共有」できない場合のあることが考慮されていない。 などの懸念を示した。
 梶田隆章会長は、学術会議の性格が変わりかねず、日本の学術の健全な発展も阻害しかねない、と政府との信頼関係にもかかわるとして、「重大な決意」で再考を求めると表明した。 (中略)
 法改正を短兵急に勧めては逆に関係は悪化し、誰のためにもならない。
 議論も説明も不十分なまま政策を進める姿勢は、安全保障や原発政策の転換と共通する。 多様な意見を踏まえぬ政策決定は重要な欠陥を見落とし、将来に禍根を残す。 (中略)
 学術会議もこれまで、自らの存在の重要性を十分に示せていたかどうか。 既に始めた改革を徹底して、社会課題解決や政策立案につながる提言などの発信力を高めることが求められる。

 (以上、朝日新聞「社説」より一部を引用したもの。)



 これ、原左都子が今尚思うに。

 例えば、ノーベル物理学賞受賞、東大宇宙線研究所所長、現役宇宙物理学者であられる未だ63歳との若さの梶田氏に、(“無能な”)政府とやりとりせねばならない立場の日本学術会議会長をお任せすること自体に無理や不必要性が無かろうか? と感じたりもするのだが…
 “ノーベル賞受賞者”との知名度が日本学術会議会長職として生きるであろう事実は認めるが。 

 それよりも何よりも日本学術会議会長職とは、(“無能な”)政府と上手くやり取りできる“あざとさ”や“こざかしさ”の方が優先されるのではなかろうか?? と思ってしまったりもする。

 
 とにもかくにも日本学術会議問題が今後有意義な会議組織として蘇り、成り立ち続けるためには。
 いつまでも多様な意見を踏まえぬ政策決定ばかりを繰り返す政府の体たらくぶりを、何とか打破したいものだが…


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