◎古事記真福寺本の中巻は五十丁、下巻は三十六丁
昨日の続きである。古典保存会から刊行された「古事記真福寺本」の下巻(一九二五)の末尾にある、山田孝雄による「解説」を紹介している。本日は、その三回目。昨日、紹介した部分に続き、改行せずに、以下が続く。
中巻の内容は五十張〔丁〕。その第一張は原〈モト〉の表紙にして、その裏と第二張とは白紙にして、本文は第三張よりはじまり、第四十七帳裏にて終り、第四十八帳には表裏にわたりて奥書あり。その次の二張は白紙なり。これも亦第三張と第四張との糊目に「古事記中初丁」とあり。以下所々の合せ目にその張数を示せる文字見え、最終の張を「廿五丁」とす。但し、「六丁」の次に「八丁」とありて「七丁」の名なし。この「六丁」は「此二王之女五」にて終り、八丁は「柱坐也云々」にはじまれり。〔此二王之女、五柱坐也。〕下巻の内容は三十六張にして本文は第三張の表よりはじまり、第三十四帳の裏にて終り、その次と第三十五帳表にわたりて奥書あり。第三十五張裏と第三十六張とは白紙なり。その第三張と第四張との間の糊目に「古事記下初丁」とあり、以下所々にその張数を示せる文字見え最終の張を「十七丁」とせり。これらの糊目の丁数は粘葉〈デッチョウ〉の製を示す好個の標本なりとす。
各帖とも本文の初に「尾張国大須宝生院経蔵図書寺社官府点検之印」と記せる朱印を押し、その下の「寺社官府再点検印」記せる円形の朱印を押せり。【以下、次回】
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