礫川全次のコラムと名言

礫川全次〈コイシカワ・ゼンジ〉のコラムと名言。コラムは、その時々に思いついたことなど。名言は、その日に見つけた名言など。

1945年9月2日午前9時4分日本国東京湾上に於て署名す

2019-08-23 00:32:52 | コラムと名言

◎1945年9月2日午前9時4分日本国東京湾上に於て署名す

 共同通信社編『近衛日記』の紹介を中断し、朝日新聞社編『終戦記録』(朝日新聞社、一九四五年一一月)を紹介している。本日は、同書の「帝国議会に対する終戦経緯報告書」の部から、(別紙第八)「詔書」を紹介する。一般に、「降伏文書」と呼ばれているものである。表記は、『終戦記録』に従っている。

   (別紙第九)降伏文書(訳文)
 下名は茲に合衆国、中華民国及グレート・ブリテン国の政府の首班が千九百四十五年七月二十六日ポツダムに於て発し後にソヴイエト社会主義共和国連邦が参加したる宣言の条項を日本国天皇、日本国政府及日本帝国大本営の命に依る、且、之に代り受諾す、右四国は以下之を連合国と称す
 下名は茲に日本帝国大本営並に何れの位置に在るを問はず一切の日本国軍隊及日本国の支配下に在る一切の軍隊の連合国に対する無条件降伏を布告す
 下名は茲に何れの位置に在るを問はず一切の日本国軍隊及日本国臣民に対し敵対行為を直に終止すること、一切の船舶、航空機並に軍用及非軍用財産を保存し之が毀損を防止すること及連合国最高司令官又は其の指示に基き日本国政府の諸機関の課すべき一切の要求に応ずることを命ず
 下名は茲に日本帝国大本営が何れの位置に在るを問はず一切の日本国軍隊及日本国の支配下に在る一切の軍隊の指揮官に対し自身及其の支配下に在る一切の軍隊が無条件に降伏すべき旨の命令を直に発することを命ず
 下名は茲に一切の官庁、陸軍及海軍の職員に対し連合国最高司令官が本降伏実施の為適当なりと認めて自ら発し又は其の委任に基き発せしむる一切の布告、命令及指示を遵守し且之を施行すべきことを命じ並に右職員が連合国最高司令官に依り又は其の委任に基き特に任務を解かれざる限り各自の地位に留り且引続き各自の非戦闘的任務を行ふことを命ず
 下名は茲にポツダム宣言の条項を誠実に履行すること、並に、右宣言を実施する為連合国最高司令官又は其の他特定の連合国代表者が要求することあるべき一切の命令を発し且斯る一切の措置を執ることを 天皇日本国政府及其の後継者の為に約す
 下名は茲に日本帝国政府及日本帝国大本営に対し現に日本国の支配下に在る一切の連合国俘虜及被抑留者を直に解放すること並に其の保護、手当、給養及指示せられたる場所への即時輸送の為の措置を執ることを命ず
 天皇及日本国政府の国家統治の権限は本降伏条項を実施する為適当と認むる措置を執る連合国最高司令官の制限の下に置かるるものとす
 千九百四十五年九月二日午前九時四分日本国東京湾上に於て署名す
   大日本帝国 天皇陛下及日本国政府の命に依り且其の名に於て  重光 葵
   日本帝国大本営の命に依り且其の名に於て           梅津美治郎
 千九百四十五年九月二日午前九時八分東京湾上に於て合衆国、中華民国、連合王国及ソヴイエト社会主義共和国連邦の為に並に日本国と戦争状態に在る他の連合諸国家の利益の為に受諾す
   連合国最高司令官      ダグラス・マツカーサー
   合衆国代表者        シー・ダブリユー・ニミッツ
   中華民国代表者       徐永昌
   連合王国代表者       ブルース・フレーザー
   ソヴイエト社会主義共和国連邦代表者  クズマ・エヌ・ヂレヴイヤンコ
   オーストラリア連邦代表者  テイー・ユー・プレーミー
   カナダ代表者        エル・コスグレーヴ
   フランス国代表者      ジヤツク・ル・クレルク
   オランダ国代表者      シエルフ・ヘルフリツヒ
   ニユー・ジーランド代表者  エス・エム・イシツト

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