◎司法権ハ法律ニ依リ天皇ノ名ヲ以テ之ヲ施行ス（帝国憲法草案）
帝国憲法の「草案」を紹介している。本日はその四回目。帝国憲法草案の第四章と第五章を紹介する。参考のため、大日本帝国憲法の第四章と第五章も引いておく。
憲法草案
第四章 国務大臣及枢密顧問
第五十六条 国務各大臣ハ天皇ヲ輔弼シ其ノ責ニ任ス
凡ソ法律勅令其ノ他国務ニ関ル詔勅ハ国務大臣ノ副署ヲ要ス
第五十七条 枢密院ハ重要ノ国務ニ就キ天皇ノ諮詢ニ応ス
第五章 司法
第五十八条 司法権ハ法律ニ依リ天皇ノ名ヲ以テ之ヲ施行ス
裁判所ノ構成ハ法律ヲ以テ之ヲ定ム
第五十九条 裁判官ハ法律ニ依リ定メタル資格ヲ具フル者ヲ以テ之ニ任ス
裁判官ハ刑法ノ処断又ハ懲戒ノ処分ニ由ルノ外其ノ職ヲ免セラルヽコトナシ
懲戒ノ条規ハ法律ヲ以テ之ヲ定ム
第六十条 裁判ノ対審判決ハ之ヲ公行ス但シ安寧秩序又ハ風俗ヲ害スルノ虞アルトキハ法律ニ依リ又ハ裁判所ノ決議ヲ以テ対審ノ公行ヲ停ムルコトヲ得
第六十一条 行政官庁ノ違法ノ処分ニ由リ権利ヲ傷害セラレタリトスルノ訴訟ニシテ行政裁判所ノ裁判ニ属スヘキモノハ司法裁判所ニ於テ受理スルノ限ニ在ラス
大日本帝国憲法
第四章 国務大臣及枢密顧問
第五十五条 国務各大臣ハ天皇ヲ輔弼シ其ノ責ニ任ス
凡テ法律勅令其ノ他国務ニ関ル詔勅ハ国務大臣ノ副署ヲ要ス
第五十六条 枢密顧問ハ枢密院官制ノ定ムル所ニ依リ天皇ノ諮詢ニ応ヘ重要ノ国務ヲ審議ス
第五章 司法
第五十七条 司法権ハ天皇ノ名ニ於テ法律ニ依リ裁判所之ヲ行フ
裁判所ノ構成ハ法律ヲ以テ之ヲ定ム
第五十八条 裁判官ハ法律ニ定メタル資格ヲ具フル者ヲ以テ之ニ任ス
裁判官ハ刑法ノ宣告又ハ懲戒ノ処分ニ由ルノ外其ノ職ヲ免セラルヽコトナシ
懲戒ノ条規ハ法律ヲ以テ之ヲ定ム
第五十九条 裁判ノ対審判決ハ之ヲ公開ス但シ安寧秩序又ハ風俗ヲ害スルノ虞アルトキハ法律ニ依リ又ハ裁判所ノ決議ヲ以テ対審ノ公開ヲ停ムルコトヲ得
第六十条 特別裁判所ノ管轄ニ属スヘキモノハ別ニ法律ヲ以テ之ヲ定ム
第六十一条 行政官庁ノ違法処分ニ由リ権利ヲ傷害セラレタリトスルノ訴訟ニシテ別ニ法律ヲ以テ定メタル行政裁判所ノ裁判ニ属スヘキモノハ司法裁判所ニ於テ受理スルノ限ニ在ラス
