◎「時には芸術気分」僅椒亭余白さんのブログより
今月一六日、gooブログ仲間の僅椒亭余白(きんしょうてい・よはく)さんが、そのブログ「興趣つきぬ日々」で、拙著を紹介してくださいました。承諾をいただきましたので、本日は、その紹介文を転載いたします。ただし、同ブログの興趣あふれるレイアウトは、再現できませんでした。
『独学文章術』(礫川全次氏)
2020-08-16 時には芸術気分
きょうは本を一冊ご紹介します。
『独学文章術 ― 名文をまねて上達する』
礫川全次(こいしかわ ぜんじ)著/日本実業出版社刊
「簡潔でわかりやすい文章、おもしろくて為になる文章、思わずマネしたくなる文章」を書くにはどうすればよいのか。
本書は、在野史家で著書も多い礫川全次(こいしかわ ぜんじ)氏が、近現代の作家・文筆家の名文を文例として引用しながら、文章上達のコツを説いた一冊です。
シンプルで平易な名文を味わう(山本有三)(括弧内は文例)
音読に堪える文章を書こう(尾股惣司)
明確なメッセージを発しよう(伊丹万作)
難しい理論でもわかりやすく説く(三浦つとむ、吉本隆明)
時を超えて胸を打つ文章がある(「裁断橋擬宝珠の銘文」)
など、どの項も切り口が明快で、解説も具体的でわかりやすい。
といって、本書は単なるハウツー書ではありません。
採りあげた文例の背景やエピソードが語られ、文例以外にも名文筆家たちの残した「文章術に関する名言」が随所にちりばめられています。
著者の関心の広さと豊富な読書量を窺い知ることのできる、おもしろい読み物といってよいでしょう。
ところで、著者は「ブログも文章修行の場になる」とも述べています。
「不特定多数の読者の眼に、自分の文章をさらす緊張感」がよいとのこと。これはわたしもブロガーの端くれとして実感があり、共感するところ。
本書を、文章上達を目指す人たちに広くお薦めします。