◎何か書けとしきりに知人にすすめられ……
栗原健『昭和史覚書―太平洋戦争と天皇を中心として』(1959)の紹介を続ける。
本日は、同書の「目次」および「あとがき」を紹介してみたい。なお、本書には、「まえがき」に相当する文章は載っていない。
目 次
太平洋戦争終結と聖断
大戦前史と天皇
一 張作霖の爆死と陸軍
二 ロンドン海軍々縮会議
三 満州事変前後
四 五・一五事件と国際連盟脱退
五 華北問題と陸軍の叛乱
六 防共協定と宇垣内閣の流産
七 「支那事変」の諸事情
八 日独伊三国同盟への道
九 第二次近衛内閣
一〇 日米交渉の決裂
大戦終結への努力
一 開戦から東条内閣倒壊まで
二 小磯・米内内閣の時期
三 鈴木内閣とポツダム宣言発出
結 び
あとがき
参考文献
年 表
あ と が き
本書は、太平洋戦争終戦十周年にちなんで、何か書けとしきりに知人にすすめられ、仕事の合間に大急ぎで書きあげたものである。したがって種々不備な点が多いと思われる。
ただ、私は本書を書くにあたり、自分の歴史的興味に従い、できるだけ史料によってまとめてみたものである。
もし読者が昭和の歴史をふりかえるにあたって、本書が多少ともお役に立つならば、私はまことに有難いことだと思う。
最後に、湿潤向暑の折にもかかわらず、同僚の今井庄次、臼井勝美の両君に非常な接助を願った。茲に厚く両君に御礼申し上げる。
昭和三十年七月十七日(日曜日) 夏日烈々と照る午後
「あとがき」中に、「同僚」という言葉がある。栗原健の勤務先・外務省文書課の同僚という意味であろう。