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統一地方選、変化への胎動

2007年04月24日 09時43分13秒 | 反石原・’07東京都知事選
 統一地方選挙が前半戦・後半戦ともに終わりました。この統一地方選挙で、各党の消長や政治の流れがどう現われたのかを見ようと思うのですが、これがなかなか難しい。まず、後半戦の市町村長・議員選挙については、この間の「平成の大合併」で市町村数や議員定数自体が激減しているので、前回との比較が出来ません。そして私も、全国の選挙について、くまなく知っている訳ではありません。そういう訳で、目についたものを中心に幾つか。東京都知事選挙については今までも散々書いたので、出来るだけそれ以外の所から。と言いつつも、また書いてしまった様ですが。

●あの羽柴秀吉が次点に詰め寄る?!(北海道夕張市長選挙)

 財政破綻で一躍有名になり、「再建請負人」を自称する人たちの宣伝の場と化した夕張市長選挙ですが、結果は地元出身者の当選となりました。そして次点に詰め寄ったのが、あの青森県金木出身のホテル成金の羽柴秀吉。この人、テレビで見ましたが、金木にお城みたいな御殿を築いて、朝食に金箔を食べて「うまいうまい」と言っていた、あの有名人です。財力にモノを言わせてあちこちの選挙に出馬する「選挙マニア」でもあり、まあこの手の人は昔から他にもいましたが(大阪では藤井吉三郎とか)、まさか当選者にあそこまで僅差に詰め寄るとは思いませんでした。
 地元のホテルを買い取るとの公約が効いたのか。あんな泡沫候補でも「藁をもすがる」気持ちで投票せざるを得なかった夕張市民の気持ちを思うと、あそこまで市民を追い詰めた国や炭鉱資本の悪辣さには、今更ながら憤りを禁じ得ません。確かに売れない観光施設を作った歴代市長のバカさ加減も糾弾されなければなりませんが、その事で、炭鉱資本が撤退に際してその尻拭いを市や市民に押し付け、国はそれを見てみぬふりした挙句に交付金削減で止めを刺したという、根本原因を忘れてはならない筈です。全国各地で、「夕張」が福祉切り捨ての格好の口実に利用されようとしている事には、引き続き警戒の目を向けていかなければ。

●「民主党の躍進」(都道府県議選・参院福島補選)

 都道府県議選で一番注目を集めたのが、民主党の躍進。何せ得票も議席も倍増で、その躍進ぶりは、かつての70年代初頭における共産党のそれを、彷彿とさせるものがあります。まあ議席も得票も増えて「躍進」しているのは間違いないのだろうけれど、「実態はどうなのよ?!」という気持ちが、私はどうしても拭えないのですが。
 だって、そうでしょう。都道府県議や政令指定市議こそ、そこそこ居るものの、地方や末端の市町村議レベルに行くに従って「影も形も無くなる」じゃない、あの党は。自分の町や職場に、民主党の党員や支部があって、実際に活動している?全然していないじゃない。実態は、かつて自民党や社会党にいた議員の後援会組織が「民主党」を名乗っているだけで、自前の支部も党員も殆ど居らず、党財政も殆どが政党助成金で賄われるような「蜃気楼政党」じゃないか。その時の風の吹きようで、ある時は「憲法改正・行革推進」、風向きが変わればその時だけ「格差是正・反自民」を口にする、それで議席を取れる「気軽な商売」。保守二大政党制の下で、こんな政党に「格差是正」を託さなければならない庶民の無力が悲しい。

●小泉劇場の再現か?(参院沖縄補選)

 参院沖縄補選では、与党候補がからくも逃げ切り、野党統一候補が惜敗しました。選挙戦では与党は徹底して、基地問題を選挙戦の争点から外しまくったらしい。そして40歳代の女性候補を押し立てて、「台所からの視点」だの「格差是正」だのを言いまくったとの事。その選挙戦術が失業率ワーストワンの沖縄では功を奏して、選挙にせり勝ったのだとか。勿論、それに加えて、安倍マルコスを始めとした閣僚の梃入れとか、基地対策交付金を使っての「アメとムチ」や、本土や地場のゼネコン資本を中心とした企業ぐるみ選挙の締め付けもあったのでしょう。ここでは与党が、民主党の「生活維新」のスローガンを奪った格好になりました。労組出身の初老のオヤジに対して、「市民派」の衣をまとった女性候補をぶつけるとは、あの安倍マルコスにしては、なかなかやるじゃない。おそらく小泉や世耕弘成あたりが裏で手を回したんだろうけれど。私としては、連合沖縄出身の候補が、ここまで反自民・反安保の姿勢を鮮明にして、野党統一候補としてよく戦えたなあと感心していたのですが。当該選挙が47%余の低投票率だったのも気にかかる所です。

●変化への胎動(東京・国立市長選、他)

 しかし、そんな中でも、変化の胎動を予感させる動きも感じられます。高知県東洋町の町長選挙では、国の尻馬に乗って核廃棄物処分場誘致で独断専行したワンマン町長が敗れ去りました。滋賀県議選では、新幹線栗東新駅の建設凍結を掲げた嘉田知事支持派が躍進して、自民党が大敗しました(ただその肝心の嘉田知事が言う事が二転三転して頼りない、そういう意味では浅野史郎とよく似ている)。定数一の選挙区でも共産党候補が相次いで当選を勝ち取ったり(大阪・大正区の府議選、長崎市議選など)。あと、沖縄県の宜野湾市長選挙でも、普天間基地撤去を公約に掲げる民主市政の継続・発展に成功した事も。こういう「変化の胎動」を感じさせる予兆もありました。

 その中でもとりわけ私の目を引いたのが、東京都国立市長選挙で、上原公子市長の後継者が見事当選を果たして、民主市政の継続・発展に成功した事です。国立といえば、一橋大学のある文教都市として有名で、街中に湧水があったりして、武蔵野丘陵の面影が残る町です。戦前から消費生活協同組合の活動があったりして、中央線沿線や三多摩の「革新ベルト地帯」の一角を構成してきた所でした。石原都政にとっては正しく「目の上のタンコブ」で、だから手下の都議や右翼を使って、あの手この手の民主市政妨害策を弄してきたのでしょう。その延長線上に上原市長の不出馬表明があり、民主市政の継続が危ぶまれていました。
 またあそこは一方では、あのキチガイの石原を始め、神奈川県知事の松沢成文(しげふみ)や埼玉県知事の上田清司(きよし)に代表されるように、松下政経塾や日本会議・「新しい教科書をつくる会」の流れを引く右翼ネオコン・ネオリベ政治家が猛威を振るって、恰も福祉を攻撃し弱い者虐めをするのが、さも「改革」であり「流行」であるかのように装い、それが一定の根強い基盤を有している、そういう土地柄でもあります。そんな「東京・南関東ネオコンベルト地帯」の中で、中央線沿線・三多摩の「革新ベルト地帯」がどれだけ底力を発揮出来るのか、我ながら心配でした。まずは民主市政の継続・発展に成功したという事で、ホッとしています。
 こんな事を書くと、改憲手続(国民投票)法案を始め、少年法改悪案や教育3悪法などの反動法案が目白押しで出てきているのに、「何を暢気な事を書いているのか」と言われるかも知れません。実は斯く言う私自身も、半分そんな気持ちで書いています。しかし、こんな時だからこそ、どんな小さな「変化への胎動」をも見逃さず、それを「今の流行、トレンド」にまで押し上げるくらいの気持ちでいなければいけないのではないでしょうか。外山恒一の様に「選挙など全て茶番だ、もはや政府転覆しか無い」の一事で以って、それで全部済ます事が出来たらどれだけ楽か(しかしあのYouTubeの政見放送の動画は面白かった、もう見れないのが残念)。

 ちなみに、浅野+吉田の反石原票が石原票を上回ったのは次の行政区です。いずれも出典は「きまぐれな日々」の下記記事より。数値は反石原と石原の票比率です。武蔵野(109.76%)、三鷹(103.86%)、小金井(105.69%)、国分寺(105.32%)、国立(105.26%)、清瀬(112.49%)、多摩(107.14%)、西東京(100.17%)。それに対して、都心(中央・千代田・港)や城東(葛飾・江東・江戸川など)の区部ではやはり石原がまだまだ強く、そういう意味では、過日の拙稿記事「石原都政を誰が支持しているのか」でも触れた内容が裏付けられた形となりました。

(参考記事)

・注目! 国立(くにたち)市長選(きまぐれな日々)
 http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-293.html
・注目! 国立(くにたち)市長選(2)(同上)
 http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-312.html
・“嘉田チルドレン”大躍進 滋賀県議選(中日新聞)
 http://www.chunichi.co.jp/ee/feature/chihosen07/070409T0405002.html
・新幹線「栗東新駅」、自民が凍結容認へ(朝日新聞)
 http://www.asahi.com/politics/update/0423/OSK200704230050.html
・東洋町長選 「核処分場はいらない」(徳島新聞)
 http://www.topics.or.jp/index.html?m1=10&m2=33&eid=news_117728976605&vm=1
・核廃棄物処分場の建設地調査(高知県東洋町)町長が応募(ブログ・ヘッドライン)
 http://www.blog-headline.jp/archives/2007/02/post_2158.html
・長崎市議選/定数1の2選挙区で当選/合併区 津村(香焼)、内田(伊王島)の両氏(しんぶん赤旗)
 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-02-07/01_02.html
・私財200億円「羽柴秀吉」夕張市長選に殴り込み(産経・イザ!)
 http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/42063/
・「夕張市の財政破綻」と「日本の行方」(岸田コラム)
 http://kishida.biz/column/2006/20060822.html
・島尻氏が初当選 狩俣氏に2万7018票差 参院沖縄補選(琉球新報)
 http://ryukyushimpo.jp/modules/news/article.php?storyid=23200
・沖縄の参院補選での与党勝利について沖縄育ち「やきとり」氏による分析(低気温のエクスタシーbyはなゆー)
 http://alcyone.seesaa.net/article/39873750.html
・特集「基地と沖縄」(沖縄タイムス)
 http://www.okinawatimes.co.jp/spe/k_index.html 
コメント (1)
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