アフガン・イラク・北朝鮮と日本

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人でなしKY安倍マルコス

2007年08月12日 14時12分46秒 | 安倍第1次投げ出し政権
・首相、原爆症認定基準見直しを表明(産経新聞)
 6日の広島原爆の日を前に、安倍晋三首相は5日、広島市内のホテルで被爆者団体の代表らと面会し、「原爆症認定のあり方については、専門家の判断の下、見直しを検討したい」と表明した。原爆症認定をめぐる集団訴訟では、国の認定基準の妥当性が次々と否定され、国側は6連敗中。首相の発言は認定基準の見直しに踏み込むことで訴訟の早期決着に道を開き、被爆者救済策の充実を目指したものだ。(以上引用)
 http://www.sankei.co.jp/seiji/shusho/070805/shs070805001.htm

・原爆症認定訴訟:熊本地裁判決に国が控訴 原告ら反発(毎日新聞)
 原爆症の認定申請を却下された被爆者が国に処分取り消しを求めている訴訟で、国は10日、原告21人のうち19人を原爆症と認めた熊本地裁判決(7月30日)を不服として控訴した。原爆症認定を巡っては、安倍晋三首相の指示を受けた厚生労働省が基準見直しに向けて近く検討会を発足させるが、訴訟については「科学的知見で異なる点があり、過去の判決を合わせても統一的な考え方が示されていないため、上級審の判断を仰ぐことが必要」と説明している。(以上引用)
 http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20070811k0000m040129000c.html

 「原爆投下しょうがない」久間発言がダメ押しとなって、当初は楽勝と思われていた参院選長崎選挙区でも自民党候補がボロ負け。慌てた安倍は急遽被爆者代表との会見をセッティングし、原爆症認定基準の見直しに踏み出す事を約束しました。しかし国の本音は全然違いました。原爆症認定訴訟原告勝訴の熊本地裁判決に対しても再び控訴を申し立てたのです。それが前段と後段の引用記事の内容です。

 従軍慰安婦や沖縄戦集団自決の場合などと同様に、戦争の被害・加害事実を軽く見積もろう、当事者が死に絶えるのを待って完全に隠蔽してしまおう、そうして「戦後レジーム脱却」への障害を取り除こう―そういう考えで為されてきたとしか思えない程、恣意的で現実離れした認定基準で以って、現存被爆者26万人のうちの僅か2千人余しか原爆症患者として認定されない仕組みが、今まで作られて来ました。その中で、被爆直後に広島・長崎入りした入市被爆者や、爆心地から半径僅か2kmより外で被爆した「遠距離」被爆者、被爆二世・三世世代などは、「黒い雨」・残留放射能・体内被曝の影響を悉く無視されて、原爆症認定から完全に排除されてきました。

 そういう国の恣意的な原爆症認定姿勢を糾したのが、1988年の長崎原爆松谷訴訟に始る原爆症集団認定訴訟です。直近の熊本地裁判決を含め今までの6度の集団訴訟で、いずれも原告勝訴の判決が出ています。それに対して国は、悉く控訴で対抗してきました。

 今回も、人気挽回狙いの彌縫策が見え見えの、たった15分の被爆者との会見で、一体何を言ったのかと思えば、単なるリップサービスのみに終始して。その一方で「裁判と見直しは別」と釘を刺す(冷水をぶっかける)用心深さだけは、きっちり忘れずに。
 しかも、その直後に控訴とは。「あの小泉ですらも」ハンセン病熊本地裁判決を機に国の控訴を取り下げ、後にハンセン病患者が隔離終結・名誉回復・社会復帰への道を切り開く契機を作ったというのに。そんな事なら、最初からお為ごかしの被爆者会見などするな!

※記事標題にあるKYとは「空気(K)が読めない(Y)」の略で、安倍首相の今の姿を揶揄したものとして、ネットで使われている表現なのだそうです。やはり考える事はみんな同じようです。


(参考資料)
・原爆症認定訴訟(同集団訴訟弁護団公式サイト)
 http://www.genbaku.jp/
・原爆症認定集団訴訟・勝利を呼ぶ座り込み(民間の被爆者支援ブログ)
 http://yaplog.jp/hibakusya/
・日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)公式HP
 http://www.ne.jp/asahi/hidankyo/nihon/
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