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アフガン・イラク・北朝鮮と日本

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何でも言いなり請負現場に蔓延る行き当たりばったり消耗労働

2007年08月13日 00時18分39秒 | 身辺雑記・ちょいまじ鉄ネタ
 今私がバイトで生計を立てている業務請負の現場ですが、やっぱり少し変です。

 まず本題に入る前に、今働いている現場について最小限の説明をしておきます。普通、請負会社や派遣会社というのは、業務委託先のメーカーの工場なりスーパーの物流センターに入り込んで、そこで与えられた仕事をするものです(尚、派遣・請負・偽装請負の別については過去拙稿記事を参照の事)。私の働いている会社もあくまでそれが基本形ですが、こと今の配属先に限って言えば少し違うのです。形の上でこそ某大手外食チェーン物流センターの看板こそ上げていますが、実はその土地・建物は請負会社自身の自社所有物件なのです。あくまで請負会社所有の自社倉庫で、某大手外食チェーンの物流業務をメインとしつつも、今やそれだけでは採算が取れないので、謂わば副業の形で、他の異業種企業からもマテハン業務を委託されているのです。今は、当該外食チェーンの冷凍・冷蔵・ドライ食材や関連具材の商品仕分けをメイン業務に据えながら、構内の別フロアでユニクロ衣料やスーパーに卸すパン生地などの仕分けを行っています。

 その中でまた新たな副業をやろうとしているのですが、その導入プロセスがもうムチャクチャなのです。新規副業の中身は豆腐の仕分け。恐らく何処かのスーパーに卸す商品なのでしょう。分っているのはその事だけ。どういう商品の形態・荷姿で、どれぐらいの受注量で、どういう作業フローで動くのか、何人の人数で何時間作業すればどれだけ仕分け出来るのか(おそらく午前中半日業務の筈です、そうでなければ今までの通常業務に取りかかれません)、そういう肝心な事が皆目分かっていないのです。そんな状態で、昨日の業務終了後に初めて私たちバイトにその話があって、もう早速本日からその豆腐が入荷して実際に仕分け作業に突入しているのです。私は本日はシフトの休みだったので、その作業は明日が初体験という事になります。

 何かムチャクチャ無責任な話でしょう。バイトに説明している当の請負会社の所長も、その所長に話を持ってきた人物も、具体的な事は何も知らないのです。恐らくもっと上の方で採算合わせの都合だけで決まった事を、そのまま下に伝えているだけでしょう。上も上で、その話をもってきた奴も奴ならば、所長も所長です。「自分は具体的な事は何も知らない」などという事をバイトの前で平然と言い、それに対して私やその他のバイトが「もっと具体的な事を教えてくれなければ、意見求められても何も言い様がない」「若しそれで商品破損したり作業員が怪我したらどうするんや」と言うと、所長曰く「もっと前向きに考えてくれ」。

 アホかいな。前向きも糞も、こんなデタラメな仕事の仕方があるかい。こんなやり方でそもそも「仕事している」と言えるか。この手の話は、何ヶ月も前に話があって然るべきで、既に社員内部で意思統一が図られた上で、少なくとも数週間前にはバイトにも納得のいく説明をした上で、それで実施に移すのが、普通の会社のする事です。それがもうムチャクチャ「行き当たりばったり」で、それを空虚な精神論・根性論で騙し騙ししてすり抜けようとしているだけじゃないか。会社の無為無策によって生まれた要らぬ苦役を上から下にしわ寄せしているだけじゃないか(まるで今の安倍政権と全く同じw)。

 確かに、今のメイン業務量の季節的変動が大きいので(実際、夏・GW・年末の繁忙期と年明けの閑散期とでは手取り8万円ほどの差がある)、その採算の穴を埋めるために取れる仕事はとにかく取ってこようとする、その話も分らなくはないです。しかしそれも程度問題です。今でも荷が勝ちすぎ人がそれに追いついていない状態で、それをどうにかやりくりしながら日常業務を回しているのが現状です。それでどうにかまともな時間に仕事を終わらしている状態なので、構内清掃も在庫整理も人材育成も二の次。そんな事をしているから、冷凍商品を格納忘れで一晩中ほったらかしにしてパレット1枚分全部溶かしてしまったり、作業中にフォークリフトが動かなくなるまでラジエーター切れを放置していたりするのです。

 何故こんなモラルハザードに陥るのか。勿論一番根本にあるのは、派遣・請負という雇用形態が原因でしょう。委託先大手企業は派遣・請負会社への業務委託手数料をケチり、派遣・請負会社は会社で委託手数料を極力浮かせようとする。そこで働く社員・バイトの賃金・労働条件をピンハネしながら「仕事が無くなれば食い扶持も無くなる」と脅しつけて。

 そうして「見てくれ」だけ取り繕う「行き当たりばったり」の「やっつけ仕事、消耗労働」の繰り返しの中で、「とりあえずその日を乗り越えればそれで良い」「面倒な事、手間隙かかる事(≒根本的な問題解決)は避ける」。だから、職場には進歩も改善も全くなく、十年一日の如く同じ事・同じ失敗の繰り返しで、それでもそれを改めようともせず。それを全て個人差の能力の問題にすり替えて、根性論や精神主義で誤魔化そうとしたり、「誰それは作業が遅い」とか「楽している」とか妬んで、そのくせ、今の社会の仕組みの中で職場の矛盾を捉えてそこから改善していこうとはせず、お互い傷口を舐めあい馴れ合って、「下見て暮らせ傘の下」で鬱憤を晴らしているだけじゃないか。

 ウチの会社、確かに表面上は和気藹々としています。事務パートさんがわざわざ麦茶を作って、誰でも飲めるように冷蔵庫に冷やしておいてくれたり(実際、上の方からそういう指導がされている)、メチャメチャ仕事で遅くなった時には夜食でホカ弁の差し入れがあったり(最近はもう殆どなくなったが)。麦茶を作るより冷茶機を設置してくれた方が事務パートも私たちバイトも助かると思いますが、それはさて置いて。それはウチの会社が、今の様な業務請負会社になる前から港湾・建設関係の人夫出し業を営んできた、そういう社歴・社風のようなモノがあるからでしょう。実際、バイトにも有給休暇や社会保険がありますから。本来はそれがごく当たり前の話なのですが、それもひとまず横に置くとして。少なくとも、グッドウィル・フルキャスト・日研総業などの偽装請負会社ほどには酷くはない。
 しかしそれも穿った見方をすれば、本当に労働者の人権を考えての事ではなく、単に「見てくれを気にしている」だけに過ぎないからでしょう。有給休暇や社会保険の付与も、国や自治体から睨まれたら煩いからだけでしょう。そうでなければ、あんな「豆腐仕分け」導入時の様なデタラメな態度など、取る筈がありません。

 この事は過去の拙稿記事「B層封建オヤジの職場ファシズム」でも取り上げたが、問題はもっと根深い所にあるのではないかと思うようになりました。確かに、そういう退嬰的な職場の中で、自己保身と「下見て暮らせ傘の下」でウサを晴らすしか能の無い社畜・反動職制やB層封建古だぬき自身にも大いに問題がありますが、より根本的には、人を社畜や古だぬきにしてしまっている今の社会の仕組みに問題があるという事を、単に頭の中だけでなく皮膚感覚としても感じ始めています。

 これら社畜・古だぬきの、だらしなさ、仕事のいい加減さ、自分には甘く人にはぞんざいで横柄なジコチューさに対して、今まではただ単に「何てジコチューでいい加減な奴らなんだろう」と腹を立て、「少なくとも自分はこの様にはならない」つもりでいましたが、もうそれは止めます。上の会社全体がそういういい加減な流れできている以上、いくら自分だけが個人レベルで努力しようとしても、所詮は無駄な努力にしかなりません。一バイトの身分で、そこまでしてまで資本家と心中する気も更々ありませんし。

 少なくとも違法行為や人としても道だけは踏み外さないようにはします。しかし今までみたいに、自分なりに次の作業や全体の事を考えて、その中で自分も楽になるようにと、今まで個人レベルでやってきた業務改善や前段取りの類は、これからは全て止めます。「行き当たりばったり、ぶっつけ本番」のいい加減な仕事ぶりで会社全体が回っている中では、そんな努力や工夫をしても何もなりませんから。

 とりあえずその日一日乗り切る努力だけはします。そうしないと仕事が終わらず家にも帰れませんから。しかし、私の努力・工夫はそこまでです。後は会社がどうなろうが知ったこっちゃありません。それ位の気持ちでいないと資本の論理に絡め獲られてしまいます。その中で、賃下げ・労働条件切り下げ・不当労働行為については断固闘い、他の人が闘っている場合にも協力は惜しみません。但し、資本の論理に絡み獲られた社畜・古だぬきによる「下見て暮らせ傘の下」的な不当な言い掛かりに対しては、断固として反撃を加えていくことにします。今でもエアコンも無いドライフロアでの作業と冷蔵・冷蔵エリアでの作業を一日の間に交互に何度も繰り返し、夏場には40度~50度の温度差を一日に何度も身体に受けて、いい加減腰・背中・肩・腕・首にダメージがきているのに、これ以上また新たに何を我慢しろというのか。

 その中で、生活保護水準並みの低賃金と引き換えに、我々に「豆腐の仕分け」みたいなデタラメな仕事の仕方や、「腰・背中・肩・腕・首にダメージが来る」ような働き方を強いている元凶たる「派遣・請負」労働そのものについても、それを廃絶・止揚していく道を探っていこうと思っています。

 日本のトヨタを始めグローバル資本・国際資本は、今や国家・民族の枠組みを超えて世界市場を相手に金儲けに勤しんでいます。アジア・中東・アフリカ・東欧・中南米と、より低賃金・無権利な労働者と乱獲・乱掘し放題な天然資源を求めて。国際資本が、あくなきコストダウンと労働の間化・疎外化を、全世界の民衆に強いているのです。そして24時間働き尽くめの労働者の搾取の上に、24時間営業コンビニや格安長距離バス・タクシーの「便利さ」や、「安かろう悪かろう」商品の氾濫があるのです。日本ワーキングプアや中国農民工の惨状も、全てはここに由来するのです。
 アフガン・イラクのテロにしても、ブッシュ・安倍やアホな右翼は、あれを一握りのテロリストの所為にしたり宗教・民族・文明間の闘いであるかのように言っていますが、より根本的には、「持つ者」と「持たざる者」との経済・社会的格差に起因するものである事ははっきりしています。

 そうであるならば、日本や中国・北朝鮮やアフガン・イラクなども含め、全世界の民衆による連帯で、我々に奴隷状態を強いているこの国際規模での戦争と搾取の仕組みを廃絶していく道こそが、現状打開の唯一の道である事は明らかです。「戦争もリストラも人権抑圧もゴメンだ」(拙ブログ)、「核兵器の無い公正な社会を」(2007年原水禁世界大会)、「もう一つの世界は可能だ」(世界社会フォーラム)。これらの呼びかけを具体的に実現していくにはどうすれば良いか、そこまで視野に入れながら、職場の矛盾についても考えていこうと思っています。

 この件について助言・忠告・文句などあれば、どうぞコメントをお願いします。

(追記)
 前記記事にある「豆腐の仕分け」というのは、中部地方を中心に現在ブームを呼び始めている「すっごい豆腐」の仕分け作業でした。入庫した豆腐を各店舗別に分けて置いておくだけの作業なので、一人でも一時間ぐらいで出来ます。仕分けした商品はその後直ぐに別の業者が引取り某大手スーパーに納めます。完全な通過型物流(在庫が残らない)で、ウチには通過手数料が入る仕組みになっています。
 蓋を開けたらそれだけの事でした。最初からきちんと情報開示しておけば何の問題もなかったのに。「自暴自棄になるな」という有難いご忠告も戴いていますのでこれ位にしておきますが、ここで私が言いたかったのは、JIT(ジャスト・イン・タイム)や24時間営業などの「目先・上辺の便利さ」だけを見るのではなく、「そのサービスを底辺で支えている人たちが、一体どういう扱いをされているか」という事にも想いを巡らせて貰いたい」という事です。「必要な情報開示も無く、ただただ顧客に良いようにあしらわれるだけ」というのがその実態ですが、これが果たしてまともな仕事の在り方と言えるのか、という事について。
 こんな状況の下では、「契約自由、良貨は悪貨を駆逐する」という市場経済万能論者・新自由主義者や、「今の若者は仕事をただ飯の種としてしか捉えておらず、愛国心や愛社精神の欠片も無い」とお説教を垂れる道徳至上主義者・新保守主義者の言い草が、つくづく空々しく聞こえます。

(参考文献)
 ちなみに、格差・貧困・下流労働の構造を暴く好著を、ネット検索でヒットしたものから幾つか紹介。

・ポリー・トインビー・著、椋田直子・訳「ハードワーク 低賃金で働くということ」(東洋経済新報社)
・バーバラ・エーレンライク・著、曽田和子・訳「ニッケル・アンド・ダイムド アメリカ下流社会の現実」(同上)
・雨宮処凛・著「生きさせろ! 難民化する若者たち」(太田出版)
コメント (5)
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