アフガン・イラク・北朝鮮と日本

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プレカリアートのガラパゴス日本脱出計画

2012年12月09日 23時36分34秒 | 都構想・IRカジノ反対!
 今まで保守反動といえば橋下徹や石原慎太郎が定番だった。その極端な例が在特会や幸福実現党などのネトウヨであり、我々の右翼批判も、ともすれば、その様な目立つトンデモな部分にばかり集中しがちだった。時には反自民を装うそれらトンデモ人士も、元を辿れば大抵自民党であり、本当は自民党こそが保守反動の本丸である事も頭の中では分かっていたが、どうしても目立つトンデモにばかり目を奪われがちであった。そうして気が付いた時には、本家の自民党も橋下たちに負けない位トンデモ化してしまっていた。幾ら自民党が財界御用の右翼保守党といえども、一応はついこの間まで政権の座についていたのだから、橋下や在特会よりはまだマシだろうと、油断というかタカをくくっていた部分がどこかにあったのではないかと、今では痛く反省している。

 その自民党だが、今や憲法9条だけでなく国民主権や基本的人権まで批判し始めているのを、下記参考記事を始め、色んな所で目の当たりにするようになった。曰く、

・「国民主権、主権在民」という考え方そのものが日本の歴史や伝統にそぐわない。(西田昌司の主張要旨)
・フランス革命や人権宣言で謳われた「人は生まれながらにして自由・平等」という「基本的人権」の考え方も、今の日本にはそぐわない。権利は「人権」ではなく、国家から臣民(天皇の家来)への「恩恵」にしか過ぎず、勤労・納税(やがて兵役も)の義務を果たして初めて主張できるものだ。(片山さつきの主張要旨)
・「憲法は国家権力の暴走・独裁を防ぐ為のもの」とする近代立憲主義の考え方も、日本の歴史・伝統にはそぐわない。「自分の権利ばかり主張して他人の人権を蔑にしてはいけない」という「濫用禁止」や「公共の福祉の為に使用する義務」規定だけでは手ぬるい、もっと国民を縛る条文(古代のハムラビ法典や江戸時代の「生類憐みの令」、明治憲法の様な)に書き換えろ。・・・云々と。

(参考記事)
・自民党の西田昌司と片山さつきが、国民主権と基本的人権を否定してしまいました
 http://togetter.com/li/419069
・自民党が公式に国民の基本的人権を否定し、さらに改憲案で日本国憲法第18条「何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない」を削除してしまいました
 http://togetter.com/li/414355
・自民党のトンデモ改憲原案はもはや「憲法」とは言えない この国にはまともな政党はないのか
 http://blogos.com/article/33462/
・【個人の尊重の否定】公民の先生が呆れかえる自民党改憲案の問題点の凄まじさ【立憲主義の否定】
 http://togetter.com/li/294854
・日本国憲法と大日本帝国憲法条文比較
 http://tamutamu2011.kuronowish.com/kennpoujyoubunnhikaku.htm

 これを読んで頭がクラクラしてきた。戦後60年の歴史は一体何だったのか。平和憲法や原爆慰霊碑を作った時の不戦の誓いは、平和と独立、民主主義を求めて安保廃棄・核廃絶・ベトナム反戦・沖縄返還・公害反対・女性解放などを求めて闘ってきた戦後の歴史は、一体何だったのか。こんなナチスドイツや北朝鮮みたいな国にする為だったのか。米国の様な格差社会にする為だったのか。決してそうではない筈だが、結局は我々の力が及ばなかったという他ない。

 自民党が戦前回帰で、現憲法を目の仇にしてきたのは別に今に始まった話ではないが、それでも昔は憲法9条だけに攻撃の矛先が絞られていたように思う。70年代なぞは、逆に自民党の方が、共産党の安保・天皇制廃棄を憲法違反だと攻撃していた。それが今はどうだ。共産党をあれほど憲法違反だと詰っていた自民党が、「憲法なぞ守らなくても良い」とする石原都政を支え、今や9条だけでなく国民主権や基本的人権の考え方まで「日本の伝統に反する」と攻撃する所まで来てしまった。そのくせ国民にだけ改憲案で「憲法を守れ」とは、ど厚かましいにも程がある。

 我々もそれに対して、自民党が如何に戦前回帰でも、主権在民・戦争放棄・基本的人権尊重の憲法3原理は既に国民に定着し、前述のトンデモ言説なぞ到底今の国民には受け入れられないと、安易に思い込んでしまっていた。特に教育基本法改悪以降は、フランス革命などの人権獲得の歴史を教えず、人権を「虐めを無くそう」等の単なる「お題目」としてのみ捉える教育がなされているのに、そこに全然注意が払われていなかった。

 その結果、「権利主張は義務を果たしてから」なぞという片山さつきのトンデモ言説に、全然違和感を感じない国民が増えている事にも鈍感になっていた。この言説が如何にトンデモかは、人権が単に国家からの恩恵ではなく、「人として譲り渡すことが出来ない不可侵の権利」「基本的人権」であり、逆に「自由保持に努めらければならない」とまで謳われているのは何故なのか、「障碍者や失業者は納税・勤労の義務を果たすことが出来ないが、だからといって彼らには人権はないのか」「そもそも、それは彼らの自己責任なのか」考えれば直ぐ分る事なのに。それが分からないから、生活保護バッシングや最低賃金引下げを容認し、毎年3万人以上自殺しても何とも思わない国民が増えたのだ。天皇主権の立場から主権在民や民主主義を否定する西田昌司に至ってはもはや論外だ。

 今、自民党や「日本維新の会」は、憲法改正、自衛隊の国防軍化から核武装まで主張するに至っているが、そこまで行ってもまだ、現憲法が保障する自由や人権・平和や民主主義が今後もずっと守られると、能天気に思っている国民の何と多い事か。かくいう私も余り偉そうな事は言えないが、はっきり言って、今度の総選挙で自民や「維新の会」が多数を取れば、簡単に改憲発議がなされ、9条のみならず主権在民や基本的人権まで否定し、「生類憐みの令」の様に「国家が国民を縛る」、凡そ近代憲法とは言えないようなキチガイ改憲案でも、今の状況ではマスコミも体制寄りになっているから、簡単に通ってしまうだろう。

 若しそんな事態になれば、日本全体が北朝鮮や中国、ワタミなどのブラック企業の様な社会になり、国民は天皇や米国・財界の奴隷に成り下がってしまうのだ。北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国が正式国名)やワタミも口先だけは民主主義や人権や労働者保護を言うが、彼の国や企業にそんな物なぞ存在しない事ぐらい、誰が見ても分かるだろう。
 「北朝鮮から日本を守る為に軍隊が必要だ」と改憲論者は言うが、日本を北朝鮮の様にしようとする奴らが、幾らそんな事を言っても全然説得力はない。そもそも、今の自衛隊は専守防衛の「軍隊」ですらない。単なる米国の下請けだ。「北朝鮮から国土を、家族を守る」つもりで、或いは恩給をエサに失業者が釣られて自衛隊に志願しても、イラクやアフガニスタンに飛ばされ、劣化ウラン弾やPTSDに侵され廃人にされてしまうだけだ。米国にはそんな戦争ホームレスが数多くいる事も知らんのか。

 もっと言えば、今の政府・財界も本当は国や国民の事なんてコレッポッチも考えていない。それは安倍や野田、石原・橋下もみんな同じだ。みんな私利私欲で動いている。それは米国とて同じ。儲からなくなれなさっさと国を捨て、中国でもインドでもどこでも移動する。それが経済のグローバル化、多国籍企業化であり、見捨てられた祖国は産業空洞化と少子高齢化で国全体がシャッター街と化す。本当は、そんな多国籍企業の横暴には、労働者・国民も国境を越えた団結で対抗しなければならないのに、そうさせない為に、支配層は日本でも韓国・中国でも領土問題を煽っているのだ。原発の放射能で福島を人の住めない土地にされても抗議一つしない奴らに、尖閣や竹島の問題で愛国者ヅラする資格なぞあるか!

 南米エクアドル沖の太平洋に浮かぶガラパゴス諸島には、イグアナなどの絶滅危惧種が、周囲の生物進化から取り残される形で残っている。日本もその様に、世界の変化とは隔絶されて、戦前どころか「生類憐みの令」さながらの政治が行われ、国民が恰もそれを「日本の伝統に沿った人権・民主主義・法の支配」として受け入れるのだろうか。
 もうアホらしくてやってられるか!何でこんなクソ自民やクソ維新、クソワタミのような奴らの為に、犬死にさせられなければならないのか。若し憲法が改悪されて国丸ごとブラック企業になったとしても、俺は最期まで抵抗は諦めないが、万策尽きた場合は、今の北朝鮮難民の様に、マジで「脱日」も考えなければならないかも知れない。「非国民」と呼びたければ勝手に呼べ。俺に言わせれば、何されても言いなり奴隷根性の自民・「維新」や資本のイヌこそよっぽど「非国民」だ。

 事態はもう日本脱出を考えなければならない所まで来ている。今度の総選挙の真の争点は原発でもなければTPPでもない。勿論それらの問題も大事だが、日本を核のゴミ捨て場にして恥じない原発推進や、米国・多国籍企業の経済植民地に貶めるTPPも、改憲による国民奴隷化計画が完成してこそ効力を発揮する。その国民奴隷化の企みを阻止できずに、個別の原発やTPPだけに反対しても意味がないだろう。(→続編に続く)
コメント (4)
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