都議会での初の一般質問。妊娠、出産に関わる不妊など女性の悩みについて質問中に「お前が結婚しろ!」「産めないのか?」など、大変に女性として残念なヤジが飛びました。心ない野次の連続に涙目に。政策に対してのヤジは受けますが、悩んでる女性に対して言っていいとは思えないです。
― 塩村あやか(みんなの党 東京都議会議員) (@shiomura) 2014, 6月 18
塩村文夏(あやか)都議へのセクハラ野次に対して、野次発言者の特定と謝罪・処分を求める署名が取り組まれています。私も先程署名しました。
このセクハラ野次は、単にセクハラ行為者個人の女性蔑視だけに止まらない問題をはらんでいます。それは、昨今の右傾化・保守化の風潮の中で、「国家や企業の為には個人の人権が犠牲になってもやむを得ない」「むしろ、そんな弱い個人は淘汰されるべきだ」とする、一種の「弱肉強食」思想や「自己責任」論が、以前にもまして公然とまかり通るようになったからこそ出てきたものだと私は考えます。この野次が東京都議会で起こったのも、右翼で差別発言の常習犯だった前知事・石原慎太郎の長年に渡る都政の悪影響が大きいと思っています。
―女性なぞ、ただの「産む機械」にしか過ぎない。
―その「産む機械」が、生意気にも、自分の「生殖能力の無さ」を棚に上げて、一丁前に権利主張ばかりするな。
―貧乏人や仕事の出来ない奴には人権なぞ無い。差別されても当然だ。
・・・この様な発想がベースになければ、こんな醜い野次なぞ出てこようはずがありません。
塩村議員が議会質問で取り上げた未婚・晩婚の増加や少子化の問題にしても、その背景には「結婚したくても出来ない低賃金」や「子育てなぞする余裕もない長時間労働」、「保育所の数が全然足らず奨学金給付制度も満足にない低福祉」などの問題が潜んでいるのに、それを個人の能力や意欲の問題だけにすり替え、差別の口実にされたのでは堪ったものではありません。
ゆえに、これは議員個人の問題でもなければ、未婚女性やシングルマザーだけの問題でもありません。この野次は、女性に対する攻撃であると同時に、男性も含めたワーキングプアや、障害者、ホームレス、外国人労働者、原発事故被災者などの、あらゆるマイノリティー(弱者・少数者)に対するヘイト(差別)、嫌がらせでもあるのです。
ほら、うちの会社にもいるでしょう。朝礼などの公式な場では良い子ぶっていても、現場では露骨にバイトを差別する様な男性社員が。ブラック企業の和民で過労死させられた女性社員が社内で味わったのも、この様な嫌がらせだったのでしょう。女性を「産む機械」扱いする風潮を無くさない限り、男性も永遠に「働く奴隷」扱いされ続ける事でしょう。
その様な、権力の陰に隠れて弱い者虐めをするような、まるで「在特会」などのネトウヨ(ネット右翼)がやるような卑劣な行為を、決して曖昧な形で見過ごす訳にはいきません。責任者の謝罪・処罰と議員辞職を求める下記のネット署名に、読者の皆さんも是非ご協力をお願い申し上げます。
(以下転載)
宛先:自民党東京都連
私たちは、都議会本会議内で女性差別発言をした自民党都議会議員を特定し厳正に処分するよう、自民党東京都連に対して強く求めます。
2014年6月18日、東京都議会の本会議において、みんなの党会派の塩村文夏議員が、女性の妊娠・出産を巡る都の支援体制について一般質問をしていた際に、自民党都議らの座る一角から男性の声で「自分が早く結婚した方がいい」「産めないのか」などといった野次を浴びせかけられました。
毎日新聞(http://mainichi.jp/select/news/20140619k0000m040122000c.html)
朝日新聞(http://apital.asahi.com/article/news/2014061900004.html)
出生率の低下が日本全体の問題として叫ばれており、その対処が模索されています。
この問題の一因は女性をとりまく状況にあります。
いま日本の社会では、女性は、妊娠・出産をたとえ強く望んでいたとしても実際に行うためには、その女性本人をとりまく社会環境に由来するさまざまな障害を乗り越えなくてはならず、それゆえに非常に重い負担を強いられています。
まして、東京都はもっとも子育てしにくい場所だといわれています。
塩村議員はまさにこうした都のなかで起きている社会的問題を解決するために女性の気持ちを代表して一般質問をしていたところだったのです。
しかるに、前述のような野次は、塩村文夏議員に対して彼女が女性であることを理由に個人の意志や事情に関係なく結婚や妊娠を強要するという人格無視の差別的発言にあたるばかりでなく、この東京都の社会的問題を解決するために協力しようという意志をみじんも感じさせないどころか女性に圧力をかけるという点でむしろ問題を悪化させるものであり、ゆえに東京都に住んでいるか働いているすべての女性までをも侮辱するものです。
議員の発言の社会的影響力は無視できません。このような重い差別的発言が東京都議会で見過ごされるのであれば、東京都は2020年オリンピックという機会に向けて世界に開かれた国際都市として発展できなくなるでしょう。もしもこの問題がインターネットを通じて国際的に知られれば、各国選手のボイコットも予想されます。
したがって、こうした発言を行った都議会議員が責任を問われず放置されている現状は、きわめて重大だといえます。そもそも、なぜ議長はいったん進行を中止してでもこの野次を放った議員を叱責しなかったのか、まったく理解に苦しみます。しかしそれ以上に、みんなの党会派から申し入れを受けた議会運営委員会の吉原修委員長(自民)はなぜ事の重大さに言及せず「(各)会派の中で品位のない発言をしないよう確認すればいいのでは」と述べるにとどめたのでしょうか。これでは単に身内をかばっているように見えてしまいます。
私たちは、この現状を深く憂慮し、都議会本会議内で女性差別発言をした自民党都議会議員を特定し厳正に処分するよう、自民党東京都連に対して強く求めます。
(以上、緊急転載)
http://blog-jp.change.org/post/89258023795/1