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素人でもすぐに分かる都構想のウソ

2015年05月06日 17時43分44秒 | 都構想・IRカジノ反対!
 今、大阪市内では、5月17日の特別区設置住民投票に向けて、投票公報が全世帯に配布されています。「投票公報」とは聞きなれない言葉ですが、選挙における選挙公報に相当するものです。大阪市民でない人も大阪市選挙管理委員会のHPで観る事ができます。都構想(特別区設置=大阪市の廃止・分割)賛成派、反対派の双方の意見が掲載されているので、大阪市民もそうでない方も、是非観て下さい。
 ここでは、その大阪都構想(特別区設置=大阪市の廃止・分割)賛成派自身が作った投票公報や特別区設置協定書を基に、そのデタラメやウソを暴いていく事にします。今や、これらの投票公報や協定書そのものが「ネタの宝庫」「突っ込みどころ満載」と言っても良いくらいです。何せ、行政にはまったく素人の私が少し観ただけでも、おかしな点が一杯目につくのですから。



 まず、上記の都構想賛成派の投票公報から。
 相変わらず「二重行政のムダ」とか「役所による税金のムダ遣い」を言い募り、「特別区の設置で仕事の役割分担」で全てが解消するかのように宣伝しています。
 でも、そこに書かれている「りんくうタワーゲートビルとWTC」「りんくうとコスモスクエア」などの「二重行政のムダ」が、実は二重行政でも何でもなく、国がそれぞれバブルの時期に府や市に押し付けた政策の誤りである事は、反対派が同じ投票公報の中でも述べている通りです。つまり、これは二重行政という「制度」に原因があるのではなく、国の「政策」が誤っていたからこそ起こったムダなのです。仮に、都構想実施で制度が変わったとしても、政策の誤りが改まらない限り、また何度でも同じ過ちを繰り返す事になります。(上記のA参照)
 そして、「進まない改革」の例として、「地下鉄、市バス、ゴミ収集の民営化」の行き詰まりを挙げています。しかし、それらもすべて、「政策」が稚拙だったから起こったことで、二重行政とは何の関係もありません。仮に二重行政がなくなったとしても、政策がまずければ何度でも行き詰まります。それだけの事です。(上記のB参照)

 また、「住民の声が届かない役所」として、「人口約270万人の大阪市に選挙で選ばれるのはたった一人」「同じような人口規模の京都府では、26人の市町村長が選挙で選ばれています」と、自分の市長としての無能を棚に上げて、それをさも「自治体の規模が大きすぎるからだ」と言わんばかりの居直り発言に終始しています。しかし、これも、「では、大阪市よりも人口の多い横浜市の市長は一体どうなるのか?」と考えれば、賛成派の言い分がいかにデタラメかすぐに分かります。
 それでも、まだしも大阪や東京の場合は、都道府県とその都道府県庁所在地の名前が同じなので、市の名前が地図上から消えてなくなっても大した事がないように感じるかも知れません。しかし、これを神戸や名古屋に置き換えて考えて見れば、「神戸がある為に兵庫県知事としての仕事が出来ない、神戸なんて邪魔だから地図上から抹消してしまえ!」という理屈が、いかに自分勝手な物であるかが、よく分かるでしょう。
 そうして、「大阪市を無くして特別区に置き換える」「区長は選挙で選ばれるから住民の声が役所に届くようになる」と、賛成派は言います。しかし、いくら選挙で区長を選んだところで、権限も財源もない「府や都の下請け」区長に一体何が出来ると言うのでしょう。これがいかにデタラメな話か、落ち着いて少し考えれば誰でも分かります(上図のC参照)。

 それでも、賛成派はまだシラを切り通そうとします。今までのウソに更に付け加え、「都構想で4000億円以上ものお金が浮く」、しかもそれを「大阪市大都市局から発表された」と、行政機関まで動員して有権者を欺こうとしています。市民の税金によって支えられ、政治的には公正・中立であるべき行政の長が、一方的に賛成派に肩入れしているのです。もはや、ここまで来れば、もうフィリピンやミャンマーあたりの独裁国家の選挙と変わらないではないですか。
 実際に浮くお金は4000億円どころか1億円にしか過ぎず、逆に新区庁舎建設などで600億円以上も余分なお金がかかる事も、既に当の橋下市長自身が過去に法定協議会の中で白状し、反対派が何度も批判しているにも関わらず。(上図のD参照)
 しかも、ご丁寧にも、試算根拠の一切ない財政収支見通しグラフまで載せて、「大阪市が発表している公の数字です」と強調までして。本当にそう思うなら、こんな「大阪市」や「大都市局」がどうたらこうたら何て書いて、自分の都合の良い時だけ「お上=役所の権威」で煙に巻こうなんてせず、きちんと試算根拠を載せるべきです。(上図のE参照)



 そのくせ、特別区設置協定書の方では、ものすごく及び腰な書き方をしています。
 「よくある質問」のページで、「特別区になっても住民サービスは維持されるの?」という問いに対して、「現在の大阪市の住民サービスは維持されることとしています」なぞと、持って回った書き方をしているのですから。本当に住民サービスが維持されるなら、ちゃんと「維持される」と書けば良いのに。なぜ、こんな奥歯の物のはさまったような、持って回った書き方しか出来ないのか(上記参照)。投票公報には、「お上の権威」をカサに来たような、断定的な表現が随所に出てくるのに。
 これでは、投票公報なんて住民投票が終わったらみんな読まなくなるが、協定書の方は後々まで証拠として残るから、もし、行政サービスが維持されなくなって、税金や保険料が大幅値上げされ保育所が大幅に減らされても、「あの時は維持しようとしたが、やはり出来なくなった」「しかし、これも時代の流れだ」「住民投票で賛成したお前ら市民にも責任がある」と、今から逃げを打っているのではないかと、勘繰られても仕方ないでしょう。

 そもそも、都構想の区割りからして、デタラメそのものじゃないですか。
 前回のブログ記事でも述べたように、住民投票の賛成多数で協定書が可決されてしまえば、2017年の大阪市廃止後は、それまでの大阪市域は、中央区、北区、東区、南区、湾岸区の5つの特別区に分割されます。
 その中で、たとえば津波対策で言えば、防潮堤建設などの土木事業は大阪都(正式に認可されるまでは大阪府)が、防災教育や避難計画の策定などの、住民生活にとって身近な仕事は特別区が担う事になります。
 ところが、ここで湾岸区を例にとると、区域の全域が海抜ゼロメートル地帯で、津波避難地域に指定されているような現状の中で、今の西淀川区の住民は、同じ湾岸区の区役所(今の港区役所の場所に新たに造られるそうです)に行くのでさえも、一旦区域外に出なければならなくなります。今の大正区に至っては、周囲の河川を船舶が航行する関係で、川には高架橋しかかける事ができず、橋の数も制限されています。今でも渡し船がバスと並んで市民の重要な足となっているのです。そんな状況の中で、一体どんな防災教育や避難対策に取り組めると言うのでしょう。これでは逃げる事さえ無理です。(協定書に記載の下記地図参照)



 同じ事は他の特別区でも言えます。東区は区域を南北に縦断する交通路は今までバスが一本あるだけでした。最近になってようやく地下鉄今里筋線が開通しましたが、ご他聞にもれず赤字路線です。地下鉄路線が、通勤・通学などの実際の人の流れと全然一致していませんから、それも当然です。南区に至っては、住之江公園から平野区の出戸に向かうバス路線一本しか、区域内を東西に移動する手段がありません。
 それもこれも、地域のつながりや実情を無視して、人口や財政状況などの数合わせだけ、いわば橋下市長や行政サイドの都合だけで、一方的に特別区の区割りを決めたからではないですか。そんな中で、「今までの区役所も特別区の支所として残す」と言われても、果たしてどこまで信用できるものやら。恐らく、住民投票のほとぼりが冷めた何年か後には、何だかんだ理屈をつけて、今の銀行のATM出張所みたいに、府(都)知事の一存で支所も廃止されてしまうでしょう。



 特別区の区割りがいかに現状からかけ離れているか。それが協定書の上記の「よくある質問」にも現れています。
 今の「大阪市淀川区十三本町」が、大阪市廃止のあかつきには「大阪府北区淀川十三本町」になるのだそうです。うちの職場読者のアルバイトの例で言うと、今の「大阪市西成区旭×丁目」は、「大阪府中央区西成旭×丁目」になります。「大阪市」が消えても、住所表記の長ったらしさは変わらない上に、現に今もある大阪市中央区とごっちゃになって、余計にゴチャゴチャになってしまうようなw。なぜ、ここまでして、それまでの区名を残さないといけないのでしょうか。それは取りも直さず、新しい特別区の区割りが、現状の住民生活とまったくかけ離れていて、到底、住所表記としては使えない代物だからではないですか。

 少なくとも、今までも何度か行われた住所変更の際には、こんな事は起こりませんでした。それは、たとえば、今も阪堺線の電停名に名ごりを留める西成区の旧町名「今船」が地図上から消えても、それに代わる現町名「天下茶屋北」で、「自分は一体どこに住んでいるか?」「一体どこの住民か?」という「地域の一体感」を保つ事ができたからです。
 ところが、今度の特別区はどうでしょう。今度の住民投票で、賛成が反対票を1票でも上回るような事になれば、2017年4月1日からは、自分はもはや大阪市民ですらなくなり、橋下市長の思い付きから生まれた「湾岸っ子」でしかなくなるのです。住之江区民が「湾岸っ子」と「南っ子」に勝手に分断されるのです。津波が来ても、頼りない特別区長の下で、どこに逃げたら良いかも分からず、溺(おぼ)れ死ぬ事になるのです。

 あの東日本大震災の時も、それまで陸前高田市や大船渡市として立派に自治体として機能していた所でさえも、津波の後は跡形もなくなり、いまだに復興が進まないのが現状です。福島原発周辺に至っては、いまだに放射能に汚染され、帰るに帰れない状態が続いています。今まで地域のつながりがあった所でさえ、このように、なかなか復興が進まないのに、橋下みたいな事をしてしまったら、もう取り返しがつかない事になります。こんなデタラメな都構想は、一刻も早く葬ってしまう他ありません。そして、橋下市長のような詐欺師も、一刻も早く退陣させなければなりません。

 最後にもう一つ。デタラメなのは橋下だけでなく、その支持者の一部にいる狂信的な人々もです。
 前回のブログ記事でも述べた、都構想のデタラメ反対では自民党も共産党と共同歩調を取っている事を、ツイッターでつぶやいたら、早速、その狂信的なシンパたちが、「自民党は既得権益を奪われるのを嫌さに、共産党と野合しているのに過ぎない」と、過去の自民党政治献金パーティーの例をリツイート(返信)してきました。そのくせ、そのシンパたちは、また別の所では、「大阪の自民党は共産党とも野合している、自民党本部はそんな事を許して良いのか」と、自民党を叱咤(しった)激励しているのですから、お里が知れます。
 ダーティーなのは自民党だけでなく、橋下や「維新の会」もそうでしょうが。パーティー券あっせん疑惑や、思想調査の強要や、セクハラ公募区長にパワハラ教育長から、上西小百合や「巻き舌秘書」の不祥事まで含め。そもそも、橋下や「維新の会」自体が、元は自民党でした。それが、余りに夜郎自大の勝手放題を繰り返した為に、かつては橋下を支持した大阪の自民党からもすっかり愛想を尽かされて、今や憲法改正で安倍政権に直接すり寄る事で、大阪都構想を実現するしか、橋下には生き残る術がなくなってしまったのでしょうが。全ては自業自得。ざまあみろ。
 結局、これらの人たちは、本当は政治献金の事なぞどうでも良くて、「橋下NO!」の協同を恐れているだけなのです。こんな離間策に絡み取られてしまっては、橋下の思う壺です。少なくとも今の私にとっては、安倍や橋下なんかと比べたら、たとえ過去に多少ダーティーな事があったとしても、橋下のウソやファシズムと闘う人は全て仲間だと思っています。
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