以下、まずは取り急ぎ第一報として。大阪市をなくすな5.10市民大集会(扇町公園)スナップより。
自民党から共産党まで、維新を除く多くの政党・労働組合・市民団体が結集。特に上記左端の写真に注意。中核派系労組と自民党の幟(のぼり)コラボ!多分ここでしか見られない貴重な光景!
平松邦夫・前大阪市長と山中智子・共産党大阪市議団幹事長のツーショット。
13時半より集会開始。最初の登壇者の後、松嶋三夫・住之江医師会長が発言。橋下市長が住吉市民病院の急性期医療センター(旧府立病院)への統廃合を強行。それに対し、約7万筆もの反対署名が集まる。反対世論におののいた橋下は、住吉市民病院に代わる民間病院の誘致を約束するも、入札が成功せず破綻。それでも統廃合を強行。病院なんて、二つあっても三つあっても構わないんだよ。現に今でも救急患者の受け入れ先がなかなか見つからなくて、患者のたらい回しが問題になっているのに。安倍と橋下の「ファシスト二重行政」こそ、真っ先に打倒されるべき。
この後、竹山修身・堺市長が「維新の都構想サギに騙されるな!」、柳本顕・自民党市議団幹事長「維新が勝手に決めた区割りなんかで市民自治なんか育つ訳がない。私はあくまで大阪市民だ、特別区民なんかにはなりたくない!」、福田賢治・OSAKA未来(民主党系)市議団幹事長も「二重行政と言うが、病院が二つあるからと言ってそれが無駄なのか?府立体育会館と市立体育館があるのが無駄なのか?大相撲の季節には府立体育会館は使えない。その代替として市立体育館も要るじゃないか」と、次々登壇して挨拶(あいさつ)。
山中智子・共産党市議団幹事長も、市議会での橋下の度重なる横暴ぶりに、「大阪の府知事と市長の両方を経験したのは俺様だけだと橋下市長は言うが、大阪を潰す為だけにやって来た奴が何を偉そうに言うか。市議会の議決も無視して、自分が気に入らないからという理由だけで、他党派の議員を強引に法定協議会から締め出しておいて、日本は法治国家ですからとか、よくも平気で言えたものだ」と、今までの思いの丈をぶちまける。
その他にも多くの方々が挨拶された後、最後に、集会実行委員長の池田裕子さんが「小異を捨てて大同を求めて、皆ここに集まる事が出来た。この自信を基に、最後まで頑張ろう!」と決意表明。
会場では同じ生協で働いていた仲間とも10数年ぶりに遭遇。写真掲載は見合わせてほしいという事で、ブログには載せられないが、久しぶりに旧交を温める事が出来た。
15時から梅田方面に向けて、いよいよデモが出発。先頭が歩き始めても、長蛇の列ゆえに、なかなか私の所まで出発の合図が来ず。私の後もずっと後ろまでデモの隊列が続いていた。この様なデモは反原発デモ以来だ。
米軍基地支配と闘う沖縄・辺野古の住民。民営化による水道料金の大幅値上げに怒ったインディオ先住民による闘いで、軍事独裁政権を打倒した南米ボリビアの人々。同じく、食い詰めた失業青年の自殺に端を発して、それまで盤石と思えた独裁政権を次々倒した中東「アラブの春」の市民革命。国の経済を散々食い物にした挙句に、国民にだけ借金を押し付けようとする大銀行やハゲタカ・ファンドと闘うギリシャの人々。数百年に渡る英国(イングランド)の支配から、国の独立を勝ち取ろうとするスコットランドの人々・・・。
やがて大阪でも、このような人々とも肩を並べるような勇敢な闘いが始まるだろう。大阪市政を散々食い物にした挙句に、最後には市政そのものを無くしてしまおうとする、橋下と言うカジノ利権の「ハゲタカ・ファンド」から、住民の暮らし・人権・民主主義・自治を守る壮大な闘いが。
扇町公園を出た所で合唱隊が懐かしい歌を。「お早う、お早う、大阪の街~♪」。どこかで聞いたことがあるメロディーだと思ったら、かつて1970年代に、公害反対の市民運動の力によって、当時の自民党府政を倒して黒田革新府政が誕生した時に、運動の中で歌い継がれてきた曲だった。70年代と言えば、私が小学校卒業から大学時代まで過ごした時期だ。
その頃と比べたら、今の日本はすっかり右傾化してしまったが、その一方で、橋下・維新の横暴に対して、今や大阪では自民党までが共産党と一緒になって橋下打倒に立ち上がろうとしている。これも当時には考えられなかった時代の変化だ。
梅田の高層ビル街を行く「大阪市無くすな!」のデモ隊。「都構想反対!大阪市を潰すな!都構想はサギだ!住民投票に行こう!大阪市の解体反対!棄権は危ないぞ!大阪市を守ろう!民主主義を守ろう!」・・・シュプレヒコールは続く。
デモコースの梅田は、昔は「埋め田」と言って低湿地だった。今でも海抜1メートルの高さしかない。こんな所に津波が押し寄せて来たらひとたまりもないじゃないか。それを、大阪市を潰してバラバラにしてしまったら、一体誰が防災に責任を持つと言うのか!
やがてデモは西梅田・出入橋交差点のゴールに。そこで流れ解散となる。解散地点で、長身で元・松竹芸能所属のお笑い芸人でもあった清水ただし・共産党衆院議員がデモ隊を見送ってくれていた。
それにしても、今回もデモ警備の警官や私服刑事の姿が目についたが、さすがに自民党もデモに加わっているとなると、簡単に手を出せないのだろう。ほとんど何も言ってこなかった。普段は何も考えずに、ただ国家権力の言いなりになってりゃあ良かったのだろうが、今回は都構想推進の橋下市長・松井知事と、一応「反対」の安倍政権とに、権力側が分かれてしまっている。さて、どっちの命令に従えば良いのだろうかと、さぞかし悩んでいるのではないだろうか。ただ単に権力の言いなりになるのではなく、住民の生命・人権・暮らしを守るには、自分はどうすれば良いのか。その点さえ明確であれば、別に悩む事もないはずだが。
※この後、この集会・デモ(パレード)を報じた新聞記事を付け加えようと考えていたが、まともに取り上げたのは、下記以外には一部の独立系メディアだけだった。当日は、在阪マスコミ各社も、会場の演壇の前に陣取って取材していたはずだ。それが、どこもかしこも沈黙か、申し訳程度の囲み記事だけとは。「民主主義」も「言論の自由」も、この国では、もはや単なる「飾り」にしか過ぎないのか。
住民投票で「反対」を 大阪市なくすな 党派超え 市民・団体・政党が集会・パレード(5月11日付「しんぶん赤旗」)
「愛する大阪市をなくしたらあかん」「『オール大阪』の共同の力で橋下・維新の野望を打ち砕こう」―大阪市廃止・解体の是非を問う住民投票(17日投票)が迫る中、大阪市内で10日、党派や立場の違いを超えた合同演説や市民大集会が開かれました。
「大阪市も24区もなくすな! 特別区設置の住民投票で『反対』を」と、大阪市北区の扇町公園で10日、市民大集会が開かれ5000人が西梅田公園までパレードしました。
「民意の声」と「大阪市がなくなるで! えらいこっちゃの会」などが参加する実行委員会が開催しました。
パレードではカラフルな宣伝物や各団体・労組の旗やのぼりに交じり、自民、民主、共産など各党ののぼりが順番にはためき、党派や信条を超えて「大阪市をなくすな」とアピールしました。
集会では、大阪市商店会総連盟の角正基理事長、大阪市地域振興会の北尾一会長、竹山修身堺市長、日本商工連盟大阪地区の小池俊二代表世話人、市議会の自民、民主系、共産の各幹事長、公明元府議らがあいさつ。日本共産党の山下芳生書記局長、穀田恵二、宮本岳志、清水忠史各衆院議員ら各党の衆参国会議員がかけつけました。日本共産党の山中智子幹事長が「中小企業・商店の営業、庶民のくらし、福祉向上のために、政令市として力を使って新しい大阪をつくりだす5・17にいたしましょう」と決意を述べました。
「大阪都構想反対」一色の自民党大阪市議団HP
今度は自民党系の都構想反対集会に行って来ました。
その前に、そもそも、共産党支持の私が、なぜ自民党の集会にも参加する気になったのか?それをまず説明します。
確かに、都構想には自民党も共産党も反対しています。但し、その他の憲法改正や原発問題、沖縄の基地問題、「残業代ゼロ法案」の問題については、両党の主張は正反対です。橋下市長への評価についても、彼を最初に大阪府知事にしたのは自民党でした。
だから私は、自民党が橋下と袂(たもと)を分かった時も、最初は世論の手前、「渋々、不支持に回るようになったのだろう」ぐらいにしか思っていませんでした。
しかし、この間、反橋下・都構想反対の立場から各党のHPを観ているうちに、少なくとも大阪の自民党は、本気で橋下のやり方に怒っている事が徐々に分かってきました。何しろ、共産党系の集会にも出席して「橋下打倒で共に頑張ろう」と言ったり、最近では共産党系や一般市民団体のデモ行進にも、自民党の幟(のぼり)を立てて大挙参加するまでになっているのですから。
なぜ、大阪の自民党の中で、そのような変化が生まれてきたのか?それは、4月28日の共産党系の集会の中で、自民党参院議員の柳本卓治氏が述べた「共産党の先生方が人間愛の上に立って政治をし、家庭の幸せを照準に日常活動を続けておられることに敬意を表しています」という挨拶(あいさつ)の中に、その鍵があるのではないかと思います(参考記事)。
つまり、「格差社会」や「ブラック企業」を批判する際に、共産党は労働者の立場で批判するのに対して、こういう柳本さんのような自民党の政治家や保守的な人たちは、それを「家族」という立場で観ているのです。「家族」という立場で政治・社会を観ると、どうしても考え方が保守的になって来ますよね。「家族を守る為には、会社や上司の言う事も聞かなければならない。たとえ、それが少々、理不尽な命令であっても」と言うように。共産党の政治家や私のように、「労働環境を良くする為に、いざとなれば会社とも闘う」という考え方とは、相容れない部分も出てきます。
しかし、その一方で、過労死が蔓延(まんえん)するほど、ブラック企業の搾取が労働者の人権・生命だけでなく家族の安定までも奪うようになると、今まで「会社あっての物種」と言っていて、組合運動にはむしろ背を向けていたような人たちも、家族を守る為には闘いに立ち上がるざるを得なくなる。
都構想の問題もそれと同じではないでしょうか。最初は「大阪を改革してくれる、公務員や組合の横暴を規制してくれる」と思って支持した橋下が、次第に自分たちの言う事も聞かなくなり、組合の横暴だけでなく議会のルールや住民福祉まで壊し始めた。もうこのままでは、市民の暮らしや家族の幸福すらも、橋下に踏みにじられてしまう。そういう思いで、共産党系の集会やデモにも参加するようになったのではないでしょうか。
「それを一度、自分の目でも確かめてみよう」と。そういう気持ちで、自民党系の集会にも参加してみる気になりました。実は今までも、仕事帰りなどで、自民党の街頭演説などに遭遇して、そのような変化を肌で感じてはいました。しかし、いずれも、たまたま遭遇しただけだったので、最後の15分間の演説ぐらいしか聞く事が出来ませんでした。だったら一度ぐらいは、最初から最後まで通しで聞いてみない事には、集会の良し悪しなんて分からないのではないか、と。
もちろん不安はありました。私が自民党の集会なんて参加するのは、生まれて初めてです。こと都構想に関しては自民党も反対ですが、その他の憲法改正などの問題では、自民党は共産党とは、ことごとく対立しています。まさかとは思うけど、日の丸が林立し軍歌が流れ、「在日朝鮮人を海へ叩き込め~!」みたいな右翼的でアナクロな集会wだったら、会場でもらったビラをその場で叩きつけて帰ってやろう。そんな「期待半分、怖い物見たさ半分w」ぐらいの気持ちで参加しました。
右端に3人並んでいるのが自民・共産の市議や元市議、その左の、自民党や民主党の宣伝カーの前で立っているのが、自民党・民主党・公明党の現・元市議や府議。演説はこちらの現・元議員が中心でした。
会場で配られたビラの一部。右が自民党市議団機関紙「自由市民」、左が民主党機関紙「プレス民主」の号外。
私が行ったのは、昨日5月9日土曜日の夕方17時から約1時間、南港ポートタウン西の駅前広場で行われた集会でした。開始時間の17時には、既に数え切れない程のオッちゃん、オバちゃんが集まっていました。優に100人はいたのではないでしょうか。そのほとんどが初老の人たちでした。応援弁士の議員の人たちともなごやかに会話をかわしたりしていたので、多分、議員の後援会つながりで集まったのだろうと思います。幸い、「日の丸」や「軍歌」はどこにもありませんでしたw。
それどころか、自民党系の「大阪市の廃止・分割を考える会」が主催した集会であるにもかかわらず、自民党だけでなく、民主党・公明党・共産党の議員さんたちも、応援弁士や来賓(らいひん)として加わっていました。応援弁士の議員・元議員の後ろに止まっている宣伝カーも、右端の、頭上に赤枠で「自民党」と大書された車は自民党のものですが、その左横の、「We Say NO!」の手の平の絵が入ったポスターが張られた車は民主党の宣伝カーです。そして、写真には写っていませんが、その左には、公明党の宣伝カーも横付けされていました。公明党の宣伝カーにも「We Say NO!」のポスターが張られていました。
会場でもらった政党機関紙号外のビラも、自民党大阪市議団の「自民市民」だけでなく、民主党機関紙「プレス民主」もありました。そのいずれにも、「大阪都構想は百害あって一利なし!」「大阪市が廃止・分割されて、財源は全部、大阪府に吸い上げられて、大阪が寂れ、住民サービスが悪くなるだけ」と書かれていました。
もう後は、これ以上ダラダラ書いても仕方がないので、演説をされた議員さんの発言要旨を、下に箇条書きにしておきます。
●住之江区の元区長さん(氏名失念)
WTCなどのバブル時代の「負の遺産」はもう過去の話。その失敗を教訓に、大阪市では平成17年から、関淳一や平松邦夫などの歴代市長が市政改革に取り組んで来て、今や財政赤字も大幅に減少している。
水道料金も府下の自治体で2番目に安い。阪南市のほぼ半額だ。だから、市外から市内に越してきた方が、皆一様に水道料金の安さに驚かれる。水道の品質も大幅に向上し、せっかく「ほんまや」のブランドで販売できるまでになったのに、それを橋下市長がねたんで潰してしまった。地下鉄も黒字だ。なぜ、その黒字の地下鉄を民間に叩き売られなければならないのか。
「実質公債費比率」という指標がある。自治体財政に占める借金の割合を示したもので、いわば家計で言えば住宅や自動車のローンに当るものだ。そのローン代の割合も大阪市はわずか9%台に抑えている。他の京都市(13%台)や神戸市(10%台)よりもはるかに健全だ。(ここの説明については、よく分からなかったので、数値については、後で家へ帰ってから自分で調べてみました)
●半田実さん(民主党府議)
いくら「住民サービスは切り捨てない」なんて言われても、無くなる大阪市の市長の言う事なぞ誰が信用できるか。橋下市長は「市営交通の敬老パスも無くさない」と未だに言っているが、大阪市を無くしてしまって、その予算を一体誰が組むのか。バラバラにされた特別区には、もちろん組めない。
橋下市長は何かにつけて東京を例に挙げるが、大阪は東京とは全然違う。東京都は23区に都の人口の7割が集中しているので、たとえ東京都になっても区部の意見が都議会に反映されるが、大阪市内の人口は府全体の3割しかない。たった3割の意見を大阪府が今まで通り聞くと思うか。
平成24年度の大阪市の決算を、大阪市廃止後に出来る特別区ごとに集計した表を作ってきたので見て欲しい。それによると、ここの湾岸区が一番予算額が少ない(下表の赤枠部分参照)。しかし、津波などの防災には湾岸区が一番金がかかるのだ。橋下市長は「財政のバラツキについては、不足額を府から補填(ほてん)したり特別区同士で調整するなどして解消する」と言うが、そうなると、防災などの必要な予算を獲得するのにも、いちいち大阪府に頼まなければならなくなる。自主財源がほとんど無くなるのだから。他方で、比較的「豊か」な北区や中央区にとっても、「なぜ湾岸区にばかり金を回さなければならないか」となる(同上、青枠部分参照)。これでは、財源を大阪府に吸い上げられて貧しくなった特別区同士が、大阪府からの金を巡って、分捕り合戦に明け暮れる事にしかならない。
●石原信幸(のぶひさ)さん(公明党市議)
日本には、大阪以外にも19の政令市(政令指定都市)があるが、どこも政令市になって初めて、それに見合う予算や権限が付いた事によって、今まで小学生だけが対象だった医療費無料化も、中学生まで対象に出来るようになったのだ。
それが、大阪市が廃止されて5つの特別区にバラバラにされると、特別区には固定資産税や法人市民税も入らなくなる。市町村の「村」でもそれらを徴収する事が出来るのに。特別区は「村」以下だ。財源は今までの4分の1に減らされ、残りは大阪府に全部吸い上げられる。これでは、いくら選挙で特別区の区長や区議会を選べるようになっても、「無用の長物」にしかならない。後で財源調整すると言っても、その財源も示されていないではないか。これでは、保育料や市営住宅の家賃も、早晩、大幅に値上げされる事は確実だ。
●岸本栄さん(公明党市議)
財源が削られる中で、何とか今までの住民サービスを維持しようとすると、他のサービスを削るしかなくなる。子どもの医療費無料化を維持する為には、老人の市営交通敬老パスを廃止する以外になくなる。そんな事ばかりしていると、住民同士のいがみ合いが増々激しくなるだけだ。実際、橋下が府知事や市長になってから、こんな事ばかりになってしまった。今度の住民投票で特別区設置(大阪市の廃止・分割)案が否決されたら、橋下は市長を辞めると言っている。是非とも辞めていただこうではないか。
●高野伸生(たかの・のぶお)さん(自民党市議)
事務所にいたら橋下市長から直接電話がかかって来た。最初は何事かと思って電話を取ったが、よく聞けば自動音声で都構想の宣伝を流しているだけだった。橋下・維新はこんな事にお金をかけている。維新の広報紙が市内全域に配布されているが、そこにはディズニーランドみたいな夢物語が描かれているだけだ。実際には大阪市がバラバラにされ財源が削られるだけなのに。
橋下市長は「反対派は不安を煽るだけだ」と言うが、我々は「おかしい事はおかしい」と、一つ一つ事実を挙げて説明しているだけだ。その疑問に何ら答えず、ありもしない夢物語で有権者を煙に巻こうとしている橋下の方こそ、よっぽど詐欺師ではないか。こんな詐欺師の催眠術に騙されてはいけない。
西成区民ホール・区役所前の維新の宣伝隊
以上、自民党や民主党、公明党の議員さんの言っておられる事は至極尤(しごくもっと)もなのですが、そこで気になったのが、冒頭でも書いたように、参加者が50歳代以上の初老の人たちが大半だった事です。会場が高齢化が進む南港ポートタウンで、しかも議員後援会つながりの集会だったので、余計そう感じたのかも知れませんが。
これは共産党系の決起集会にも言える事ですが、聴衆が中高年の人ばかりで、若者や30~40歳代の中高年の人はほとんど見かけられません。それでも、共産党系のイベントには、以前ブログでも取り上げた「ロフトプラスワン・ウエスト」や「若者憲法集会」の取り組みでも紹介したように、若者の参加もちらほら見かけられるようになったのに、自民党系の集会にはその兆しすらありません。
ポートタウンの集会が終わって、家路を急ぐ中で、途中、西成区民センターの前で、維新のタウンミーティング(住民説明会)宣伝隊と遭遇しましたが、維新の運動員には、若者も大勢混じっていました。あちらは、むしろ若者や30~40歳代の壮年層が中心で、初老の人たちはほとんどいなかったように思います。
これは一体何を意味するか。橋下の言う「反対派はただ既得権益を守りたいだけだ」という宣伝が、若者や壮年層を中心に、一定浸透しているからではないか。もちろん、これらの若者や壮年層の全てが橋下・維新になびいている訳ではありません。私の勤めているようなワーキングプアの「ド底辺企業」には、橋下の事を「物言いが偉そうだ」「しょせんは富裕層や金持ちの事しか考えていない」と、嫌っている人間も決して少なくはありません。でも、それらのワーキングプアの人たちは、日々の生活を維持するだけで精一杯で、とても投票に行ったり運動に参加したりするような余裕はありません。日曜日も仕事だし、普段投票に行かないので、期日前投票の制度がある事も知らないし、たとえ知ったとしても、遠くの投票会場まで行く時間や金もない。
その中で、ワーキングプアよりも少し恵まれた中流下層の人たち、投票にも行けて運動にも参加出来る余裕のある人たちが、「橋下さんなら何とかしてくれるだろう」と、橋下や維新のような政治家になびいて行っているのではないか。
私に言わせれば、橋下・維新なんて、「お役所利権がカジノ利権にすり替わっただけ」「今までの田中角栄や小沢一郎みたいなゼネコン族議員に代わって、ホリエモンやワタミみたいな民営化・競争至上主義の成り金出身の政治家が猛威を振るうようになっただけ」でしかないのですが。
確かに、自民党の都構想批判ビラの出来栄えは素晴らしいし、共産党だけでなく自民党も橋下や維新のデタラメさに気が付く様になったのは良い事ですが、そこにばかりあぐらをかいて油断していたら、足元をすくわれる結果になるのではないでしょうか。今度の住民投票は、今まで選挙や投票には行かなかった若者や壮年層の票を、いかに多く獲得できるかが、勝敗の分かれ道になると思います。