3月6日に、浅野史郎氏が東京都知事選への出馬表明と選挙公約の発表を正式に行った事で、「反石原」有力3候補の公約が全て出揃いました(浅野候補の改訂版公約を後日追記)。
・出馬表明にあたって(浅野史郎・夢らいん)
http://www.asanoshiro.org/page2.htm#p2
・マニフェスト改訂版(同上)
http://www.asanoshiro.org/manifesto.htm
・都知事選マニフェスト(黒川紀章HP)
http://www.kisho.co.jp/page.php/353
・吉田万三の「都政改革プラン」 3つの転換と6つの重点政策(吉田万三HP)
http://www.manzo-y.jp/pledge/070214_plan.htm#to-3
上記3候補の公約を一通り読ませてもらいましたが、最も具体的に「○○を実施する・復活する・中止する」という形で公約を明記しているのは、やっぱり吉田候補でした。子ども・妊産婦医療費の無料化、30人学級の実現、都立小児病院の廃止中止、労政事務所の復活、築地市場の豊洲移転中止、オリンピック誘致の白紙撤回、等々という形で。
そして何よりもまず、日本国憲法や「子どもの権利条約」の理念実現の立場から今の石原都政を断罪し、「日の丸・君が代の強制を止めさせる」とはっきり明言しているのも吉田候補だけでした。他の2候補については、石原都政のあれこれの問題点(側近政治・ワンマン・秘密主義・弱者蔑視など)については批判しますが、憲法理念との対比で石原政治を根本から批判する(ワーキングプア・母子家庭・高齢者・障害者などの生活権・生存権をどう守るか)という見地には立っておらず、個別の問題点の羅列だけで終わっているという感じがします。
とりわけ浅野候補の公約にそれを強く感じます。確かに支持層の意向を反映して、石原都政による「差別発言、都政の私物化、公私混同、側近政治、恐怖政治のような教育現場」に対する「もうたくさんという悲鳴にも似た声」に促されて云々という事を出馬理由の所で挙げていますが、「ではどうするのか」という事で政見を読むと、具体的な事が殆ど何も書かれていません。やれ「全国の先頭に立つ、プランを作成する、施策を整備する、参加を促進する、東京から発信する」だのと、やたら抽象的な表現ばかりが目立つだけで。これではまだ黒川候補の方が、幾分かでも具体的な政策が書かれている分だけ、まだマシです。但し、黒川氏は元石原応援団だけあって、その内容はいうと、新銀行や都庁舎などの民間売却推進や、米国・中国との経済交流重視といった、新自由主義・グローバリズム的色彩の濃いものですが。
それでも浅野候補が、マスコミが事実上肩入れしている事もあって、実際には政策の具体性が最も乏しいにも関わらず、「反石原」の気分を最も代弁する形になってしまっている事は否めません。二大政党制に対する幻想が広く行き渡っているのに加え、首都メガロポリスの首長選挙特有の政治力学も働いて、競馬で言えば「ダービーや有馬記念の時のファン心理」にも準えるような状況(有力馬乱立、大多数の一見さん的無党派層の存在、具体的な政策対立よりも風・人気・勢いに流れる傾向、等々)が、残念ながらそこにはあります。
私は吉田候補に一番勝って欲しいと思っていますが、若し吉田候補がダメでも、「石原が当選するぐらいなら浅野が当選する方がまだマシ」という気持ちも一方ではあります。但しその場合でも条件があります。「教育現場での日の丸・君が代強制を止める」、端的に言えば「10.23都教委通達の白紙撤回」を具体的に表明した場合に限ります。この新自由主義の候補者に「期待」出来るのは、その一点だけしかありません。
「アジアとの連帯・共生」だの「多文化都市」だのという抽象的な能書きは要りません。「日の丸・君が代の強制を止めるのか、止めないのか」、この事をきちんと明言しそして実行に移すかどうか<のみ>を注視しています。そうでなければ、いくら仮に浅野候補が当選したとしても「"隠れ石原"の当選」で終わってしまい、全然「次善の策」にも「緊急避難」にもなりませんから。
最後に、上記「反石原」3候補に追われる側の、「超失言・差別発言メタボ」の「日本のボカサ」石原の公約にも、物のついでにリンクを張っておきます。
はっきり言って、「俺は今までこんな事もやってきたんだ、どうだ凄いだろ~」という自慢話のオンパレードです。「宣戦布告」(HPタイトル)とか「陸海空3軍」(東京ビッグレスキュー関連)とか、「現代の子供達の痩せ細った脳幹のトレーニング」の為に「我慢することの重要さを学びとってもら」う(心の東京革命)とか、もう概要からして仰々しい表現が随所に見られ、「名は体を表す」の喩えを地で逝っている感じがしますが、昨今ではそれがどうやら逆に全て裏目に出てきつつある様でw。
http://www.sensenfukoku.net/policy/policym.html
・出馬表明にあたって(浅野史郎・夢らいん)
http://www.asanoshiro.org/page2.htm#p2
・マニフェスト改訂版(同上)
http://www.asanoshiro.org/manifesto.htm
・都知事選マニフェスト(黒川紀章HP)
http://www.kisho.co.jp/page.php/353
・吉田万三の「都政改革プラン」 3つの転換と6つの重点政策(吉田万三HP)
http://www.manzo-y.jp/pledge/070214_plan.htm#to-3
上記3候補の公約を一通り読ませてもらいましたが、最も具体的に「○○を実施する・復活する・中止する」という形で公約を明記しているのは、やっぱり吉田候補でした。子ども・妊産婦医療費の無料化、30人学級の実現、都立小児病院の廃止中止、労政事務所の復活、築地市場の豊洲移転中止、オリンピック誘致の白紙撤回、等々という形で。
そして何よりもまず、日本国憲法や「子どもの権利条約」の理念実現の立場から今の石原都政を断罪し、「日の丸・君が代の強制を止めさせる」とはっきり明言しているのも吉田候補だけでした。他の2候補については、石原都政のあれこれの問題点(側近政治・ワンマン・秘密主義・弱者蔑視など)については批判しますが、憲法理念との対比で石原政治を根本から批判する(ワーキングプア・母子家庭・高齢者・障害者などの生活権・生存権をどう守るか)という見地には立っておらず、個別の問題点の羅列だけで終わっているという感じがします。
とりわけ浅野候補の公約にそれを強く感じます。確かに支持層の意向を反映して、石原都政による「差別発言、都政の私物化、公私混同、側近政治、恐怖政治のような教育現場」に対する「もうたくさんという悲鳴にも似た声」に促されて云々という事を出馬理由の所で挙げていますが、「ではどうするのか」という事で政見を読むと、具体的な事が殆ど何も書かれていません。やれ「全国の先頭に立つ、プランを作成する、施策を整備する、参加を促進する、東京から発信する」だのと、やたら抽象的な表現ばかりが目立つだけで。これではまだ黒川候補の方が、幾分かでも具体的な政策が書かれている分だけ、まだマシです。但し、黒川氏は元石原応援団だけあって、その内容はいうと、新銀行や都庁舎などの民間売却推進や、米国・中国との経済交流重視といった、新自由主義・グローバリズム的色彩の濃いものですが。
それでも浅野候補が、マスコミが事実上肩入れしている事もあって、実際には政策の具体性が最も乏しいにも関わらず、「反石原」の気分を最も代弁する形になってしまっている事は否めません。二大政党制に対する幻想が広く行き渡っているのに加え、首都メガロポリスの首長選挙特有の政治力学も働いて、競馬で言えば「ダービーや有馬記念の時のファン心理」にも準えるような状況(有力馬乱立、大多数の一見さん的無党派層の存在、具体的な政策対立よりも風・人気・勢いに流れる傾向、等々)が、残念ながらそこにはあります。
私は吉田候補に一番勝って欲しいと思っていますが、若し吉田候補がダメでも、「石原が当選するぐらいなら浅野が当選する方がまだマシ」という気持ちも一方ではあります。但しその場合でも条件があります。「教育現場での日の丸・君が代強制を止める」、端的に言えば「10.23都教委通達の白紙撤回」を具体的に表明した場合に限ります。この新自由主義の候補者に「期待」出来るのは、その一点だけしかありません。
「アジアとの連帯・共生」だの「多文化都市」だのという抽象的な能書きは要りません。「日の丸・君が代の強制を止めるのか、止めないのか」、この事をきちんと明言しそして実行に移すかどうか<のみ>を注視しています。そうでなければ、いくら仮に浅野候補が当選したとしても「"隠れ石原"の当選」で終わってしまい、全然「次善の策」にも「緊急避難」にもなりませんから。
最後に、上記「反石原」3候補に追われる側の、「超失言・差別発言メタボ」の「日本のボカサ」石原の公約にも、物のついでにリンクを張っておきます。
はっきり言って、「俺は今までこんな事もやってきたんだ、どうだ凄いだろ~」という自慢話のオンパレードです。「宣戦布告」(HPタイトル)とか「陸海空3軍」(東京ビッグレスキュー関連)とか、「現代の子供達の痩せ細った脳幹のトレーニング」の為に「我慢することの重要さを学びとってもら」う(心の東京革命)とか、もう概要からして仰々しい表現が随所に見られ、「名は体を表す」の喩えを地で逝っている感じがしますが、昨今ではそれがどうやら逆に全て裏目に出てきつつある様でw。
http://www.sensenfukoku.net/policy/policym.html
浅野氏は未だマニフェストは完成させていないようですよ。ですから、あの公約は飽くまで「アウトライン」的なものだと思われます。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-03-07/2007030701_02_0.html
上記新聞記事より
>浅野氏は「石原都政にストップをかける」などとした出馬の理由を読みあげました。しかし、記者団から、石原都政のどこを継承するのかと問われ、「基本的にはだいたい継承すべきだ」「ほとんどは続けていくべきもの」と、石原都政の継続を強調し、「がらっと変えたらけがしますから」とのべました。<
>石原都政について「一期目はよかった。私も期待していた。石原という政治家の目標とリーダーシップとか。輝かしい業績をあげてきた」と評価したうえで、「もう四年やるというのはやめてください」と語りました。<
>浅野氏は発表した緊急提言に盛り込んだオリンピック招致計画の見直しについて「白紙撤回なのか」と聞かれ、「いったん止まって考える。その結果、どっちの方向へいくのか、やっぱりこのままでいいということもあり得るし、やめようかなということもあり得る」とのべました。<
マスコミ・一部市民団体から「反石原の寵児」扱いされ、ネット世論調査でも石原を抜いてトップに躍り出たといわれる浅野史郎候補ですが、上記新聞記事を読むと、氏の表向きの「反石原」とはまた違う姿が浮かび上がってきます。
「石原都政も一期目は良かった」だの「五輪招致もあり得る」だの、もう「えっ?」という感じで。石原の極右反動ぶりは都知事になる前から自明の話で。一期目も二期目もないだろうに。若しこの言動が本当なら、もう「二枚舌」というか、余りにも有権者をバカにした言動ではないでしょうか。
東京での直近の国政選挙の基礎票で比較すると、全野党が束になってかかっても与党票(自民・公明)の合計には少し及びません。そういう意味では、「反石原」票が浅野・吉田の2陣営に分裂している状況では、石原打倒は困難でしょう。確かに、統一出来ればそれに越した事はありません。しかし、ニュースソースが「赤旗」という事を割り引いても、当の浅野候補がこの体たらくでは、とても支持しようという気にはなれませんね。糸数慶子とはではいかなくても、せめて田中康夫ほどの「けじめ」ぐらいは無いと、候補者自身の誠意・本気度が疑われます。
これでは仮に当選したとしても、どう贔屓目に見ても「青島幸男」レベルか、もっと少し落ちて「横山ノック」レベル(オール与党批判は初めだけで、やがて自民党府政に変質)の都政にしかならないのでは。下手すれば「反自民なら小沢一郎や西村真悟でも良いのか」という事にもなりまねませんし、当然石原陣営もその点は突いてきます。