アフガン・イラク・北朝鮮と日本

黙って野垂れ死ぬな やられたらやり返せ 万国のプレカリアート団結せよ!

古くからのブログ友達がやって来た。

2020年01月04日 19時33分00秒 | 当ブログと私の生い立ち

 

1月2日の夜にブログ友達が私の住む西成のホテルにやって来ました。その方は私の古くからのブログ仲間です。私のブログがまだ掲示板だった頃からの付き合いです。今はある大都市の派遣会社で人事・総務の仕事をしておられます。その一方で、立憲民主党のサポーターもやられている方です。

その方から「久しぶりに会いたい」と連絡があり、ホテルのロビーで落ち合う事にしました。当初はどこか近くの居酒屋で二人で飲むつもりでしたが、正月で閉まっていたり、開いていても先客で一杯だったりしたので、もう諦めて、コンビニで買ったアテを酒の肴に、ホテルのロビーで飲む事にしました。

その方とは久しぶりに会えて会話が弾みました。その会話の中から、ひときわ盛り上がった話題について二つ、ここで紹介したいと思います。一つは「ソフト闇金」、もう一つは「立憲パートナーズ」の話題です。

その方は派遣会社に勤めているので、派遣業界の裏事情にも精通しています。会社の守秘義務があるので、その全てを公開する事は出来ませんが、もし「派遣社員あるある」というタイトルで本を出版出来たら、「ベストセラーになる事間違い無しなのだがなあw」と言って笑っていました。

その「派遣社員あるある」の中でも、私が特に興味を引いたのが「ソフト闇金」の話題です。派遣社員の中にはサラ金に手を出す人も多いのですが、最近ではサラ金の審査も厳しくなり、簡単に金を貸してくれなくなりました。その為、闇金に手を出す人も増えて来ました。それに対し、闇金の方でも、ソフトイメージで顧客を囲い込む為に、敢えて「ソフト闇金」を名乗ってホームページを公開する業者も出てきたのだそうです。

私は最初、その話を聞いて、にわかには信じられませんでした。幾ら「ソフト」でも所詮は闇金。そんな闇金のホームページを見て融資を申し込む派遣社員なんているのだろうか?そこで、その方から教えられた通り「ソフト闇金」でネット検索してみました。すると、次から次へと闇金のホームページが出て来ました。

でも、そこはやはり闇金。幾らソフトイメージを演出しても、違法金利である事には変わりありません。何せ、1万円融資を申し込んでも、週に(!)2~3割の利息と3千円の手数料を先に引っこ抜かれ、客が実際にもらえるのは、たった4〜5千円なのですから。

1万円の融資を申し込んでも、実際に客が手にする事が出来るのはその約半額。それなのに1万円分の利息を払わなければならない。その利息も「週に2割」「2週間に3割」の違法な高金利。月利では6〜8割、年利では720〜960%にもなる暴利です。何と借金が1年間で7.2~9.6倍にも膨れ上がる計算になります。もう「トイチ」どころの騒ぎではありません。その上、利息よりも高い手数料を別に先に払わなければならないのです。(上記の利息計算表=右上の写真参照)

こんな借金、返せる訳ないじゃないですか。まともな人なら、こんな所で金を借りようとは思いません。しかし、派遣社員の中には、その程度の計算も出来ない人が少なくないので、ソフトイメージや「甘い審査」の口車に乗せられ、ソフト闇金に手を出す人が後を絶たないのだそうです。

その方の派遣会社にも、ソフト闇金業者から取り立ての電話が掛かって来ます。幾らソフトイメージを装っても、取り立てる時は「ハードな闇金」と何ら変わりません。「おいコラ!金返さんかいワレ!今からそっちに取り立てに行くぞコラ!」…そんな電話に対し、その方も答えます。「じゃあ、どうぞこちらに来て下さい。しかし、貴方がたは元々、金融登録もせず、違法な暴利で営業なさっているので、こちらが借金を返済しなければならない義務はありません。来てもお引き取り願うだけです。それでもお引き取り願わなければ、強要罪や不退去罪で警察を呼ぶ事になります。それでも宜しいでしょうか?」と。そうすれば、大抵の闇金は黙りこくってしまうそうです。実際に会社に取り立てに来た事は一度もありませんでした。

そして、借金した派遣社員にも自己破産を勧めるそうです。そして弁護士事務所に連れて行くそうです。しかし、幾ら自社の派遣社員が仕出かした不始末とは言え、あくまでも個人の借金なのに、何故、会社がそこまで面倒を見なければならないのか?それは、派遣社員の借金をそのままにしていると、会社の金を横領したり、顧客の個人情報を名簿屋に売ったりしかねないからです。そうなると、もう会社の信用問題に関わります。だから、そうなる前に、派遣社員と一緒に弁護士事務所に付き添ったり、サラ金の利息を立て替え払いしなければならないのです。その上で、その派遣社員をクビにして、立て替え払いした金があれば、それを社員に請求する事になります。

しかし、貸金業者もピンキリなら弁護士事務所もピンキリです。弁護士事務所の中には、法律事務所を名乗っていながら、受付や業者対応は司法書士資格も持たないパートのオバちゃんに丸投げして、最後の報酬支払いの時にやっと弁護士が出てくる所もあるそうです。

もちろん、一番悪いのは、利息の計算も出来ないのに、安易に闇金に金を借りる派遣社員です。でも、その派遣社員も、普通に働いたら誰でもまともに暮らせるだけの給料さえもらっていたら、闇金やサラ金に借金なぞしなくても済むのです。いい加減な法律事務所のカモにされなくても済むのです。しかし、給料の大半が家賃や光熱費、日々の食費に消えていき、税金や社会保険料も滞納しなければならなくなったら、今の日本では、もう闇金やサラ金にでもすがるしかないじゃないですか。生活保護も今は審査が厳しくなっていますから。

 

続いて話は立憲パートナーズの話題に及びます。「立憲パートナーズ」とは立憲民主党の支持者の集まりです。立憲民主党の党員として議決権を行使出来るのは国会議員だけなので、一般の支持者で党を応援したい人は「立憲パートナーズ」という組織に入って、そこでポスター貼りやビラ配り、選挙応援等の活動に参加する事になります。

しかし、実際は党から方針がなかなか降りて来ず、何やって良いのやらサッパリ分からないのだそうです。そして、サポーターの間には、党員や幹部に対する不満が渦巻いているのだとか。

一例を挙げると、サポーターの間では「消費税は5%に戻せ」という人が大半で、それを前面に掲げた山本太郎の「れいわ新撰組」に親近感を覚える人も少なくありません。しかし、立憲民主党の公約はあくまでも「消費税は8%に戻せ」です。それは国民民主党も同じで、「安倍政権の消費税10%は論外だが、消費税の税収減少で社会保障予算が削減されても困る」という人が、党員・幹部や支持者の中には少なくありません。それに、国民民主党の母体である民主党が、野田政権の時に自民党・公明党と、「将来は消費税を10%にする」三党合意を結んでしまった事もあるでしょう。

私は、毎日買う弁当すら、消費税が10%になってからは、買える弁当が少なくなってしまったので、「消費税なんて5%どころか全廃しても良い」と思っている口です。幾ら消費税が上がっても、福祉予算には回らず全て法人税減税に消えてしまう事も知っています。そんな私からすれば、「消費税値下げの目標を8%までにするか、5%まで踏み込むか」なんて及び腰の議論に時間を費やしている事自体が、「もはや許されない」「本当に安倍政権を倒す気があるのか?」という事にしかならないです。

しかし、立憲民主党や国民民主党の有力な支持層は、あくまでも大企業正社員や官公庁の労働組合員なので、幾ら反安倍であっても、そこは自ずと限界があるのでしょう。特に国民民主党に至っては、原発大賛成の電力会社の労働組合がバックに控えてますから。

だから、安倍政権には反対で、ホームページには「公平で格差のない社会を目指す」と、似た様な公約を掲げていながら、同じ民主党から別れた立憲民主党と国民民主党との合流すら、なかなか話が進まないのでしょう。

しかし、では立憲民主党が消費税5%への値下げを掲げて選挙を戦っても、それで勝てるかどうかとなると、また別問題です。この党は、国政選挙になれば一千万前後の得票を得る事が出来る野党第一党ですが、裏に回れば「金も組織もない頭でっかちの党」「風頼みの党」でしかないのです。
 
じゃあ反対に、国民民主党が政権を取れるかどうか聞かれると、こちらは立憲民主党以上にお寒い状態です。確かに金や組織はある程度持ってはいますが、肝心の人気が社民党と同レベルか、それ以下では…。(上の写真は立憲民主党、国民民主党のホームページ)
 
  
 
同じ事は「れいわ新撰組」についても言えます。確かに、山本太郎の行く所全て黒山の人だかりで、山本太郎が「消費税は5%に、奨学金はチャラに、自殺者の出ない社会に」と叫ぶ度に、聴衆から拍手や大歓声が飛びます。ブースにはカンパに応じる人の列が並びます。そのカリスマ性たるや、他の野党の比ではありません。しかし、この党も、台所事情は火の車です。カンパの大半は選挙資金に、政党助成金は党事務所の運営費に消え、とても衆院選に百名からの候補を立てられるとは思えません。

そうなると、やはり頼りになるのは、今でも数百万票の固い支持層を持ち、地方議員も多数抱える共産党です。各種の集会でも、実際にある程度の動員力を持っているのは、野党の中では「れいわ新撰組」と共産党だけです。しかし、共産党も、ソ連崩壊以降は、共産主義の悪いイメージがあるからか、党勢はジリ貧です。かつて300万の部数を誇った機関紙の「しんぶん赤旗」も、今や100万部を割り込むまでになってしまいました。党員も高齢化し、人気については、すっかり「れいわ新撰組」にお株を奪われてしまいました。(上の写真は左から順に、れいわ新選組、日本共産党、社民党のホームページ)

要するに、どの野党も「帯に短しタスキに長し」なのです。じゃあ、「野党が全て合流して一つの党になれば良いか?」と言うと、そう言う訳にも行かない。立憲民主党と国民民主党の合流話すら、なかなか前には進まないのですから。だから、これだけ安倍政権がムチャクチャな事をしても、一向に支持率が下がらないのです。国民は決して安倍首相なんか支持してません。まだまだ野党が沖縄のように一丸となって戦う所まで行かずに、内輪もめばかりしているから、仕方なしに自民党を支持するか、政治そのものに愛想をつかして選挙の投票にも行かなくなってしまったのです。

野党で他に残っている主要な党は、「維新の会」と「希望の党」ですが、両党とも実際は安倍応援団の「隠れ与党」に過ぎません。憲法改正にもカジノ誘致にも原発再稼働にも賛成で、「桜を見る会」疑惑追及にも後ろ向き。本当は公明党を押しのけて与党の座に収まりたいのだが、火の粉を被るのは嫌なので今は野党に収まっている…そんな党を野党とはとても見なせないので、ここでは野党には含めませんでした。

その方の住む大都市の中でも、所得水準の比較的高い地域の立憲パートナーズの会合に参加した時の話も聞きました。そこには日本を代表する大企業の本社があります。デフレ不況の日本でも、そこだけはまだ総中流時代の日本の雰囲気が残っています。そういう地域の立憲パートナーズの会合でも、「れいわ新撰組」の「消費税5%」や「奨学金チャラ」の公約に親しみを感じる人が多かったと、その方が仰っていたのが印象に残りました。
 
その後も話は盛り上がり、気が付いたらもう夜10時を回っていました。私は明日も仕事です。その方も、今夜はこのホテルに泊まった後、朝一番に帰らなければなりません。早々にお開きとなりました。

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