自民党政権復活によって、かつて政権を投げ出した安倍晋三が再び首相に返り咲き、アベノミクスなる経済政策を打ち出し、財界・マスコミがそれを盛んに持ち上げています。その関連記事を下記に適当に抽出しました。
そのアベノミクスですが、どこが良いのかさっぱり分かりません。所詮は株価対策や金融緩和、インフレ誘導などの富裕層優遇策で、庶民にとっては寧ろ「賃下げとインフレのダブルパンチ」でしかない。そんな事ぐらい私だけでなく職場のバイト仲間もとっくに分かっています。でも、大企業の正社員や公務員が中心の労組は自分たちの雇用確保しか眼中になく、その為には非正規を見殺しにする事も厭わない。だからこそ、「資本家よりも寧ろ労働組合などの反日勢力こそが敵なんだ」とする在特会などが台頭してきたのでしょう。
そういう意味では、アベノミクスよりも志位・共産党委員長のアピールの方が遥かに共感を呼ぶ内容です。しかし共産党も、単に「非正規を正規雇用に」とか「非正規も正規も共に団結を」と総花的に主張しているだけではダメなんじゃないかと、最近では思い始めています。もっとインパクトのある公約を掲げないとダメなんじゃないかと。
例えば、①貧困層には「誰にも衣食住と職を」、②非正規層には「最低時給千円」、③正規層には「ブラック企業根絶」、④主婦層には「消費税廃止」という様に、誰もが望んでいる事を、層別にもっと具体的な言葉で端的に、それも「××を守れ」ではなく「××を勝ち取る」と攻めの姿勢で、語らなければならないのではないでしょうか。
●首相「好業績企業は報酬増を」 経済界トップに要請(共同通信)
安倍首相は12日、官邸で開いた経団連の米倉会長ら経済3団体のトップとの意見交換会で「業績が改善している企業は報酬の引き上げなどの取り組みをして頂きたい」と述べ、労働者の賃金引き上げへの協力を求めた。
13年春闘では連合が給与総額などの引き上げを求めているが、経営側は慎重姿勢。首相は賃上げへの協力を経済界に直接要請し、金融緩和などを進める安倍政権の経済政策「アベノミクス」の成果を暮らしに波及させる狙いがある。
米倉会長は意見交換会の終了後、記者団に「業績が良くなれば一時金や賞与に反映される」と述べ、基本的な給与の引き上げは景気状況次第との認識を示した。
http://www.47news.jp/CN/201302/CN2013021201001823.html
●障害者支援4億円消えた 景気優先で冷遇(東京新聞)
文部科学省が、障害者の大学教育支援のために要望していた予算四億四千万円が、二○一三年度予算案から削除された。この予算は民主党政権時の昨年九月、同省が概算要求。政権交代後のことし一月にやりなおした概算要求でも同額を求めていたが、財務省に認められなかった。安倍政権は景気対策を最重視、一二年度補正予算案と一三年度予算で計約七兆七千億円を公共事業に充てているが、経済浮揚にあまり結びつかない障害者施策には熱心さが足りないことが浮き彫りになった。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013022102000143.html
●ガソリン・灯油高騰で「油泥棒」横行!タンク付き車で大量抜き取り―北海道(J-CASTニュース)
「円安、円安で、ホントにいいのかな」と司会のみのもんたが目隠しをめくると、ガソリンが11週連続、灯油が12週連続の値上がりとある。北海道では灯油泥棒が横行という。アベノミクスの当然の帰結だが、「株が上がっても、私らには関係ない」と東日本大震災の仮設住宅の住民が嘆いていた。
http://www.j-cast.com/tv/2013/02/21166228.html
●賃上げと安定した雇用の拡大で暮らしと経済を立て直そう 志位委員長が記者会見 共産党が「働くみなさんへのアピール」(しんぶん赤旗)
志位氏は、賃下げが続き雇用不安が広がり続ける日本社会の現状が世界の流れからみていかに異常かを紹介。賃金が連続的に減り続け、最低賃金が最低水準で、非正規雇用の割合が異常に高いなど、世界の流れからみて二重三重に異常だと指摘し、労働者の生活実態からみても賃上げは当然の要求だと述べました。
賃下げと非正規雇用の拡大はデフレ不況の悪循環の元凶となっていると述べ、働く人の「使い捨て」は産業の競争力さえも脅かしていると批判。大企業がため込んでいる内部留保の多くは有価証券など換金可能な資産の形で保有されており、その1%程度で大きな賃上げを実施できることを表(別掲)で具体的に示して、賃上げと雇用の安定がデフレ不況打開の一番のカギだと述べました。
企業の経営者には、目先の利益や株主への配当だけでなく、「日本経済の成長の中で業績の回復をはかる」視点が必要ではないかと提起しました。
志位氏は、政府が「企業まかせ」にせず、「インフレターゲット(物価上昇目標)」ではなく「賃上げターゲット(目標)」をもち、それを実現する政策を実行するときだと主張。▽賃下げなど財界の間違った行動をただす▽違法・脱法の退職強要・解雇・雇い止めを根絶する▽賃上げを促進する政策をすすめる―ことを提言しました。
そして、日本経済後退と所得減少の根底には国民の暮らしを守るルールがないか、あっても弱いという問題があるとして、人間らしい暮らしと働き方を保障する「ルールある経済社会」への転換が日本経済を土台から強くする道だと強調しました。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2013-02-15/2013021501_01_1.html
●「賃上げ」騒ぎはデフレ脱却にはつながらない(Yahoo!ニュース 前屋 毅)
2月5日、安倍首相は経済財政諮問会議の場で、「業績が改善している企業には、賃金の引き上げを通じて所得の増加につながるよう協力をお願いしていく」と述べて、賃金引き上げを求めた。これに応えるように2月7日、政府の経済成長戦略を策定する産業競争力会議のメンバーでもある新浪剛史が社長を務めるローソンは、「デフレ脱却を目指して!」と銘打って、消費意欲の高い世代(20代後半~40代)の社員の年収を平均3%アップすると発表した。
ローソンでは「新浪社長のもともとの持論に基づく」として安倍首相の要請に応えたわけではないと説明するものの、絶妙すぎるタイミングで、「出来レース」と受け取られても仕方ないだろう。さらに2月8日の衆議院予算委員会で、ローソンの例をあげて「3ヶ月前に考えられたか。われわれの政策が経済を変えていく」と安倍首相が胸をはってみせたのだから、シナリオ臭くなる。
問題なのは、ローソンの「賃上げ」が正社員だけを対象にしているということだ。正社員とアルバイトなど非正規雇用者とを合わせると、ローソングループでは約20万人が働いている。しかし今回の「賃上げ」の対象となるのは、約3300人の正社員だけである。約18万5000人の非正規雇用者は対象外なのだ。
賃金を上げることで消費を活発化させてデフレ脱却につなげるには、3000人の社員を対象にするより18万人の非正規雇用者を対象にするほうが効果が大きいことは誰が考えてもわかる。そこを無視して、「デフレ脱却のための賃上げ」と誇れるのだろうか。「われわれの政策の成果」と胸をはるにいたっては、あきれるしかない。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/maeyatsuyoshi/20130220-00023558/
●日本的雇用からブラック企業が生まれた(Yahoo!ニュース 橘 玲)
日本の裁判所は、解雇については労働者の味方ですが、転勤や配置転換などを不服とした訴えにはきわめて厳しい態度で臨みます。「生活の面倒を見てもらっているのだから、多少理不尽なことをされてもガマンしなさい」というわけです。最低賃金や有給など、法に定められた最低限の労働条件を満たしていれば、会社は正社員に対してどんな無理な要求をしても許されるのです。
ところがここ数年、会社と正社員のこの歪な関係を利用した新しいビジネスモデルが登場してきました。飲食やアパレルなど多数の働き手を必要とする業界で、新卒を大量に正社員で採用し、最低賃金とサービス残業で徹底的に酷使すれば、アルバイトを時給で雇うよりずっと人件費コストが安いことが発見されたのです。もちろんこんな労働条件ではみんな辞めていきますが、「正社員」に憧れる新卒はいくらでもいるので、翌年また大量に採用すればいいのです。
日本的雇用とは、会社と労働者との間で「生活保障」と「会社への従属」を交換することでした。しかしこれはたんなる慣習なので、正社員の形式さえ整っていれば、「会社への従属」だけを要求したとしてもなんの問題もないのです。
いまでは名だたる大企業でも社員が過労死したり、「追い出し部屋」で退職を強要されることが社会問題になっています。このようにして、うるわしき日本的雇用からブラック企業が誕生し、増殖していくのです。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/tachibanaakira/20130213-00023467/
●大企業ブラック化、アベノミクスでも賃金上がらないワケ…ストしない連合の怠慢(Yahoo!ニュース 大塚将司)
連合が本気で賃上げを目指す気があるなら、ストライキ権という「伝家の宝刀」を使わない手はないはずだ。しかし、今春闘でもストライキはないだろう。
なぜか?
一定額以上の所得を得ている者には、なだらかなデフレは心地よい面がある。経営者はもちろん、連合首脳陣はじめ大労組幹部の “労働貴族”もそうした所得階層の人間だ。連合は組合員に最大限の努力をしたと見せれば事足りる。経営者側と同じ穴の貉なのだ。だから、サラリーマンの賃金がダラダラ減り続ける。
連合の怠慢は賃金問題だけではない。65歳までの雇用を義務付けた改正高年齢者雇用安定法の4月施行を控え、名だたる大企業で“追い出し部屋”を作って自主退職を迫る動きが目立ち、ブラック企業並みのサービス残業が横行しているという。
間違っても、安倍首相に期待などしてはいけない。首相にとって大事なのは、今年夏の参議院議員選挙で自民党が勝利することであり、経済3団体のトップに賃上げを要請した、という証拠になるパフォーマンスが必要なのだ。実現しようがしまいが、どうでもよいのだ。3団体のトップもその辺を見透かしており、賃上げの言質を与えていない。
緊張感のない労使関係は企業を堕落させる。それが20年以上も続けば、企業の力は衰える。責任の一端は労働者側にもある。20~40歳代前半までのサラリーマンの多くにとってストライキは外国の出来事で、自分たちがその武器を持っていることすら知らないのではないか? 今春闘で連合がストライキもせず、経営者側に歩み寄るならば、首脳陣は総退陣すべきだ。
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20130218-00010000-biz_bj-nb
●非正規労働者の割合、過去最高に 35%、福祉の仕事増で(共同通信)
総務省が19日発表した2012年平均の労働力調査の詳細集計によると、役員以外の雇用者のうち、アルバイトなどの非正規労働者の割合は前年より0・1ポイント増の35・2%と、3年連続で過去最高を更新した。同省は「医療・福祉を中心としたサービス分野で、非正規の仕事が増えたため」と説明している。
パートや契約社員、派遣社員などの非正規労働者は1813万人で、2万人増えた。男女別の非正規割合は、男性が0・2ポイント減の19・7%で3年ぶりに低下。景気の回復や、退職年齢の引き上げが影響した。一方、女性は54・5%と0・1ポイント増えた。
http://www.47news.jp/CN/201302/CN2013021901001887.html
そのアベノミクスですが、どこが良いのかさっぱり分かりません。所詮は株価対策や金融緩和、インフレ誘導などの富裕層優遇策で、庶民にとっては寧ろ「賃下げとインフレのダブルパンチ」でしかない。そんな事ぐらい私だけでなく職場のバイト仲間もとっくに分かっています。でも、大企業の正社員や公務員が中心の労組は自分たちの雇用確保しか眼中になく、その為には非正規を見殺しにする事も厭わない。だからこそ、「資本家よりも寧ろ労働組合などの反日勢力こそが敵なんだ」とする在特会などが台頭してきたのでしょう。
そういう意味では、アベノミクスよりも志位・共産党委員長のアピールの方が遥かに共感を呼ぶ内容です。しかし共産党も、単に「非正規を正規雇用に」とか「非正規も正規も共に団結を」と総花的に主張しているだけではダメなんじゃないかと、最近では思い始めています。もっとインパクトのある公約を掲げないとダメなんじゃないかと。
例えば、①貧困層には「誰にも衣食住と職を」、②非正規層には「最低時給千円」、③正規層には「ブラック企業根絶」、④主婦層には「消費税廃止」という様に、誰もが望んでいる事を、層別にもっと具体的な言葉で端的に、それも「××を守れ」ではなく「××を勝ち取る」と攻めの姿勢で、語らなければならないのではないでしょうか。
●首相「好業績企業は報酬増を」 経済界トップに要請(共同通信)
安倍首相は12日、官邸で開いた経団連の米倉会長ら経済3団体のトップとの意見交換会で「業績が改善している企業は報酬の引き上げなどの取り組みをして頂きたい」と述べ、労働者の賃金引き上げへの協力を求めた。
13年春闘では連合が給与総額などの引き上げを求めているが、経営側は慎重姿勢。首相は賃上げへの協力を経済界に直接要請し、金融緩和などを進める安倍政権の経済政策「アベノミクス」の成果を暮らしに波及させる狙いがある。
米倉会長は意見交換会の終了後、記者団に「業績が良くなれば一時金や賞与に反映される」と述べ、基本的な給与の引き上げは景気状況次第との認識を示した。
http://www.47news.jp/CN/201302/CN2013021201001823.html
●障害者支援4億円消えた 景気優先で冷遇(東京新聞)
文部科学省が、障害者の大学教育支援のために要望していた予算四億四千万円が、二○一三年度予算案から削除された。この予算は民主党政権時の昨年九月、同省が概算要求。政権交代後のことし一月にやりなおした概算要求でも同額を求めていたが、財務省に認められなかった。安倍政権は景気対策を最重視、一二年度補正予算案と一三年度予算で計約七兆七千億円を公共事業に充てているが、経済浮揚にあまり結びつかない障害者施策には熱心さが足りないことが浮き彫りになった。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013022102000143.html
●ガソリン・灯油高騰で「油泥棒」横行!タンク付き車で大量抜き取り―北海道(J-CASTニュース)
「円安、円安で、ホントにいいのかな」と司会のみのもんたが目隠しをめくると、ガソリンが11週連続、灯油が12週連続の値上がりとある。北海道では灯油泥棒が横行という。アベノミクスの当然の帰結だが、「株が上がっても、私らには関係ない」と東日本大震災の仮設住宅の住民が嘆いていた。
http://www.j-cast.com/tv/2013/02/21166228.html
●賃上げと安定した雇用の拡大で暮らしと経済を立て直そう 志位委員長が記者会見 共産党が「働くみなさんへのアピール」(しんぶん赤旗)
志位氏は、賃下げが続き雇用不安が広がり続ける日本社会の現状が世界の流れからみていかに異常かを紹介。賃金が連続的に減り続け、最低賃金が最低水準で、非正規雇用の割合が異常に高いなど、世界の流れからみて二重三重に異常だと指摘し、労働者の生活実態からみても賃上げは当然の要求だと述べました。
賃下げと非正規雇用の拡大はデフレ不況の悪循環の元凶となっていると述べ、働く人の「使い捨て」は産業の競争力さえも脅かしていると批判。大企業がため込んでいる内部留保の多くは有価証券など換金可能な資産の形で保有されており、その1%程度で大きな賃上げを実施できることを表(別掲)で具体的に示して、賃上げと雇用の安定がデフレ不況打開の一番のカギだと述べました。
企業の経営者には、目先の利益や株主への配当だけでなく、「日本経済の成長の中で業績の回復をはかる」視点が必要ではないかと提起しました。
志位氏は、政府が「企業まかせ」にせず、「インフレターゲット(物価上昇目標)」ではなく「賃上げターゲット(目標)」をもち、それを実現する政策を実行するときだと主張。▽賃下げなど財界の間違った行動をただす▽違法・脱法の退職強要・解雇・雇い止めを根絶する▽賃上げを促進する政策をすすめる―ことを提言しました。
そして、日本経済後退と所得減少の根底には国民の暮らしを守るルールがないか、あっても弱いという問題があるとして、人間らしい暮らしと働き方を保障する「ルールある経済社会」への転換が日本経済を土台から強くする道だと強調しました。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2013-02-15/2013021501_01_1.html
●「賃上げ」騒ぎはデフレ脱却にはつながらない(Yahoo!ニュース 前屋 毅)
2月5日、安倍首相は経済財政諮問会議の場で、「業績が改善している企業には、賃金の引き上げを通じて所得の増加につながるよう協力をお願いしていく」と述べて、賃金引き上げを求めた。これに応えるように2月7日、政府の経済成長戦略を策定する産業競争力会議のメンバーでもある新浪剛史が社長を務めるローソンは、「デフレ脱却を目指して!」と銘打って、消費意欲の高い世代(20代後半~40代)の社員の年収を平均3%アップすると発表した。
ローソンでは「新浪社長のもともとの持論に基づく」として安倍首相の要請に応えたわけではないと説明するものの、絶妙すぎるタイミングで、「出来レース」と受け取られても仕方ないだろう。さらに2月8日の衆議院予算委員会で、ローソンの例をあげて「3ヶ月前に考えられたか。われわれの政策が経済を変えていく」と安倍首相が胸をはってみせたのだから、シナリオ臭くなる。
問題なのは、ローソンの「賃上げ」が正社員だけを対象にしているということだ。正社員とアルバイトなど非正規雇用者とを合わせると、ローソングループでは約20万人が働いている。しかし今回の「賃上げ」の対象となるのは、約3300人の正社員だけである。約18万5000人の非正規雇用者は対象外なのだ。
賃金を上げることで消費を活発化させてデフレ脱却につなげるには、3000人の社員を対象にするより18万人の非正規雇用者を対象にするほうが効果が大きいことは誰が考えてもわかる。そこを無視して、「デフレ脱却のための賃上げ」と誇れるのだろうか。「われわれの政策の成果」と胸をはるにいたっては、あきれるしかない。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/maeyatsuyoshi/20130220-00023558/
●日本的雇用からブラック企業が生まれた(Yahoo!ニュース 橘 玲)
日本の裁判所は、解雇については労働者の味方ですが、転勤や配置転換などを不服とした訴えにはきわめて厳しい態度で臨みます。「生活の面倒を見てもらっているのだから、多少理不尽なことをされてもガマンしなさい」というわけです。最低賃金や有給など、法に定められた最低限の労働条件を満たしていれば、会社は正社員に対してどんな無理な要求をしても許されるのです。
ところがここ数年、会社と正社員のこの歪な関係を利用した新しいビジネスモデルが登場してきました。飲食やアパレルなど多数の働き手を必要とする業界で、新卒を大量に正社員で採用し、最低賃金とサービス残業で徹底的に酷使すれば、アルバイトを時給で雇うよりずっと人件費コストが安いことが発見されたのです。もちろんこんな労働条件ではみんな辞めていきますが、「正社員」に憧れる新卒はいくらでもいるので、翌年また大量に採用すればいいのです。
日本的雇用とは、会社と労働者との間で「生活保障」と「会社への従属」を交換することでした。しかしこれはたんなる慣習なので、正社員の形式さえ整っていれば、「会社への従属」だけを要求したとしてもなんの問題もないのです。
いまでは名だたる大企業でも社員が過労死したり、「追い出し部屋」で退職を強要されることが社会問題になっています。このようにして、うるわしき日本的雇用からブラック企業が誕生し、増殖していくのです。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/tachibanaakira/20130213-00023467/
●大企業ブラック化、アベノミクスでも賃金上がらないワケ…ストしない連合の怠慢(Yahoo!ニュース 大塚将司)
連合が本気で賃上げを目指す気があるなら、ストライキ権という「伝家の宝刀」を使わない手はないはずだ。しかし、今春闘でもストライキはないだろう。
なぜか?
一定額以上の所得を得ている者には、なだらかなデフレは心地よい面がある。経営者はもちろん、連合首脳陣はじめ大労組幹部の “労働貴族”もそうした所得階層の人間だ。連合は組合員に最大限の努力をしたと見せれば事足りる。経営者側と同じ穴の貉なのだ。だから、サラリーマンの賃金がダラダラ減り続ける。
連合の怠慢は賃金問題だけではない。65歳までの雇用を義務付けた改正高年齢者雇用安定法の4月施行を控え、名だたる大企業で“追い出し部屋”を作って自主退職を迫る動きが目立ち、ブラック企業並みのサービス残業が横行しているという。
間違っても、安倍首相に期待などしてはいけない。首相にとって大事なのは、今年夏の参議院議員選挙で自民党が勝利することであり、経済3団体のトップに賃上げを要請した、という証拠になるパフォーマンスが必要なのだ。実現しようがしまいが、どうでもよいのだ。3団体のトップもその辺を見透かしており、賃上げの言質を与えていない。
緊張感のない労使関係は企業を堕落させる。それが20年以上も続けば、企業の力は衰える。責任の一端は労働者側にもある。20~40歳代前半までのサラリーマンの多くにとってストライキは外国の出来事で、自分たちがその武器を持っていることすら知らないのではないか? 今春闘で連合がストライキもせず、経営者側に歩み寄るならば、首脳陣は総退陣すべきだ。
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20130218-00010000-biz_bj-nb
●非正規労働者の割合、過去最高に 35%、福祉の仕事増で(共同通信)
総務省が19日発表した2012年平均の労働力調査の詳細集計によると、役員以外の雇用者のうち、アルバイトなどの非正規労働者の割合は前年より0・1ポイント増の35・2%と、3年連続で過去最高を更新した。同省は「医療・福祉を中心としたサービス分野で、非正規の仕事が増えたため」と説明している。
パートや契約社員、派遣社員などの非正規労働者は1813万人で、2万人増えた。男女別の非正規割合は、男性が0・2ポイント減の19・7%で3年ぶりに低下。景気の回復や、退職年齢の引き上げが影響した。一方、女性は54・5%と0・1ポイント増えた。
http://www.47news.jp/CN/201302/CN2013021901001887.html
石にかじりついても、議会選挙で負けても、その気概が支持者から見捨てられなければ、いつかは「勝つ」でしょう。