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生活の党も初参加の5.3おおさか総がかり憲法集会

2016年05月03日 23時02分26秒 | 戦争法ではなく平和保障法を

集会に参加した人のTシャツには、今の平和憲法を普及する為に、戦後間もない時期に、当時の文部省が編纂した教科書の挿し絵が。そこには、白黒で分かり難いが、戦車や戦闘機を溶鉱炉で溶かして、車や船や電車に作り変えようとする強い意志が現れていた。憲法が掲げた平和主義や民主主義の理想が、後の自民党政治によってゆがめられなければ、日本は今頃もっと素晴らしい国になっていたのに!(怒)

 今日は5月3日の憲法記念日。全国各地で多彩な取り組みが行われた事でしょう。
 私の住んでいる大阪でも、昼過ぎから市内の扇町公園で、実行委員会主催による「おおさか総がかり集会」という催しがありました。
 私も、それをネットで知り、当初は有休を取って参加するつもりでした。ところが、GWで仕事が忙しい中で人手が足りなくなり、午前中だけ出勤する事になりました。
 しかし、その忙しい仕事も、午前11時を回る頃にはようやく回せる目途も立ち、早めに職場を抜ける事が出来ました。そうして、会場の扇町公園には13時前に着きました。

 会場に付いたら、ちょうど舞台ステージで、うたごえのコーラスを合唱していました。うたごえの曲を聴くのは、もう何年ぶりでしょうか。
 その後、川口真由美さんという歌手の方がステージに上がられ、沖縄・辺野古移設反対の座り込みの歌や、「ケ・サラ」などを熱唱されていました。私、この人の事は名前だけは知っていましたが、実際に歌っているのを聴くのは初めてでした。とても女性とは思えないパワフルな歌いっぷりに圧倒されてしまいました。以前、SHINGO★西成のコンサートで、「まちゅこけ」という女性ボーカリストの歌を聴いた事がありますが、それに勝るとも劣らない歌いっぷりです。
 「総がかり集会」と言うだけあって、会場には、新婦人や全労連など共産党系の労働組合や市民団体だけでなく、それ以外の連帯労組や連合・民進党系の労働組合、反原発運動団体の方や、SADL(サドル)・SEALDs(シールズ)などの若者も多数来られていました。しかも、それだけでなく、今までなら見かけなかった「生活の党」からも大勢来られていたので、これにはさすがにびっくり。

 そうこうしているうちに、集会が始まりました。まず最初に司会者のあいさつの後、大阪弁護士会の会長が、「戦争法は憲法と全く矛盾する、相容れない存在だ。そんな法律は廃止するしかない!」と、今の安保法制(戦争法)を徹底的に批判。
 そりゃあ、そうでしょう。戦争法の根底にあるのは、「集団的自衛権」という考え方ですが、これは、「たとえ他国の戦争であっても、日本と密接に関わりがあると思われるものには、参加できる」とする考え方です。しかし、今までの戦争も、全てこの考えの下に行われて来ました。先の太平洋戦争や今のイラク戦争も、「日本や米国と密接な関わりがある」という理由で、推し進められてきました。こんなものが、今の平和憲法と両立する訳がないでしょう。

 その後、民進党の尾立源幸(おだち・もとゆき)参院議員、共産党の渡部結(わたなべ・ゆい)参院大阪選挙区予定候補、社民党の服部良一・元衆院議員が、それぞれ「野党の共闘で安倍政権の暴走を止める」と、異口同音に熱っぽく語っておられたのが、すごく印象に残りました。
 その中でも、とりわけ民進党の尾立議員の熱心さが、私にとっては意外でした。共産党や社民党の候補者が戦争法や憲法改悪に反対なのは、世間の方もよくご存じですが、民進党の中には、自民党や右翼と同じような主張をする議員さんも少なくないので。そこで、尾立議員のHPを少しのぞいて観ましたが、そこには「身を切る改革には賛成だが、戦争法や憲法改正には反対」という事が書かれていました。その点で見ると、少なくとも「自民党や右翼と同じ」ような人では無さそうです。私としては、格差社会に対する批判が弱い点が少し気がかりですが。
 ついでに、共産党の渡部さんについても一言。同じ「わたなべ」でも、「渡辺」ではなく「渡部」と書く名字の人は非常に珍しいです。たまたま、うちの職場にも同じ名字のバイトがいるので、ひょっとしたら彼の家族ではないかと思い、聞いてみたのですが、「全然知らない」という連れない返事でした。

 その後、若者団体のSADL(サドル)、SEALDs(シールズ)、T-nsSOWL(ティーンズ・ソウル)の各団体から、それぞれ発言がありました。
 SADLは、橋下徹・大阪市長による弱い者いじめの政治や大阪都構想に反対する若者が立ち上げた団体です。それに対して、SEALDsとT-nsSOWLは、それぞれ戦争法に反対する大学生と高校生の団体です。少なくとも、私の頭の中では、そのように区別しています。ところが、実際は、特にSADLとSEALDs関西については、両者の区別がつきません。現に、今日の集会後のパレードでも、SADLの人がSEALDsと同じようなコールをしていましたし。別に、掛け持ちで活動していても一向に構わないのですが、少なくとも集会では、どちらかに名称を統一しておいてくれないと、頭の中がこんがらがって仕方ありません。

 そのサドルだかシールズだかの、茶髪の大学生が、素晴らしいあいさつをして下さいました。
 「立憲主義=憲法に基づいて政治をするという、しごく当たり前の事が理解できない政治家が余りにも多すぎる。」
 「そんな政治家が、いくら『米国から押し付けられた憲法だから変えなくてはならない』と叫んだところで、米国の言いなりになって戦争法やTPPをごり押ししているのだから、お里が知れる。」
 「そんな政治家たちが、国民の6人に1人が食うや食わずの貧困状態にあるのに、その苦境を他所に、自分たちは口利きやワイロに育休不倫と、勝手な事ばかりやっておきながら、国民には偉そうに『権利ばかり主張するな』と。自分は一体何様だと思っているのか!」
 「変えなければならないのは憲法ではなく、それを踏みにじって来た自民党政治の方だ!!」⇒まさにその通り!!

 実際、この茶髪の若者の言うように、「今の憲法は米国から押し付けられた」と散々悪態をつきながら、実際の政治では、沖縄の基地問題でも、戦争法の問題でも、消費税やTPPの問題でも、派遣法や労働基準法の改悪(いくら残業しても残業代が支払われなくなるホワイトカラー・エグゼンプションの導入など)の問題でも、米国の言いなりというのが、今までの自民党政治でした。
 つまり、自由や人権などの米国の「優れた所」については形だけ真似て(本音では否定して)、弱肉強食で貧富の差が激しい「悪い所」だけを、もっと日本にどんどん取り込もうとしているのです。
 TPP(環太平洋経済連携協定)なんて正にそうでしょう。あんなもの導入されたら、今の健康保険も「民間企業の金儲けの邪魔になる」として骨抜きにされ、今の米国みたいに、民間保険に入れない人間は盲腸の手術も受けられずに死んでいく、そんな殺伐とした国になってしまいますよ。


会場で参加者全員に配られたフライヤー。表は「戦争法廃止」と書かれた黄色の紙で、厚手なのでプラカードとしてそのまま使える。
裏面には集会宣言や集会スローガン、3コースに分かれたパレード・コースの団体別内訳と、コースの地図が載っていた。
コーズの地図には、解散地点の最寄り駅まで載っていたので、非常に助かった。
このように、今回の集会・パレードには、飛び入り参加の人も困らないようにという配慮が、そこかしこに感じられて良かった。



集会で素晴らしいあいさつをしてくれたSEALDs(シールズ)の茶髪の若者。今回は、個人で飛び入り参加した人にも個人用ののぼりが配られた。


私は、SADLやSEALDsの人たちと一緒に、西天満から梅田新道を通って西梅田までのコースを歩いた。他に、西天満に向かうコースや、中崎町に向かうコースもあった。

 そして、この大阪の集会に2万人も集まった事、これまで集めた戦争法廃止の2千万統一署名も、現在1千2百万筆を突破して、記録を更新中なので、6月まで引き続き署名集めを続け、参院選の前に自民党政府に叩きつける事などが、この集会で報告されました。そして、集会宣言を全員で唱和した後、3コースに分かれてパレードに入りました。私は、SADLやSEALDsの人たちと、以下のようなコールをして、西梅田公園までのコースを歩きました。

 「戦争できちゃう法律要らない! 戦争したがる総理は要らない! 憲法守れ!(憲法守れ!) 憲法守れ!(憲法守れ!)」
 「安倍は辞めろ!(安倍は辞めろ!) 奴らを通すな!(奴らを通すな!) 民主主義って何だ?(これだ!) 立憲主義って何だ?(これだ!)」
 「野党は共闘!(野党は共闘!) (戦争法)賛成議員は落選させよう! 選挙に行こう!」
 「(軍備より)みんなの暮らしに税金使え! 憲法11条(12条、13条)を変えるな!」
 「I Say Abe You Say 辞めろ! 安倍!(辞めろ!) 安倍!(辞めろ!)」
 「国民なめんな!(国民なめんな!) 関西なめんな!(関西なめんな!)」
 「安倍は辞めろ!(安倍は辞めろ!) 安倍は辞めろ!(安倍は辞めろ!)」

 憲法11条の要旨:どんな国民にも基本的人権がある。それは侵す事の出来ない権利として、永久に与えられる。
 憲法12条の要旨:憲法が国民に保障する自由・権利を国民も守る義務がある。それを個人の為だけに使うのではなく皆(公共の福祉)の為に使え。
 憲法13条の要旨:どんな国民も個人として尊重される。幸福になる権利がある。

 自民党が変えようとしているのは憲法9条だけではありません。上記の憲法の条文や、ひいては基本的人権の考え方そのものまで変えようとしているのです。
 今の憲法は、「どんな人間にも生まれた時から人権がある」という、「天賦(てんぷ)人権論」という考え方に立っています。
 それを自民党は、「どんな国民にも」という部分を変えて、「義務を果たしてから初めて権利を行使できるようにしよう」としているのです。
 「天賦」というのは「天から与えられた」という意味で、「キリスト教に基づく考え方で、日本には馴染まない」とか何とか言って。

 でも、おかしいと思いませんか?
 「天から与えられた」というのが「キリスト教的で日本には馴染まない」と言いながら、今の天皇も、「高天原(たかまがはら)から降りて来た現人神(あらびとがみ)の子孫」で、戦前には「神聖にして侵すべからず」という存在だったくせに、それには何も言わず。
 そもそも、「天から与えられよう」が、「地中から湧き出よう」が、良い物は良い、悪い物は悪い。それで良いじゃありませんか。それとも、「太陽はダメだが、温泉なら良い」とでも言うのでしょうか?

 要するに、自民党の言っている事は、単なる屁理屈であり、言いがかりにしか過ぎないのです。
 それを、「どんな国民にも」という部分を変えて、「義務を果たしてから初めて権利を行使できるようにしよう」という事にしてしまったら、一体どういう事になるでしょうか?
 一見もっともらしいように聞こえますが、じゃあ、勤労の義務を果たそうにも果たしようのない失業者や障がい者には人権がないのですか?
 失業者や障がい者は「人間のクズ」ですか? 先の自民党流の考え方ではそうなりますね。

 もうこれでお判りでしょう。「人権が認められるのは金持ちだけ。貧乏人は兵士や企業戦士として使い捨てに」―これが自民党改憲案の本質です。
 もし私の言っている事が嘘だと思うなら、自民党のHPに飛んで自分の目で確かめて下さい。あるいは、同党参院議員の片山さつきが一体何と言っているか確かめて下さい。
 例えば、片山さつきは、「国があなたに何をしてくれるか、ではなくて、自分は国に一体何ができるか、を皆で考えよう」と言っていますね。これも、物腰こそ柔らかめですが、有体に言えば「何もできない失業者や障がい者には人権は無い」と言っているのも同然ではないですか。

 今、安倍政権が盛んに宣伝している「1億総活躍」や「保育所増やす、介護難民減らす」などの公約も、実際にやっている事は、介護職員をさらに低賃金の外国人に置き換えたり、保育所定数の水増しでしかありません。「権利主張は義務を果たしてから」と言いながら、国民をブラック企業労働に追い立てる片山さつきの手法と、全く同じです。
 そんなものが「日本の伝統」な訳がないし、もし、それが「日本の伝統」だったとしても、「そんなクソみたいな伝統は変えなければならない」という話にしかなりません。次の選挙で自民党政権を退陣に追い込み、もう二度と、こんなバカな事を言わさないようにしなければ、我々国民は堪ったものではありません。
 「失業者や障がい者は人間のクズ」「人権が認められるのは金持ちだけ。貧乏人は兵士や企業戦士として使い捨てに」―そんなものが「日本の伝統」な訳がないだろう!
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