Mのボケナスの所為で政治的な意見表明にまで手が回らない日々が続いている。本当はこんな下らない案件に手を取られている暇はないのだが。でも、そんな今の私でも良質記事の転載ぐらいなら出来る。「転載なら幾らして下さって結構」との以前の村野瀬さんの言葉に甘え、来るべき参院選の参考資料としても使う為に、当該ブログ記事をそのまま転載させて貰う事にします。
勿論、この「参考資料としても使う」という意味は、ただ単に投票先の候補者・政党を選ぶだけに止まりません。どうやったら改憲派にくさびを打ち込み、改憲を阻止する事が出来るか。それに尽きます。
何故、今頃になって96条改憲(改正要件緩和)の話が出てきているのか。「日本ほど改憲しにくい国はない」という安倍の言い分が嘘っぱちなのは、既に東京新聞の記事などでも明らかだが、仮に若しそれが本当だったとしても、だからどうだって言うのか?そもそも、憲法は国民を縛るものではなく国家権力の暴走を抑えるもので、それが近代憲法の証でもあるのに。独裁国家の朝令暮改の「俺様憲法」を、わざわざ日本も真似しなければならない理由はこれっぽっちもありません。
(以下転載)
憲法記念日に出された各政党の談話は、それぞれの政党と所属議員がどのような憲法観を持っているかを知らせてくれます。一見よさげなことを言っている政党が実際には国民主権の縮小や基本的人権の無効化、廃止を後押ししている勢力なのかどうかを教えてくれます。メモ。
●朝日新聞デジタル
改憲への姿勢、各党の違い鮮明 憲法記念日にあわせ談話
http://www.asahi.com/politics/update/0502/TKY201305020404.html
2013年5月3日2時42分
5月3日の憲法記念日にあわせて各政党が談話を発表した。
■自民党「改正の機運高まっている」
現行憲法の下で、国民主権、平和主義、基本的人権が普遍的価値として定着する一方、国民の間でも時代に即した憲法改正を希求する機運が高まっている。憲法を一言たりとも変えさせないという形式的護憲を掲げる勢力は、もはや国民の支持を得られなくなっている。いまや「改憲か護憲か」という議論ではなく、国民主権、平和主義、基本的人権の尊重の三大原則を堅持した上で、どのように改正するかという段階に入ってきた。
我々は、昨年、他の政党に先駆けて「日本国憲法改正草案」をとりまとめ、発表した。昨年の衆院選では、わが党の憲法草案をめぐる憲法改正論が争点の一つとなったが、本夏の参院選においても、わが党の主張を真摯(しんし)に訴え、国民の皆様と共に議論を進めていく。
■公明党「『先行改正』論は慎重に」
憲法の骨格をなす恒久平和主義、基本的人権の尊重、国民主権主義の三原則は、人類の英知というべき優れた普遍の原理であり、平和・人権・民主の憲法精神を定着させ開花させる闘いに全力を尽くしていく。
現憲法は優れた憲法であり、憲法三原則を堅持しつつ、環境権など時代の進展に伴い提起されている新たな理念を加えて補強する「加憲」が最も現実的で妥当なものであると考える。
憲法9条は、戦争放棄を定めた第1項、戦力不保持を定めた第2項をともに堅持した上で、自衛隊の存在や国際貢献のあり方を「加憲」の対象とすべきかどうか検討を進めている。
憲法を改正しやすくするためまず96条の改正要件を緩和すべきだとする「先行改正」論は慎重に扱うべきだ。96条が衆参両院とも「3分の2以上の賛成で国会が発議」という高いハードルを課しているのは、日本国憲法が世界各国のほとんどの成文憲法と同様に一般の法律改正よりも改正要件が厳格な「硬性憲法」だからであり、国家権力から国民の人権を守ることに憲法そのものの成り立ちの意味があるとする立憲主義の立場から妥当性があるとの認識が党内論議の大勢だ。憲法は不磨の大典ではなく、改正要件の「3分の2」も含め憲法条文のどこをどう変えるのがふさわしいかの全体観に立った論議が必要不可欠だ。
■海江田万里・民主党代表「改正には国民の理解が要件」
我が国は戦後、「国民主権、平和主義、基本的人権の尊重」といった憲法の定める基本原理を実践しつつ、幾多の困難を乗り越え、平和と繁栄を築き上げてきた。世界に誇れる成果だ。
今日、国際情勢や経済情勢が激変する中、国のガバナンスのあり方や安全保障問題、地球温暖化対策など、様々な論点を巡って憲法論議が行われている。現行憲法は不磨の大典ではなく、足らざる点があれば補い、改める点があれば改めるのは当然だ。
しかし、それは「国民主権、平和主義、基本的人権の尊重」という日本国憲法の三原則を順守し、戦後日本人が積み上げてきた成果をさらに発展させるものでなければならない。その観点から、私たちは2005年にまとめた『憲法提言』をさらに具体化していく。
今、安倍晋三首相は「戦後レジームからの脱却」を唱え、自民党や一部の政党は、国防軍や「軍人」規定を創設、「公益及び公の秩序」を基本的人権の条件として国民に責務を課し、言論や出版などの表現の自由を制限し、宗教活動禁止を緩和するなどの憲法改正を声高に叫んでいる。
このような憲法改正を実現する手段として検討されているのが、改正の発議要件を下げるための96条の改正だ。私たちは、国の最高法規である憲法改正には広く国民の理解を得ることが要件とされるべきだと考える。守るべきところと足らざるところの国民的な議論と合意を抜きにして、改正のための国会議員数が足りないからその要件を緩和するというのは本末転倒だ。
■平沼赳夫・日本維新の会国会議員団代表「憲法問題果敢に取り組む」
昭和22年5月3日に施行された現行憲法は、占領国により強制されたもので、我が国の歴史と伝統を踏まえていないばかりか、現下のさまざまな課題にも十分対処できていない。
よって日本維新の会は、安全保障体制を立て直すとともに、抜本的な統治機構改革を成し遂げるため、憲法問題に果敢に取り組み、国民的議論をさらに活発にしていきたい。
■渡辺喜美・みんなの党代表「改憲目指すが戦時体制は賛美しない」
国民の意思を反映し、時代の要請に沿った憲法を保持していくべく、みんなの党は、一院制、首相公選制、地域主権型道州制、政党規定の新設、重大事案についての国民による直接投票制度の創設など、国家の統治に関わる改憲を掲げている。
憲法改正の前にやるべきことがある。いわば、国家という車のモデルチェンジをする以前に、新しい車が実際に走れる中枢の機能を開発しておかなければならない。違憲状態の選挙制度や、政党を含めた政治改革であり、官僚制度改革・地域主権改革である。規範やタテマエは、実体やホンネのルールが確立していないと、空回りしてしまうものだ。
みんなの党は改憲を目指すが、我々は戦時体制を賛美し、復古調の古色蒼然(こしょくそうぜん)たるレトリックを駆使する勢力とは異なる。
「戦後レジーム」とは、今日の官僚統制・中央集権が確立された戦時体制と連続した占領体制の所産である。占領時代に温存された国家社会主義のDNAを一掃することなくして、戦後レジームの転換はありえない。戦時体制回帰の復古派とは、一線を画して参りたい。
■小沢一郎・生活の党代表「96条は現状を維持すべきだ」
日本国憲法は、大日本帝国憲法の73条の改正規定にのっとってできた。実質は改正ではなく、新しい憲法の制定だった。一種の革命とも言える。帝国憲法が自らの根幹である天皇主権を否定し、国民主権に大転換をしたからだ。
現行憲法は、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義、国際協調の四つを基本理念、原理としている。96条の改正規定は、両院の3分の2を発議要件としており、これは基本理念、原理を否定する改正は認められないという考え方を示している。
憲法改正の議論にあたっては、改正手続きのあり方を先行するのではなく、どのような憲法を想定し、どういう理念で作ろうとしているのかを明らかにすべきだ。現行憲法は確かにいろいろな面で現在の実勢に合わなくなってきており、国民の合意があれば改正することは当然のことだ。
生活の党は、憲法の四大原則である、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義、国際協調を堅持すべきだと考える。96条の改正規定は憲法の趣旨から現状を維持すべきだ。その上で、国連の平和活動、国会、内閣、司法、国と地方、緊急事態の関係で一部見直し、加憲が必要だと考える。
■市田忠義・共産党書記局長「改定反対する人々の力合わせる」
昨年の総選挙で改憲に執念を燃やす安倍内閣が誕生し、自民党や維新の会をはじめとする改憲勢力が、声高に「自主憲法制定」を叫んでいる。
改憲勢力の最大の狙いは、憲法9条を変え、国防軍の創設など、日本を戦争する国につくりかえることだ。アメリカと肩を並べて武力行使ができる体制づくりに向けて、集団的自衛権の見直しなど解釈改憲の動きも強まっている。
しかし、多くの国民は、憲法9条改定に反対している。昨年の総選挙では、民意を反映しない小選挙区制というゆがんだ選挙制度のもとで、改憲勢力が圧倒的多数を得たが、国民世論とのあいだには大きなズレがある。
安倍晋三首相は、憲法96条の改定を「参院選の争点にする」などと言い出しているが、その政治的なねらいが、改憲勢力の最大の目標である憲法9条改定に向けて、ハードルを低くしたい、国民を改憲に「慣れ」させたい、ということにあるのは明らかだ。
96条が、衆参両院の3分の2以上、国民投票の過半数という条件を課しているのは、憲法の制定や改定が国民の主権に属する重要な行為であり、権力に縛りをかけることを目的とした憲法が、ときの政権に左右されるようなことがあってはならないからだ。
これを一般の法律なみの「過半数」に緩和することは、国家による権力の乱用から国民の自由を守るという憲法の根本精神を否定するものだ。
日本共産党は、憲法の精神を守る立場から、思想信条、政党支持、「護憲・改憲」などの違いを超えて、96条改定反対で一致する人々の力を合わせることを呼びかけるとともに、その共同を広げるために力を尽くす。
■社民党「改憲の流れ押し戻す」
今、憲法は最大の危機に直面している。安倍政権は本格的な改憲への準備として、まず第96条の憲法改正の発議要件を「各議院の総議員の3分の2以上の賛成」から「過半数の賛成」に緩和しようとしている。
しかし、最高法規である憲法の改正に、通常の立法よりも厳格な発議要件が課されるのは当然であり、時の政権や政治状況によって揺れ動くものであってはならない。改正の具体的な目的も示さず手続きだけを先行させる姑息(こそく)な手法で、国民を欺くものにほかならない。
自民党の「日本国憲法改正草案」は、国家の権力行使を優先する復古的要素が満載だ。改憲派の最大のネックは、自衛隊の「普通の軍隊化」を阻んできた憲法9条の存在であり、米国と一体になって「戦争が出来る国」へと変えることこそが至上命題である、とこの改正草案は露呈している。
また、「公益及び公の秩序」の名の下に、表現や思想・信条の自由、集会結社の自由などを制限し、これまで「犯すことの出来ない永久の権利」であった基本的人権をゆがめて、国家に従順な国民をつくろうとしている。
立憲主義の原則は、権力に対して厳しい規制や制限を加え、主権者たる国民の権利を保障するものだ。憲法の本質を百八十度変えて、権力側が国民をコントロールするという「改悪」、戦争の出来る国への「回帰」を許すわけにいかない。
今夏の参議院選挙はとても重要だ。社民党は、憲法を変えることに腐心するのではなく、憲法の理念を社会の隅々に生かしていく努力こそが必要だと訴える。憲法を守り、いかし、世界に広げていくために、共に手を携えて改憲の流れを押し戻そうではないか。
■舛添要一・新党改革代表「憲法改正に取り組む」
憲法議論が盛んになっている今日、国民と共に憲法改正に取り組んでいく。
■谷岡郁子・みどりの風代表「議論不在の96条改正に反対」
憲法とは、権力者の権力の行使を拘束・制限し、国民の権利・自由、そして、基本的人権の保障を図るためのものだ。
この本来の趣旨に立てば、憲法の改正は国民からの要請に基づいて国会が発議すべきであって、時の権力者である安倍晋三首相の口から自らの都合で憲法を変えやすくする96条改正発言が繰り返されていることには大いに違和感を覚えている。
みどりの風は、国民議論不在の96条改正には反対だ。脱原発、尊厳死など単一の課題に関する国民投票を重ねていくことで、主権者が憲法を身近なものとし、育んでゆくことを目指す。
(転載ここまで)
国民主権の縮小や基本的人権の無効化、廃止を後押ししている勢力がこれほどふくれあがったことに改めて恐怖を感じます。しかし、それにひるまずに、自民、維新、みんな、改革といった民主主義制度を破壊するクーデター勢力に反対し、公明、民主といったコウモリ勢力を警戒して、国民主権の拡大と基本的人権の具体化を求め続けます。
勿論、この「参考資料としても使う」という意味は、ただ単に投票先の候補者・政党を選ぶだけに止まりません。どうやったら改憲派にくさびを打ち込み、改憲を阻止する事が出来るか。それに尽きます。
何故、今頃になって96条改憲(改正要件緩和)の話が出てきているのか。「日本ほど改憲しにくい国はない」という安倍の言い分が嘘っぱちなのは、既に東京新聞の記事などでも明らかだが、仮に若しそれが本当だったとしても、だからどうだって言うのか?そもそも、憲法は国民を縛るものではなく国家権力の暴走を抑えるもので、それが近代憲法の証でもあるのに。独裁国家の朝令暮改の「俺様憲法」を、わざわざ日本も真似しなければならない理由はこれっぽっちもありません。
(以下転載)
憲法記念日に出された各政党の談話は、それぞれの政党と所属議員がどのような憲法観を持っているかを知らせてくれます。一見よさげなことを言っている政党が実際には国民主権の縮小や基本的人権の無効化、廃止を後押ししている勢力なのかどうかを教えてくれます。メモ。
●朝日新聞デジタル
改憲への姿勢、各党の違い鮮明 憲法記念日にあわせ談話
http://www.asahi.com/politics/update/0502/TKY201305020404.html
2013年5月3日2時42分
5月3日の憲法記念日にあわせて各政党が談話を発表した。
■自民党「改正の機運高まっている」
現行憲法の下で、国民主権、平和主義、基本的人権が普遍的価値として定着する一方、国民の間でも時代に即した憲法改正を希求する機運が高まっている。憲法を一言たりとも変えさせないという形式的護憲を掲げる勢力は、もはや国民の支持を得られなくなっている。いまや「改憲か護憲か」という議論ではなく、国民主権、平和主義、基本的人権の尊重の三大原則を堅持した上で、どのように改正するかという段階に入ってきた。
我々は、昨年、他の政党に先駆けて「日本国憲法改正草案」をとりまとめ、発表した。昨年の衆院選では、わが党の憲法草案をめぐる憲法改正論が争点の一つとなったが、本夏の参院選においても、わが党の主張を真摯(しんし)に訴え、国民の皆様と共に議論を進めていく。
■公明党「『先行改正』論は慎重に」
憲法の骨格をなす恒久平和主義、基本的人権の尊重、国民主権主義の三原則は、人類の英知というべき優れた普遍の原理であり、平和・人権・民主の憲法精神を定着させ開花させる闘いに全力を尽くしていく。
現憲法は優れた憲法であり、憲法三原則を堅持しつつ、環境権など時代の進展に伴い提起されている新たな理念を加えて補強する「加憲」が最も現実的で妥当なものであると考える。
憲法9条は、戦争放棄を定めた第1項、戦力不保持を定めた第2項をともに堅持した上で、自衛隊の存在や国際貢献のあり方を「加憲」の対象とすべきかどうか検討を進めている。
憲法を改正しやすくするためまず96条の改正要件を緩和すべきだとする「先行改正」論は慎重に扱うべきだ。96条が衆参両院とも「3分の2以上の賛成で国会が発議」という高いハードルを課しているのは、日本国憲法が世界各国のほとんどの成文憲法と同様に一般の法律改正よりも改正要件が厳格な「硬性憲法」だからであり、国家権力から国民の人権を守ることに憲法そのものの成り立ちの意味があるとする立憲主義の立場から妥当性があるとの認識が党内論議の大勢だ。憲法は不磨の大典ではなく、改正要件の「3分の2」も含め憲法条文のどこをどう変えるのがふさわしいかの全体観に立った論議が必要不可欠だ。
■海江田万里・民主党代表「改正には国民の理解が要件」
我が国は戦後、「国民主権、平和主義、基本的人権の尊重」といった憲法の定める基本原理を実践しつつ、幾多の困難を乗り越え、平和と繁栄を築き上げてきた。世界に誇れる成果だ。
今日、国際情勢や経済情勢が激変する中、国のガバナンスのあり方や安全保障問題、地球温暖化対策など、様々な論点を巡って憲法論議が行われている。現行憲法は不磨の大典ではなく、足らざる点があれば補い、改める点があれば改めるのは当然だ。
しかし、それは「国民主権、平和主義、基本的人権の尊重」という日本国憲法の三原則を順守し、戦後日本人が積み上げてきた成果をさらに発展させるものでなければならない。その観点から、私たちは2005年にまとめた『憲法提言』をさらに具体化していく。
今、安倍晋三首相は「戦後レジームからの脱却」を唱え、自民党や一部の政党は、国防軍や「軍人」規定を創設、「公益及び公の秩序」を基本的人権の条件として国民に責務を課し、言論や出版などの表現の自由を制限し、宗教活動禁止を緩和するなどの憲法改正を声高に叫んでいる。
このような憲法改正を実現する手段として検討されているのが、改正の発議要件を下げるための96条の改正だ。私たちは、国の最高法規である憲法改正には広く国民の理解を得ることが要件とされるべきだと考える。守るべきところと足らざるところの国民的な議論と合意を抜きにして、改正のための国会議員数が足りないからその要件を緩和するというのは本末転倒だ。
■平沼赳夫・日本維新の会国会議員団代表「憲法問題果敢に取り組む」
昭和22年5月3日に施行された現行憲法は、占領国により強制されたもので、我が国の歴史と伝統を踏まえていないばかりか、現下のさまざまな課題にも十分対処できていない。
よって日本維新の会は、安全保障体制を立て直すとともに、抜本的な統治機構改革を成し遂げるため、憲法問題に果敢に取り組み、国民的議論をさらに活発にしていきたい。
■渡辺喜美・みんなの党代表「改憲目指すが戦時体制は賛美しない」
国民の意思を反映し、時代の要請に沿った憲法を保持していくべく、みんなの党は、一院制、首相公選制、地域主権型道州制、政党規定の新設、重大事案についての国民による直接投票制度の創設など、国家の統治に関わる改憲を掲げている。
憲法改正の前にやるべきことがある。いわば、国家という車のモデルチェンジをする以前に、新しい車が実際に走れる中枢の機能を開発しておかなければならない。違憲状態の選挙制度や、政党を含めた政治改革であり、官僚制度改革・地域主権改革である。規範やタテマエは、実体やホンネのルールが確立していないと、空回りしてしまうものだ。
みんなの党は改憲を目指すが、我々は戦時体制を賛美し、復古調の古色蒼然(こしょくそうぜん)たるレトリックを駆使する勢力とは異なる。
「戦後レジーム」とは、今日の官僚統制・中央集権が確立された戦時体制と連続した占領体制の所産である。占領時代に温存された国家社会主義のDNAを一掃することなくして、戦後レジームの転換はありえない。戦時体制回帰の復古派とは、一線を画して参りたい。
■小沢一郎・生活の党代表「96条は現状を維持すべきだ」
日本国憲法は、大日本帝国憲法の73条の改正規定にのっとってできた。実質は改正ではなく、新しい憲法の制定だった。一種の革命とも言える。帝国憲法が自らの根幹である天皇主権を否定し、国民主権に大転換をしたからだ。
現行憲法は、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義、国際協調の四つを基本理念、原理としている。96条の改正規定は、両院の3分の2を発議要件としており、これは基本理念、原理を否定する改正は認められないという考え方を示している。
憲法改正の議論にあたっては、改正手続きのあり方を先行するのではなく、どのような憲法を想定し、どういう理念で作ろうとしているのかを明らかにすべきだ。現行憲法は確かにいろいろな面で現在の実勢に合わなくなってきており、国民の合意があれば改正することは当然のことだ。
生活の党は、憲法の四大原則である、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義、国際協調を堅持すべきだと考える。96条の改正規定は憲法の趣旨から現状を維持すべきだ。その上で、国連の平和活動、国会、内閣、司法、国と地方、緊急事態の関係で一部見直し、加憲が必要だと考える。
■市田忠義・共産党書記局長「改定反対する人々の力合わせる」
昨年の総選挙で改憲に執念を燃やす安倍内閣が誕生し、自民党や維新の会をはじめとする改憲勢力が、声高に「自主憲法制定」を叫んでいる。
改憲勢力の最大の狙いは、憲法9条を変え、国防軍の創設など、日本を戦争する国につくりかえることだ。アメリカと肩を並べて武力行使ができる体制づくりに向けて、集団的自衛権の見直しなど解釈改憲の動きも強まっている。
しかし、多くの国民は、憲法9条改定に反対している。昨年の総選挙では、民意を反映しない小選挙区制というゆがんだ選挙制度のもとで、改憲勢力が圧倒的多数を得たが、国民世論とのあいだには大きなズレがある。
安倍晋三首相は、憲法96条の改定を「参院選の争点にする」などと言い出しているが、その政治的なねらいが、改憲勢力の最大の目標である憲法9条改定に向けて、ハードルを低くしたい、国民を改憲に「慣れ」させたい、ということにあるのは明らかだ。
96条が、衆参両院の3分の2以上、国民投票の過半数という条件を課しているのは、憲法の制定や改定が国民の主権に属する重要な行為であり、権力に縛りをかけることを目的とした憲法が、ときの政権に左右されるようなことがあってはならないからだ。
これを一般の法律なみの「過半数」に緩和することは、国家による権力の乱用から国民の自由を守るという憲法の根本精神を否定するものだ。
日本共産党は、憲法の精神を守る立場から、思想信条、政党支持、「護憲・改憲」などの違いを超えて、96条改定反対で一致する人々の力を合わせることを呼びかけるとともに、その共同を広げるために力を尽くす。
■社民党「改憲の流れ押し戻す」
今、憲法は最大の危機に直面している。安倍政権は本格的な改憲への準備として、まず第96条の憲法改正の発議要件を「各議院の総議員の3分の2以上の賛成」から「過半数の賛成」に緩和しようとしている。
しかし、最高法規である憲法の改正に、通常の立法よりも厳格な発議要件が課されるのは当然であり、時の政権や政治状況によって揺れ動くものであってはならない。改正の具体的な目的も示さず手続きだけを先行させる姑息(こそく)な手法で、国民を欺くものにほかならない。
自民党の「日本国憲法改正草案」は、国家の権力行使を優先する復古的要素が満載だ。改憲派の最大のネックは、自衛隊の「普通の軍隊化」を阻んできた憲法9条の存在であり、米国と一体になって「戦争が出来る国」へと変えることこそが至上命題である、とこの改正草案は露呈している。
また、「公益及び公の秩序」の名の下に、表現や思想・信条の自由、集会結社の自由などを制限し、これまで「犯すことの出来ない永久の権利」であった基本的人権をゆがめて、国家に従順な国民をつくろうとしている。
立憲主義の原則は、権力に対して厳しい規制や制限を加え、主権者たる国民の権利を保障するものだ。憲法の本質を百八十度変えて、権力側が国民をコントロールするという「改悪」、戦争の出来る国への「回帰」を許すわけにいかない。
今夏の参議院選挙はとても重要だ。社民党は、憲法を変えることに腐心するのではなく、憲法の理念を社会の隅々に生かしていく努力こそが必要だと訴える。憲法を守り、いかし、世界に広げていくために、共に手を携えて改憲の流れを押し戻そうではないか。
■舛添要一・新党改革代表「憲法改正に取り組む」
憲法議論が盛んになっている今日、国民と共に憲法改正に取り組んでいく。
■谷岡郁子・みどりの風代表「議論不在の96条改正に反対」
憲法とは、権力者の権力の行使を拘束・制限し、国民の権利・自由、そして、基本的人権の保障を図るためのものだ。
この本来の趣旨に立てば、憲法の改正は国民からの要請に基づいて国会が発議すべきであって、時の権力者である安倍晋三首相の口から自らの都合で憲法を変えやすくする96条改正発言が繰り返されていることには大いに違和感を覚えている。
みどりの風は、国民議論不在の96条改正には反対だ。脱原発、尊厳死など単一の課題に関する国民投票を重ねていくことで、主権者が憲法を身近なものとし、育んでゆくことを目指す。
(転載ここまで)
国民主権の縮小や基本的人権の無効化、廃止を後押ししている勢力がこれほどふくれあがったことに改めて恐怖を感じます。しかし、それにひるまずに、自民、維新、みんな、改革といった民主主義制度を破壊するクーデター勢力に反対し、公明、民主といったコウモリ勢力を警戒して、国民主権の拡大と基本的人権の具体化を求め続けます。