脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

映画「アリスのままで」ー若年性アルツハイマー病?

2015年07月05日 | これって認知症?特殊なタイプ

上京しました。いつものように「用事の前に一つの楽しみプラス」を実行しました。
今回は「アリスのままに」を見ることにしました。
(写真は伊豆高原Jガーデンの今を楽しんでください)
・主演したジュリアン・ムーアがアカデミー賞・ゴールデン・グローブ賞・英国アカデミー賞というそうそうたる映画賞、世界三大映画祭のカンヌ・ベルリン・ヴェネチア映画祭の「主演女優賞」を総なめにしたということが、私の気を引きました。

・映画のテーマが「若年性アルツハイマーを発症したアリスが、最後まで闘う姿を描く」というものならば、職業上見ておくべき、というのがもう一つの理由でした。
映画としては、さすがに素晴らしい出来映えでした。
特に、ジュリアン・ムーアの容貌の移り変わりは、単に「齢を取った」という外見の変化というのではなく、「容貌は内面から変化していく」ということを改めて思わせてくれるほどのものでした。
考えたら至極当然のことです。
顔の美醜に関係なく、幸せならば幸せな表情から、悲しい時ならばその悲しみの表情から、その人を理解し共感できます。
大人になれば「顔で笑って心で泣く」こともあります。
その表情は心の底から湧き上がってくるものですね。
「心の底」と書きましたが、「心」は「脳の働き」と言い換えることが可能でしょう。

その「脳の働き」を、容貌にも体の動きにも表現できていると思いました。未経験にもかかわらず!それが演技力といえば演技力ですが。

私は、実務研修会で脳機能検査の「できない」例を実際にやって見せるときがありますが、簡単な項目の失敗例はもちろん簡単に、とてもそれらしくやって見せられます。
ところが最高次機能である前頭葉の真似は難しい。そのなかでもレベルが高くなるほど、「できなさ」を表現することができない・・・

簡単なことというのは、計算ができないとか、読めないとか、書けないとか、言われたことを理解できないとか、思い出せないとか、
ほら、いくらでも真似できるでしょう。
「このまま私が私でなくなっていくという恐怖」は、前頭葉がこの状況をどうとらえているかということです。脳(前頭葉)の中でどのようなことが起きているか、そこを体感しないと演技につながらないと思うのです。
とてもその真似はできません。それどころかそのような時の前頭葉の働きを想像することもできません。
ジュリアン・ムーアに大きな拍手を!素晴らしかったです。


「すべての記憶を失う若年性アルツハイマー病と宣告されたら、あなたはどうしますかー?」
もともと、このキャッチコピーを見たときから、疑惑が胸をよぎっていました。
以下、次回に続きます。

よかったら、この以前書いたこのページに目を通してください。
「若年性アルツハイマー型認知症?」
(前半、解説ページに飛べないところがありますが無視してくださって構いません)


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