脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

右脳訓練に努めて感じた前頭葉機能

2016年10月21日 | 前頭葉の働き
最近よく遊んでいます。映画も見たし、展覧会も。実は歌舞伎にも行きました。芝翫襲名興行!
そして思うことがあります。
エイジングライフ研究所は「第二の人生をボケずに生き抜くためのキーは、運動の脳と右脳を使うこと」と主張するのですが、そのさらに基本のところにレベルの違うマスターキーがあるのです。
それは前頭葉。運動の脳や右脳を使い始めるその前、使っている最中、使い終わった時にも前頭葉は大きく関与していることに気づいている人は少ないでしょう。

「君の名は。」を見たいと思う。なぜ見たいと思うのか。そこから、他ならない前頭葉が決めています。
話題作だから、テーマに惹かれて、アニメでの表現に興味があって、音楽に惹かれて。理由は様々、それこそがその人の前頭葉が働いた結果です。
どのような理由にしろ、意欲を出して映画を観ることを決める。
そうすると続いて、その決定を実現させるための行動計画が必要になりますね。
いつ、どんな手段で。上映時刻も調べ、天気も調べ、当日の家事の段取りも考えて映画館に足を運びます。
上映中は、前頭葉の大切な三本柱「意欲」「注意集中力」「注意分配力」が重奏低音のように流れ続けてこそ、鑑賞できるのです。
見終わりました。そこでもまた前頭葉の出番です。
「感動!」「大したことはなかった」「あのシーンは印象的」などなど。自分の行動を評価するのも前頭葉。

「右脳を使って楽しい時間を増やしましょう。仲間と一緒に」とボケ予防の原則を伝えますが、実は右脳以前に、前頭葉の出番を増やすということにこそ大切な意味があることに気づいて欲しいと思います。
脳が正常な老化を超えて、老化を進めていくその先にアルツハイマー型認知症はあります。
何らかのきっかけがあって、そのことに負けてしまってその人らしい生き方ができなくなってしまう。ここが始まりです。きっかけはいろいろで、病気や怪我、退職、親しい人や物との別れ、介護やその他悩みごと。そのことをきっかけにナイナイづくしの生活、生きがいも趣味も交遊もなく運動もしないという、脳を使わない生活に入っていった時に一番に機能が低下してしまうのが前頭葉です。
前頭葉の老化を進めさせないために、前頭葉を使いましょう!
ただ、満足に使ったかどうか決めるのが前頭葉という、おもしろいところがあります。

さてさて、たくさん遊びましたが、私の前頭葉はこの日々をどう評価したでしょうか?
不思議なことに、楽しかったことは確かなのですが 、一抹の不満が!
私の前頭葉は何と「遊ぶばっかりでいいの?」ともう少し別の何かを求めているみたいです。

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