行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

AIの信頼性?

2018-12-01 18:50:34 | 技術
政府がまとめた人工知能(AI)に関する7つの原則が明らかになった。AIが物事を判断する際、その企業に説明責任を求めるのが柱だ。AIの判断基準を示し、金融機関の融資などで、過程が分からない状態をなくす。この原則をもとに法整備を進めるとの報道、要は全ての責任はAIを利用している企業にあるというものだ。
 
先日、羽田から福岡に向かう日本航空の最終便が、定員を超えて予約をとるオーバーブッキング(過剰予約)が原因で欠航した。欠航したのは、羽田空港を21日午後7時45分に出発し、福岡空港に同9時45分に到着予定の便だ。同社は、「時間帯、曜日など過去数年分の予約実績に照らして分析」して、キャンセルを予想。定員375人に対し、401人の予約を受け付けた。だが、想定を上回る395人がチェックイン。日航は同7時、「協力金」(ホテル代2万円)を支払う代わりに翌日便に乗り換えてくれる人はいないかと呼びかけたが、応じる人が少なく欠航となった。
 
JALは先日、約50年間使い続けた旅客システムに別れを告げて人工知能(AI)を使ったシステム「アルテア」に移行したところ、効果が想定以上で原油高が重荷となっている日本航空の2019年3月期業績が増益に転じるかもしれないと発表した。AIは使うほどに精度が上がるので座席が埋まり、安売りをする必要が無く、収益改善の効果は大きいが、今回は経験不足だったのか最終便で、福岡空港での深夜着陸時間制限という事情があり、特殊のケースだったのか明らかにしてないが、いずれにせよまだAIの信頼性は高くない。
 
AIが運用する日本株投信でも日経平均株価が年初来で2%安なのに対し、マイナス8%で期待外れと話題になった。AIと人間は協働しなければといった本も出ている。AIを調教せよといった威勢のよいことをいう人もいる。
これから就職試験でもAIを活用するという企業もあるが、判断基準をキチンと人間がチェックする必要がある。まだAIは全面的に信頼をしてはいけない。
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激変する世の中、ジャーナリズムも選別する時代へ

2018-11-10 22:57:57 | 技術
昨日、朝日新聞社と米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)の提携90周年を記念するシンポジウムが東大安田講堂であり、NYTの電子版読者の私に招待があり、出席した。両社からトップが講演したが、主役は3回のピューリッツァ賞を獲得したNYTコラムニストのトーマス・フリードマン氏で、彼の講演主旨は
・2007年はグーテンベルグの印刷技術発明に匹敵する新技術が多く生まれた年だった。それらはiphone、Google、アンドロイド、ネットフリックス、IBMのワトソン、アマゾンのKindleなどによって社会は激変し、今まで無秩序な動きが広がっている。テロリストもトランプもツイッターを自由に流せる。
・こうした時代、家族や地域といった人々の結びつきがますます重要になっており、それを支えるジャーナリズムの役割を強調した
 
NYTの発行人、サルツバーガー氏はこの20年間で米国のジャーナリズムは半分に減少した。新聞社の広告収入は減少し、今は4000万人の購読料で成り立っていると強調した。日本の新聞は元々購読料が基本であるが、通勤電車で新聞を読んでいる人よりスマホを見てる人の方が圧倒的に多い。朝日新聞はもとより日本の新聞も電子版を軌道に乗せようと躍起になっている。NYTは全世界に電子版購読者を拡大しており、配信もきめが細かい。朝起きると、昨晩までの重要ニュースをメルマガで配信し、夕方にはその日の重要ニュースを配信してくる。その中から読みたい記事をWebで見ることになる。その選択で各読者の傾向を分析し、週末には読者に合わせた記事を配信するといったきめの細かさだ。
 
このシンポジウムでの講演者は言わなかったが、今やフェイクニュースを非難する大統領が数え切れない嘘ばかり記者会見で堂々という時代、ジャーナリズムも選別が必要で、権力におもねないジャーナリズムの本筋をまもるのが朝日とNYTということか、
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シェアリングエコノミー事始め

2018-10-16 23:05:33 | 技術
トヨタがソフトバンクと提携した。今後の自動運転車の発展とそれを利用するシェアリングライドを中心とする新事業が狙いと考えられる。現在、マイカーの稼働率は2割強といわれ、家に駐車している時間が大部分だ。しかも個人所有の車は人口減、高齢化で減少することが隔日だ。そこにシェアリングライドという新市場が出てくる。人手不足で困っている運送業界、工夫はしているのだろうが、4割は空で走っている。これを解決するのもシェアリングでAIを活用して需給をマッチングさせれば、効率は良くなる。自動車関連業界でのシェアリングエコノミーは事始めと期待されている。
 
ところが、先日開催された国際労働財団(JILAF)の国際シンポジウムではマイナス面が強調され、主にライドシェアに焦点を当てたシンポジウムとなり、各国の代表が「労働者としての権利保障が必要」と語った。
シェアリングエコノミーの代表的な事業に、素人の運転手が自家用車で人を有償輸送するライドシェアがある。ウーバー社などの「プラットフォーム事業者(システムを提供する事業者)」が客と運転手を引き合わせて手数料収入を得る事業だ。日本では道路運送法違反の「白タク」に該当し、営業を許されていないが、政府の未来投資会議で一部解禁を検討する方向を示した。
 
AIやデジタル経済を研究してきた英国労働組合会議(TUC)のティモシー・アンドリュー・ペイジ政策局長は「シェアリングエコノミーには有用性を見い出せない。働く人にリスクを負わせている」と言い切る。英国では労働力人口の1割にあたる320万人が従事し、不安定労働者と位置づけられていると指摘。「プラットフォーム事業者は事実上、職業紹介や人材派遣会社として営業している。規制が必要だ」と述べ、働き手には雇用労働者と同じ権利が保障されるべきと語った。
 
国際運輸労連(ITF)の浦田誠内陸運輸部会長は、ライドシェアが広がった米国のニューヨークではこの1年以内に6人のウーバー運転手が生活苦から自殺したことや、ロンドンでは11日に1回の割合で、ウーバー運転手による乗客へのレイプ事件が発生している事実を紹介。欧州では次々に禁止や規制が行われているとし、日本への進出阻止を訴えた。
 
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1年経っても真相は闇

2018-03-09 17:58:42 | 技術
 
戦慄が走る森友学園の運動会宣誓

森友学園幼稚園の2015年秋の運動会の映像が何回かニュースで流された。代表の園児4人が選手宣誓で、「日本を悪者として扱っている中国、韓国が心改め、歴史教科書でうそを教えないよう、お......
 

森友学園問題は安倍首相自らの問題のためか、財務省、官邸は何とか無事逃げ切りを図るという策にでたのだろうが、肝心の八億円値引きについては大阪地検が捜査中ということで未だ明確になってない。この1年間、国会の調査権は全会一致が前提のため、自民党の反対で無力となり、トランプと米マスコミの対決のごとく、安倍首相と朝日の対決の中から、財務省の契約書書き換え問題が浮上した。担当の佐川局長を国税庁長官に送り、国会には出さないようにし、森友学園の理事長を異例の長い間拘留し続け、そして近畿財務局の担当官が自殺を遂げるという松本清張の小説を地で行く展開だ。誰が仕組んだのだろう。これが解けないようでは国会は死に体だ。

元東京地検特捜部検事の郷原信郎氏は、こう分析する。
「朝日が報じたとおり書き換えが事実だと、現在、決裁文書の原本には2つの可能性があります。一つは、国会議員に提出されたものだけ内容が書き換えられていて、原本は正しい状態にあること。これは、原本を持っている大阪地検特捜部に『原本を使用したい』と言えば、すぐに突き合わせることができます。第二の可能性は、原本そのものが書き換えられていること。この場合は、誰が、どのような目的で書き換えたのかを調査しなければなりません。いずれの可能性も、有印公文書偽造・変造などの犯罪にあたる可能性があります」

国会は先ず、大阪地検特捜部に原本を提出させることから始めることだ。この1週間朝日が報じてから、これさえできてないとは情け無い。

 

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新幹線台車問題、日本の長所があだに

2018-03-01 23:16:43 | 技術

今回の台車に亀裂が入った問題は一連の検査省略問題とは違う面が有るのではないかと思う。

日経の報道「JR西と川重によると、亀裂が入った台車枠の鋼材は縦約17センチ、横16センチ。中が空洞のロの字型構造になっている。厚さ8ミリの鋼材を使って成型した後、別の部品を溶接した際に底面の一部を削った結果、薄くなった。最も薄い部分は厚さ4.7ミリで、両社が仕様書で取り決めた基準(同7ミリ)を大幅に下回っていた」

この報道を見る限り、現場の責任者の判断で設計変更をしたことが台車の強度を弱めてしまったようだ。川崎重工は松方コレクションで有名な創業者以来の伝統ある重機械メーカーで私も外国のお客を連れて、新幹線製造現場を訪れたことがある。日本を代表するものつくり現場といっても過言でない熟練した技能者集団だ。日本のものつくり現場は設計部門とすりあわせしながらより良いものを造るという伝統がある。勿論設計図面どおり正確に造ることが通常だが、現場で加工しやすく(生産性を上げる)手直しが必要な場合は設計部門とすり合わせることも可能だし、それが日本の競争力の源だ。川重の加工現場では生産性を上げる手直しがある程度(許容範囲)が慣習としてあったのではないか?

但し、現場では強度の大小が判らないので設計部門とすり合わせすることになっていたのを判断ミスしたのではないか?もう少し原因の精査が必要で公開して貰いたい。

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