ついにNECが単独でのパソコン事業を断念し、中国メーカーレノボと提携するとのニュースが流れた。PC98シリーズで日本のパソコンをリードしてきたNECが追い込まれての決断だ。IBMがパソコン事業をレノボに売却したときは思い切ったことをやると思ったが、今思うと正しい選択だったのだ。IBMはその後、サーバーで世界トップの地位になっている。
パソコンはコモディティ化し、部品モジュールを集めれば誰でも作れる。私の10年前のPCは息子が組み立てた自作品だった。そしておなじみの価格競争で、肝心のOSはマイクロソフトに握られ、利益は出なくなっている。アンチマイクロソフトのアップルはiphoneで独自のOSやCPUセットを開発し、巨額の利益を出している。
NECは何故IBMよりはるかに決断が遅れたのだろうか、NECだけでなく日本の電機産業はなまじっか国内市場が大きいため、グローバル市場に乗り遅れたということで、韓国のサムスンやLGの後塵をはいすることになった。
NECとレノボが一緒になっても世界シェアは9.1%、トップのHpの19.7%や2位のデルやエイサーの12.5%にはとどかない。コモディティ化したPCではいかにコストを安くするか、他社と差別化できるかが勝負で、Hpやデルは直接販売で流通コストをおさえ、ネットで注文生産をして差別化している。Hpはデスクトップを昭島で生産し、メイドインTokyoのラベルを貼り、大きな筐体のデスクトップは市場に近いところで一日でも早く顧客に届けるという日本メーカーではできない芸当をやっている。
PCの今後の発展・変化は予想が付かないほど大きいが、タブレット端末やスマホが出現し、システム的にはクラウドが本流になのだろうか。またテレビとの融合を含め複雑化すればするほど通信技術力のある日本メーカーの競争力は貴重となる。コモディティ化からの脱出を計れるかNECに期待したい。
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