欧州中央銀行ECBドラギ総裁が昨日発表した日本の公定歩合に当たる金利の引き下げ(結果過去最低の0.15%)と銀行から預かる預金金利をマイナス0.1%(銀行からの預金に手数料を取る)にするといった方針、これまでにない思い切ったことでドラギマジックかと報じられた。狙いは明らかでユーロ高を是正し、デフレにストップを掛けることだった。
発表直後はユーロ安にふれたが、1日で元へ戻ってしまった。これは日本がかつて歩んだ道とよく似ている。日本も日銀がゼロ金利を続けたが、円高は是正されず企業の競争力は低下し,エレクトロニクス製品は壊滅的な打撃を受けた。そしてデフレ状態が続いた。ドラギ総裁はそのことを良く認識しているので欧州経済がデフレに陥る前に手を打ったということだ。
しかし、ユーロ高は続き、マジックは通用しなかった。専門家の議論は金利の引き下げ程度ではユーロは下がらない。ドラギ総裁はデフレの厳しさを甘く見た。米国FRBや日銀がやっている通貨をジャブジャブ発行する量的緩和(Quantitative Easing)を欧州中央銀行に促す市場の反応といった意見が強い。
日米の経済状態は今のところ回復し、この量的緩和政策が上手く行ったように見える。しかし、世界中にドルや円は動き回っておりその量は下記の通り想像を超える。
アメリカのFRBによるQE1(2008年11月-2010年6月、1兆7250億ドル)、QE2(2010年11月-2011年6月、6000億ドル)、QE3(2012年9月-、月額400億ドル)
黒田日銀総裁のマジックは「2年で日銀券や硬貨を87兆円から90兆円に増やし、日銀当座預金を47兆円から3・7倍の175兆円に拡大する」というもの、当座預金の175兆円で国債やETFやREITまで購入している。
欧州も同じことをこれからやるとなると、金余りと超低金利が世界中に大きなインパクトを与え、先ず頭にうかぶのはバブルだ。景気が良くなったのはお金を刷ったからでは、長続きしないのは当たり前でこれからは用心用心!!
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