2023年1月31日最後のボーイング747が世界最大の巨大空間を持つボーイングの工場から出荷された。「空の女王」として、またジャンボの愛称をもつ長寿命の飛行機は、空の旅を手頃な価格にするのに役立ち、海外旅行大衆化に寄与した。その後、小型で効率の良いエンジンが開発され、燃費の優れた787等に旅客機は替わり、貨物輸送機で活躍してきたが、ついに最後のジャンボとなった。
50年前ジャンボが誕生し、私もビジネスや観光で60ヵ国余へ飛んだが、1番利用した機種で、巨体なのでゆれが少ないという印象だった。かつてアンカレッジ経由での欧州行きをよく利用したが、運転席のガラスにひびが入り、アンカレッジ空港で3時間待たされたり、北極圏飛行中オーロラを見たり、思い出がたくさんある。2階建ての飛行機は珍しく、その後、2階建て部分が拡張されラウンジでゆったり飲んだりできた。
それにしても改良を重ねてきたとは言え、50年間も飛び続けるというのはボーイング社の執念というか愛着すら感じられる。ジャンボが登場するまで「空の貴婦人」と言われたダグラス社のDC-8が主流だった。今や欧州のエアバスも登場し、空の競争は激しくなるばかりだ。しかし今から数十年後もまだ飛んでいる可能性があると航空史家が言うから恐れ入る。ジャンボのあと、更に大きなエアバス社A380が登場したが、短命に終わっている。A380はあまりにも乗客が多く、手際も悪かったせいか、降りるのに待たされ時間がかかった記憶がある。
現在ジャンボに乗りたかったらルフトハンザ、大韓航空、中国国際航空を利用するしかないようだ。