行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

新幹線重大インシデント、神話の崩壊

2017-12-21 14:05:48 | 生活
JR西日本運行の博多発東京行きのぞみ34号の台車で亀裂が見つかり、運輸安全委員会が新幹線で初の重大インシデント(重大な事故につながる恐れのあった事例)と認定した。JR西の吉江則彦副社長は「そのまま走行していたら破断し、脱線などの大事故になった可能性が高い」との見解を示した。問題は乗務員が異臭を感じるなどして以降、約3時間も運行を継続しており、亀裂はこの走行中に広がったとみられ、亀裂の長さは底面で16センチ、両側面でそれぞれ約14センチに達し、台車枠あと3センチの亀裂で破断というところ。吉江副社長は「台車への亀裂の発生は想定外だった」とする一方、台車の異常検知システムの導入を検討し、異臭確認の際などに躊躇(ちゅうちょ)なく運行停止にする対策を取るという。以上がマスコミの報道だ。
 
小倉駅時点で臭いがしたのに名古屋まで走ったことに注目したい。台車の検査は現在ハンマーでたたいて、異音がしないかとか目視によるクラック検査をしてるようだが、非破壊検査など金が掛かるが投入が必要だ。もっと重要なことは今回のインシデントは新幹線の安全神話が崩れた瞬間であり、それを担保するためには小倉から異臭がする以上途中の広島や新大阪で止めて安全点検をするべきだった。その裏にはもう一つの新幹線の神話、定時走行が有るのではないだろうか。定時走行するために、東京駅の車内清掃の早さが話題になるくらいで、それはそれで素晴らしいことだ。しかし、今回のような重大インシデントが発生したら、とにかく止めるということが必要で、新幹線はこの際安全のためには定時走行を犠牲にするぐらいの宣言をしたらどうだろうか。
 
最近は新幹線に限らず、JR、私鉄でも架線事故、信号故障など、多くなっている。英国などでは定時走行の技術を買ってJR東などに列車の運行を任せるほど、運行技術の高さを評価しているが、安全第一を強調して貰いたい。

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