行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

夏山の思い出 スイスアルプストレッキング

2010-07-30 23:14:41 | Weblog
こう連日暑いと2000mくらいの高地に飛んでいきたくなる。夏山の思い出でいつも頭に浮かぶのは2003年の定年退職旅行でのスイスアルプストレッキングだ。
時期は天気の安定している8月、ベースとするホテルには1週間滞在することにし、滞在地はグリンデルワルドとし、5月頃にホテルを予約、1週間も滞在するのだからアイガーが見える部屋を何とか取ってもらった。


グリンデルワルドはかつて二つの氷河が迫り、氷河見物の村として有名だったが、肝心の氷河は温暖化で後退してしまった。しかしここは登山電車やケーブル、リフトがユングフラウなど周りの山へと繋がり、登山の基地としては絶好のロケーションで15年前に来たときに比較すると倍くらいの大きな村になっていた。

2003年夏は欧州全体が熱波におおわれ、10日間の旅行中、毎日が快晴でアルプスでのハイキングは快適だったが、暑さ対策が必要だった。私たち夫婦は毎日日焼け止めクリームを塗って、傘をさして歩いた。グリンデルワルドは海抜1000mだが、毎日30度近くまで温度が上がり、日なたでは傘が必需品だった。またアルプスの山は高度が高く高山植物はあっても樹木はなく、歩いていても傘は邪魔にならないことも幸いした。

手始めに、ユングフラウとアイガー氷河へと8時頃の電車でグリンデルワルドを出発、この鉄道は3本レールのうち真ん中のレール(ラックレール)に歯車を噛ませながらゆっくりとぐいぐいとからだが引っ張られるような感じで登り、グリンデルワルドの村が眼下に遠のいて行った。10キロ足らずの距離を30分かけて標高2,061mのクライネシャイデックに着いた。ここはユングフラウへ鉄道の乗り換え地点でもあり、グリンデルワルドの反対側ウェンゲンやラウターブルンネンからくる登山電車の接続地点で、ホテルもレストランもあり、トレッキングのベースともなった。

クライネシャイディクの絶景はアイガー北壁、メンヒ、ユングフラウヨッホの4000m級の山々とそこから流れる氷河で、私たちは滞在中、時間が出来ると毎日のようにここへ来てあきることなく眺めていた。

ユングフラウ鉄道に乗り換え、最初の駅アイガーグレッチャー駅(標高2,320m)では名の通りアイガー氷河の最後尾を望め、そこから終点のユングフラウまでアイガーをくり抜いたトンネルが続き、この間7.3kmの建設に14年間もかかった。麓のグリンデルワルド駅から往復12000円という高額な運賃も納得、トンネルに入ると二つ目のアイスメーア(氷の海という意)駅(3,160m)という氷河見物用の駅があり、世界のロッククライマーが目指すアイガー北壁をくり抜いた窓からアイガー氷河を見ることができた。この駅は北壁での遭難者の救助にも使われ、氷河の氷塊が目前に迫り、まさに荒れた氷の海だった。

終点ユングフラウヨッホ駅は標高3,454mで、ロープウェイを除いた鉄道駅としてはヨーロッパで最も高い場所にあり、岩山をくり抜いた地下駅だ。そこからエレベーターで標高3,571mの「スフィンクス展望台」に上ると、眼前にユングフラウヨッホ、アイガー、メンヒの山頂が迫り、遠くにはシルトホーンが望めた。


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