ブラジル日本移民資料館所蔵写真の巨樹フィゲイラは樹高40m程もあり観る者を圧
倒する。イチジク属らしいので久留米いちじくの40cmの苗を買ってきて一本立ちの鉢植えにしたら数か月で夏までに2mになった。恐ろしい成長力を実感できた。
開拓者がいかにしてその巨木を切り倒すかは文末でご覧あれ。
よく家の床下でほこりにまみれて遊んだ。
犬を飼っていたので砂蚤に悩まされた。
砂蚤は日本にはいない。
足の爪の間や角質の中に喰い込み、卵「胞」を育て魚の目ほどに大きくなる。
寄生された患部は腫れてかゆくてたまらない。
たこ焼きをひっくり返すように針でほじくり出し穴にヨードチンキを塗っておくと治る。
これをビッショ掘りと言い日課になることもある。
父母が畑仕事をしている間は幼くて足手まといの私は木の陰に置かれていた。
敷物の後ろで蛇がとぐろを巻いていたこともあった。
家の仔犬が玉虫色の小さな毒蛇にかまれて即死したのを憶えている。
畑に行く途中グズって母に置き去りにされて大泣きしたことがあった。
そのすぐ側に大きなフィゲイラの切り株があった。
フィゲイラは大きな板根ゆえに切り倒すときは家の塗装時のように櫓を組んで足場とし地上から5mぐらい高い幹の部分を数人がかりで切る。
板根が朽ち始める頃食用になる白い茸のオンパレードが見られる。
フィゲイラはウドの大木ほどではないが枯れると腐朽しやすい。
ナバとよんでいたきのこを食べたのは1回かぎりだった。