先日両国の江戸東京博物館で開催中の「肉筆浮世絵、江戸の誘惑」展へ行きました。
葛飾北斎、喜多川歌麿というビッグネームが並びます。
でも今回のキモは『肉筆絵』ということ。
普通の浮世絵は版画です。版木があって、刷り師が量産するもの。
でも肉筆画はいわゆる一点もの。注文品ともなるとサイズも大きく金に糸目をつけず贅沢に作られていて素晴しい。筆の勢いや繊細さも楽しめますが、私が驚いたのは本紙の外。掛軸のこしらえの贅沢さです。肉筆画に添うように作られてますので、ぜひぜひ自分の目で確かめなくてはいけません。だってパンフレットや絵はがきは絵の部分しか納められてないですから。
例えばある絵の場合。冬、庭は雪景色。それを見やる女性。印象的な緋色の着物。そんな絵を彩る掛軸のこしらえは、背後の紙がしろに緑の竹の葉模様。天地の紙が銀色。軸木は真っ赤。風帯と一文字はとも柄。ちょっと記憶はあやふやですが、豪華な黒の別珍模様だったような…。
掛軸は一文字と風帯は同じもので作られることが多いようで、そこにジャワ更紗や西洋渡りのタペストリーが使われてたりしますので、観賞の場合は注意して見なくては…。今回の肉筆絵は江戸の終り1800年ごろのものが多かったような。つまり200年近く昔に描かれてるので、それらが退色してるのも差し引いて見なくては。往年はもう綺麗だったんだろうなあと。
他に、葛飾北斎の提灯とか幟など、珍しいものも来日してます。
で、どなたが執筆したのかわかりませんが、解説文も秀逸。
例えば、貼り付けた葛飾北斎の「鳳凰図屏風」。
「枕屏風とよばれるもので、祝言の祝いに送られたものか?新婚の枕元に、吉原の売春宿の性愛の儀式の時に使われたものか」と言った感じ。(内容は合ってますが、言い回しはちとあやふやです。メモして歩いたのではないので)
肉筆絵の中には御贔屓の歌舞伎役者、中村歌右エ門とか。人気の花魁とか。着物に「おせん」とか女性の名前まで描かれてるのもあった。
着物で思い出しました。着物の柄はもとより、帯の柄も凝ってます。御茶屋の女性は当時のトレンドをリードしていたとかで、髪の結い方、帯の絞め方、かんざしの挿し方も個性があって面白い。つまり、絵師は絵の隅々までこだわって描いてる。それが見る方にも伝わってきます。
まだ始まったばかりの展覧会で、客も少なくて久々に面白い展覧会でした。
葛飾北斎、喜多川歌麿というビッグネームが並びます。
でも今回のキモは『肉筆絵』ということ。
普通の浮世絵は版画です。版木があって、刷り師が量産するもの。
でも肉筆画はいわゆる一点もの。注文品ともなるとサイズも大きく金に糸目をつけず贅沢に作られていて素晴しい。筆の勢いや繊細さも楽しめますが、私が驚いたのは本紙の外。掛軸のこしらえの贅沢さです。肉筆画に添うように作られてますので、ぜひぜひ自分の目で確かめなくてはいけません。だってパンフレットや絵はがきは絵の部分しか納められてないですから。
例えばある絵の場合。冬、庭は雪景色。それを見やる女性。印象的な緋色の着物。そんな絵を彩る掛軸のこしらえは、背後の紙がしろに緑の竹の葉模様。天地の紙が銀色。軸木は真っ赤。風帯と一文字はとも柄。ちょっと記憶はあやふやですが、豪華な黒の別珍模様だったような…。
掛軸は一文字と風帯は同じもので作られることが多いようで、そこにジャワ更紗や西洋渡りのタペストリーが使われてたりしますので、観賞の場合は注意して見なくては…。今回の肉筆絵は江戸の終り1800年ごろのものが多かったような。つまり200年近く昔に描かれてるので、それらが退色してるのも差し引いて見なくては。往年はもう綺麗だったんだろうなあと。
他に、葛飾北斎の提灯とか幟など、珍しいものも来日してます。
で、どなたが執筆したのかわかりませんが、解説文も秀逸。
例えば、貼り付けた葛飾北斎の「鳳凰図屏風」。
「枕屏風とよばれるもので、祝言の祝いに送られたものか?新婚の枕元に、吉原の売春宿の性愛の儀式の時に使われたものか」と言った感じ。(内容は合ってますが、言い回しはちとあやふやです。メモして歩いたのではないので)
肉筆絵の中には御贔屓の歌舞伎役者、中村歌右エ門とか。人気の花魁とか。着物に「おせん」とか女性の名前まで描かれてるのもあった。
着物で思い出しました。着物の柄はもとより、帯の柄も凝ってます。御茶屋の女性は当時のトレンドをリードしていたとかで、髪の結い方、帯の絞め方、かんざしの挿し方も個性があって面白い。つまり、絵師は絵の隅々までこだわって描いてる。それが見る方にも伝わってきます。
まだ始まったばかりの展覧会で、客も少なくて久々に面白い展覧会でした。
