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入江陵介、背泳ぎ200mで世界新記録を達成!

2009年05月10日 | 競泳
豪州キャンベラで行われた競泳の日豪対抗戦
好調を伝えられた入江陵介が、背泳ぎ200mに登場し
ライアン・ロクテ(米)の記録を上回る1:52:86の
世界新記録で優勝した。

日本選手権でも好タイムを叩き出し、100mでも
世界記録に迫るタイムで泳いだだけに、入江が遂に
「新エース候補」の期待に応えたワケだ。

これまでのエースは、いうまでもなく北島康介。
五輪後は最前線から退いている北島に代わり、
必要とされる「新エース」。

日本選手の世界新記録保持者は、北京五輪で世界
記録をマークした北島康介以来。
入江は「新エース」への切符を手する事になった。

これまで背泳ぎの第一人者だった森田智巳は、アテネ
100mの銅メダリスト。
北京にも出場したが、メダルには届かなかった。
(ホリプロの宮下は男子メドレーリレーで銅)

「世界一のロケットスタート」が驚異的だった森田は、
身長が170cm弱と体格のハンデに泣いたが。
※国内試合を生で見たが、水を切り裂くように進むバサロ
 には会場がどよめいた。凄いものを見させてもらった。
 北京後に引退を発表されたが、
 「本当にお疲れ様でした」と申し上げたい。

入江は身長180cmにこそ届かないが、長い手足に恵まれ、
ブレの無い泳ぎには定評あった。

今回も「前半から勇気を持って行った」と後半型返上の
ようなコメントを残したが、映像で見ると「何でこんな
優雅な泳ぎで速いんだ!」と驚くばかりの美しい泳ぎ。

左右、上下のブレが全くない!水しぶきすら殆どたたない!
水上を戻る腕には全く力が入っていない。

水の抵抗から開放されるストリームラインは理想的ですら
あり、それが「究極」である事は皆が分かってるのに誰も
出来ない理想のフォーム・・・。

※これまで記録保持者だった海外選手だって
 「パワフルさ」が感じられた。あそこまで優雅では
 なかった。

男子背泳ぎは
ここ数年、アーロン・ピアソル(米)の一人勝ち状態で。
その余りの強さに
「日本で彼に並べる選手は出ないだろうなぁ」とも思われた。
期待の入江も、まだ線が細い印象があったのだ。

高校生から大学に上がったあたりで、
「背泳ぎ王子」としてメディアに取り上げられる事が
一気に増えた入江だが、優しい雰囲気が先行し、「勝負師」
的なオーラは感じられなかった。

それは、まだ充分ではない。

200m持ちタイムでランキング3位で北京五輪に出場するも、
メダルを期待されながら5位に終わり、
インタビューで涙を見せた「線の細さ」は、今も完全には
払拭されてはいないと思う。

「精神的に弱い選手」は、大きな大会では結果が出せず、
小さな大会で世界記録とか弾き出してしまいがちなのだ。

今回、豪州対抗戦で記録を出してみせた入江だが
本人も「プレッシャーを感じるが、世界選手権で記録を
更新したい」と語ったように
今年行われる「大きな大会」での結果が注目される。

北島は天性の勝負師だが
入江はピアノも嗜み、声も少年のように優しい「貴公子」
タイプ。

「そういう選手が驚異的に強い」って意外性も世間は
好きだから、精神面の強化に期待したい。

まだ10代の彼には、まだまだ心身ともに成長する余地が
十二分にある。

がんばれ、入江陵介!