新鹿山荘控帳

山荘管理人が季節の移ろいを、書きとめました
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濱嘉之「国家簒奪」

2017-01-09 18:02:38 | 読書
久しぶりの警視庁公安部青山望シリーズの最新刊です。
じつは6日の日に発売されていたのですが、同じ6日に別の作家の新シリーズの上下巻が発売されておりましてこちらも1巻700円です。一度に2100円はと思い、新シリーズの方を選択したのです。こちらも大変面白く、最低シリーズでも10巻を超えるはずです。期待しています。

そんなわけで「国家簒奪」(最初は国家と変換しないで国歌と変換してしまいます。3回目でやっと国家簒奪と認識してくれました)は、本日購入し先ほど読了いたしました。

【物語】リーフレットによりますと。
覚せい剤取引に手を出した若頭が爆殺された。背景では中国マフィア同士の抗争が風雲急を告げている。公安エースの青山望が奔走する。

プラスティック爆薬とテルミットを使った爆発物で暴力団若頭と情婦が爆死させられます。爆発と数十分間の3000度の燃焼で、二人の遺体は灰となり、マンションの高層階の部屋の床は大きく穴が開き、3センチの鉄筋は熱で溶けてしまう。と言った異様な状況で小説は始まります。
おなじみの「青山」「大和田」「藤中」「龍」の警視庁カルテットとが複雑に絡んだ事件を解決していきます。

今回は、政治的あるいは技術的新情報の解説は少なく、全編事件解決のための捜査が描かれていきます。
その中でも一つ紹介しますと、「バハマリークス」です。「パナマ文書」の後、2016年7月に新しく公開されたタックスヘイブン情報です。こちらの情報公開はあまりマスコミに取り上げられていないように思います。
その他でもいくつかなるほどと思う情報がありますが、一般市民がブログに文字として載せるのは怖い気がします。このシリーズをお読みの方は、あの国のあの情報かとお分かりになると思います。

盛りだくさんの情報が現実のものかどうか我々には判断できませんが、多分現実だろうなと思わせてくれる詳細な情報表現です。このような優秀な捜査官はそれこそ現実には存在しないのだろう。だから小説として成立するのだろうと、いつも読了すると感じてしまいます。
でも面白いですよ。

コメント
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