新鹿山荘控帳

山荘管理人が季節の移ろいを、書きとめました
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内田康夫「萩殺人事件」

2012-11-02 18:02:22 | 読書
10月23日に読了した内田康夫「汚れちまった道」に続いてすぐに読むつもりが、いろいろ用事が重なり本日やっと読了。
この2冊は山口県を舞台に、浅見光彦が主人公の事件と彼の親友松田将明が巻き込まれる事件が、それぞれが主人公として2冊のミステリーとして発行されたのです。

次々と起こる事件が浅見光彦と松田将明のそれぞれの視点から書かれ、また登場人物が重なりあいながらストーリーは展開していきます。
その2冊を光文社と祥伝社が発行したのです。
本来ならすぐに2冊目を読み、このような面白い仕掛けをひとつづつ確認しながら読まなければならないのですが、1週間のブランクで「汚れちまった道」のストーリーを忘れてしまい、全く別の小説として読み始めました。

普通の人間である松田将明は普通の人間として事件に巻き込まれ、警察に容疑者扱いされ苦悩します。浅見光彦にない悩み方はむしろ好感が持て新鮮ですらありました。
しばらくして浅見光彦が登場するころから、「汚れちまった道」のストーリーを思い出し事件の様相も思い出し、読んでいくスピードも速くなってしまいました。
本日はとりあえず第一回の読了です。浅見光彦のいない場面での人間の動きなど、こういうことになるのかとかいろいろ楽しめましたが、作者が二年がかりで二つのミステリーを完成したというその苦心の跡を見つけるまでにはいきませんでした。

ただ前回も書きましたが事件自体は日本のどこのでも起きそうな事件が書かれていますが、良くこんなことを考えるなーと感心してしまいました。

それと「汚れちまった道」と「萩殺人事件」のどちらを先に読むかと悩んだのですが、2冊を読んで「汚れちまった道」を先に読んだのは正解でした。事件の全容を説明しているのは「汚れちまった道」の方ですから。

うすら寒い冬の一日、暖房の前でじっくりもう一度読みます。





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