前回の続きでupするアルバムを録音順かリリース順にするか、少し考えリリース順で”WE WILL MEET AGAIN”を。FantasyからWarner Brosに移り4作目(録音)、リリースすることを前提とした最後のスタジオ録音。
クインテットですが、tpが入るのは「インタープレイ」(1962年)のハバード以来ではないかな?
このレコードの特異な所は、収録時間の長さでA面約32分、B面約28分、計60分とCD並みです。凄い技術力ですね。CDはまだ実用化されていない。
興味深い点は、録音がColumbia(NY)のスタジオで行われ、エンジニアはFRANK LAICO。彼はColumbiaの録音担当社員(多分)なのでColumbiaのレコードにはクレジットされないが、他レーベルなのでクレジットされたのでしょう。好録音で知られるマイルスの”Someday My Prince ・・・・”等々の録音担当をしている知られざる優秀エンジニアですね。
Warner Brosの前2作も彼の手で録音されている。ひょっとしてFantasyの音に満足していなかったエヴァンスがLAICOをリクエストしたのかもしれません。本作の音は明らかにFantasyと異なり、粒立ちが良くなっている。
プライベートでは決して良い状況ではなかったけれど、未来に向け何か意を決したような明るいエヴァンスが聴けます。開き直ったと言ってもいい。ただ、ソロ2曲を除き、各曲の演奏時間を長くした分、ハレル(tp)、シュナイダー(ts、ss)の力量が問われる展開だが、エヴァンスは無頓着でロング・ソロを吹かせ、イマジネーションが尽きた二人が苦しそうな場面も散見される。
ハレルは良いトランペッターなので、実力を発揮するシチュエーションをちゃんと用意してあげれば、もっと貢献できたのでは?また、二人の力量に合わせ、ソロ構成を工夫すると良かったんじゃないかな。
でも、その大らかさがエヴァンスの場合、メンタル面良好のバロメーターに繋がっている反面、問題はフィジカル面か、残された時間は僅か1年だった。
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