一昔前、ネット上であのゴルソン・ハーモニーを「ダサイ」という風評が流れた時期が有りました。
しかも、恰も自分が言い始めた如く「我も我も」と追従者が現れる始末。
確かにその筋の専門家から、ゴルソンの編曲は中途半端な部分が・・・・・、と指摘されていますが、自身がts奏者でもあり、なるべくソリストの自由を縛らず、最大限にパフォーマンスできる編曲を優先したのでしょう。
この作品はプレステッジのNEW JAZZ3部作の一枚目のセッション(№.は2番目)。
このカヴァがなぁ・・・・・・・・、よう分かりません。だから、3部作の中で一番、地味な印象を与えているかもしれませんね。
でも、TOPのレイ・ブライアントが作曲した‘Staccato Swing’、コレが凄くイイ!
まず、浮遊感あるtsとtbのユニゾンの柔らかなイントロの後、ブライアントがテーマの前半パートを弾き、続いてユニゾンでほのかに哀愁が漂うメロディを。いやぁ~、この展開いいですよ。
そして、フラーの躍動感溢れるプレイ、彼自身屈指の名ソロの一つに挙げられるでしょう。
その後のブライアントの小気味良いピアノ・ソロ、これまた素晴らしいですね。シングル・トーンで実に歯切れがよく、さすが作曲者、曲想にピッタリ、聴きものです。
二人の好ソロを受け継いだゴルソン、徐々にヒート・アップしながらもコントロールを利かせた熱演とでもいうのでしょうか、これもGoo。
とにかく、5分弱とやや短い演奏ですが、一発で殺られる。
パーソネルは、
BENNY GOLSON (ts)、CURTIS FULLER (tb)、RAY BRKANT (p)、TOM BRUANT (b)、AL HAREWOOD (ds)
1959年6月20日録音
プレスティッジNEWJAZZ三部作は、良くできていて、大好きです。お話のように、「Staccato Swing」よいですね。レイ・ブライアントのしなやかなピアノソロも最高です。ところが、ブライアントが他でやっている録音が見つからず、どこかにあれば聴いてみたい。
2曲目は、「枯葉」ですが、この「Staccato Swing」には、気のせいかもしれませんが、枯葉を示唆する部分が出ているように思います。ことさらそうでなくても、この1~2曲目の流れは、自然で気持ち良く聴けます。
こちらは鬱陶しい梅雨空が続いています。
「Staccato Swing」の別ヴァージョン、僕も知らず聴いてみたいです。
「枯葉」のアレンジもなかなか手が込んでいますね。ゴルソンのtsにフラーがオブリガート、そしてユニゾン、次はゴルソンがオブリガート、ソロもそれぞれ2段構成と。
「Staccato Swing」のエンディングをブライアントのpでフェードさせているので、このアレンジは効果的で、確かに自然の流れで聴き入ってしまいますね。