あのおぞましい砺波のアクシデントからもうすぐ一年がたとうとしています。
そこで、私の方から、あのアクシデントから得た教訓を、自分なりにまとめて発表したいと思います。
なお、これから述べさせていただくものは、現在JHF安全性委員をはずれた、あくまで、私個人としてのものであり、この発表に関する意見、クレームは私個人にお願いいたします。
まず、当日のアクシデントに遭われた皆さんの行動をみて見ると、半分近い方が無線を聞ける状態になかった事が意外でした。
このことは大いに反省すべき点だと思います。
まず、当日はとりあえず飛べるコンディションではありましたが、テイクオフ前方には降雨を伴う雄大積雲が確認でき、当日のタスクのコース上に、その降雨がさしかかることは十分に予測は出来たはずです。
つまり、キャンセルになる可能性は十分に予測できたはずですが、それにもかかわらず、無線が聞ける状態になかった選手が多数いたことは、私としては少々意外でした。
大会では役員の方が何とか大会を正立させようと必死です。つまり、ギリギリまでキャンセルを遅らせる傾向があるため、やはり、選手は最低限自分の身を守る努力を怠るべきではないと思います。でなければ、今後大会を開いていくことは出来ないと思います。
砺波のアクシデントについては、まず、事の起こりは気象会社からの情報そのものは間違っていなかったのですが、実際の現場が能登半島の付け根で、風が収束しやすい条件が局所的にそろっていたため、この局所的な予報までは予測し切れなかったことから始まりました。
しかし、これは私は気象会社を責めるべきではないと思います。
少なからず、選手の皆さんは目の前に降雨を伴う雄大積雲の存在を確認していたわけであり、本来フライヤーは、自分の身を自分で守らなければならないのですから、気象情報を疑ってかかってしかるべきだったように思えます。
気象予報士の方も現場にいないわけであり、現場の空気を感じているわけではないので、やはり、常識的にフライヤーが目の前の気象条件を客観的に感じる必要はあったでしょう。
このことが、砺波の大会で最も反省すべき点だったように、私には感じられました。