飛行中年

空を飛ぶことに薪ストーブ、そして、旅をこよなく愛する一人の中年のブログです。

星の王子様の謎 その3

2008-10-24 19:24:29 | ロマン飛行(romance of flying )

「星の王子様」を読んだことがない方の為に、この物語のあらすじをご紹介しよう。

この物語の主人公はパイロット。ある日飛行機のトラブルで砂漠に不時着してしまい、そこで星の王子様と出会う。

その王子様はパイロットが長年探していた人間であることに気づき、二人の話が始まる。

パイロットは話を続けるうちに、王子様は小さな星から地球にやってきたことに気づく。王子様は自分の住んでいた星に、一つだけ咲いているバラといざこざを起こして星を飛び出したのだ。

旅に出た王子様はいろいろな星に立ち寄ったが、どれもおかしな大人たちが住んでおり、王子様にとって、それらの大人達はこっけいなものとしか思えなかった。

やがて王子様は地理学者の薦めで地球にやってくる。

地球にやってきた王子様は、まず、不気味な蛇に出会う。そして、賢者の狐に出会い大切な教えを教わる。

やがて1年がたち、王子様は再び自分の星に帰るため、自分が降りた砂漠に戻ってくる。

パイロットと出会ったのは、実はこのときだったのだ。

王子様は砂の上で後ろに静かに倒れながら、パイロットの目の前から消え、そして、星へと戻っていった。

大まかな筋はこのようなものだ。

この物語を何度か読むと、星の王子様は、実はサンテック自身であることに気がつく。

つまり、サンテックは自分がたどった人生を、自分を星の王子様に置き換えて語っているのだ。

話の一番最初には、「帽子の話」が飛び出す。

帽子とは、実はサンテックが子供のころ書いた「象を飲み込んだウワバミ」の絵であったが、大人達はその絵をよく見ずに「帽子」と決め付けてしまう。

そして、星の王子様から「羊の絵を書いて」と頼まれ、パイロットがいろいろな羊の絵を書いてみるが、どれも王子様は気に入らず、しまいには、「この箱の中にあんたの望む羊がいる」とぶっきらぼうに渡した絵が、実は王子様が一番気に入ってしまう。

この二つの話は、物事はうわべだけにとらわれてしまうと、気がつかないものがある。そして、時には、物事を心の中で見ることも必用だということを、おそらく、教えているのであろう。

物語は、まず読者にこのことに気づかせてから、更に大切なことへと進んでいくのである。

のきに

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