翼のリーディングエッジをきれいに保つために入れられているルミラー。
機首から出し入れが出来るこのルミラーは、うっかりすると、中で折れてしまう事があります。
折れるときは、たいていが機首部分、ノーズコーンの直ぐ横。
このルミラーの折れは、実はとても怖いものなのです。
ルミラーが折れたまま飛んでしまうとどうなるか?実は、強いアドバースヨーが発生し、ハンググライダーは思った方向に旋回出来なくなってしまうのです。
つまり、ノーコン状態。
ルミラーの折れが原因で、翼につく突起の高さは、わずか1センチに満たないもの。しかし、このわずかな突起が致命的にグライダーのコントロールを失わせてしまうのです。
なぜこのようなことが起こってしまうのか?その原因は、以前私がFLYAIRでレポートを出したことがあるのですが、ハンググライダーのコントロール性を保つ上で、実は、翼の中央部分の気流の状態が非常に大事なようなのです。
以前の実験では、旋回内側の翼の中ほどでは、局所的な「失速」が確認できました。
どうもこの「失速」が、ハンググライダーにおける低速の旋回では重要な役割を担っているようなのです。
ルミラーの折れが原因で、そこから気流の剥離が始まってしまうと、上記のことがうまく行かなくなるため、旋回が出来なくなるのでは?というのが、とりあえず私の説です。
ともあれ、皆さんはプレフライトチェックの時は、ルミラーの折れにも注意してください。
ノーズコーンの直ぐ横。結構注意しないと発見できませんよ!